ミナムと名乗った少年は腰ほどの身長にチビだなと率直に漏れてしまった感想に粛として膝に手痛い拳を食らわせ当初の目的を果たして何事かを思案しやがて大人って解んねぇなぁと呟いた男の子だった。
あの日と同じ夕空の下、同じ場所で声を掛けてきたのは同じ人物、の、筈だ、が。
「スカー・・・ト!?」
青年の首が曲がっていくのに同調して首を傾げる少女はにこにこ楽しそうな顔で。
「おっぱ、おっぱはオッパを見てないですか!?」
どこまで曲げるのかというほど首肩腰を曲げた少女はやがてバランスを崩してよろけ咄嗟に青年の手が伸びた。
「あ・・・ありがとごじぇます」
「ああ、いや、えっと君ミぃ」
「ミぃニョですっ!コぉ・ミぃ・ニョっ!」
「おん・・・なの子!?」
間抜けな質問だと思ってもそのままが口を突いた。
「オッパ知ってるですか!?」
「オッパというのがミナムな・・・ら」
捲し立て言いたいことを言う兄妹の特徴に自然笑みが漏れ似てるのは顔立ちだけでもなくて。
「見ましたか!?」
きょろきょろ辺りを見渡し駆け出しそうなミニョと名乗った少女を呼び止めていた。
「俺もミナムに会いたいんだけど探してるって事は教会にいないってことだよね」
近場に適当なベンチを見つけそこへ座るよう促すと。
「知らない人と話してはいけませんってシスターに言われてましたっ!」
今更、な答えと後退り、そんなところもあの日と同じだと笑みは深くなった。
「俺ミナムを知ってるけ、ど・・・知らない同士なら知り合おうか俺の名前は・・・」
年嵩な呼ばれ方をしなくて良かったと安堵しながら兄妹の生い立ちを聞きミナムの夢を自分の事の様に一生懸命に話してくれる少女に目的等すっかり忘れた穏やかなひと時だった。
★このエピなくても良かったけどまぁどっかに繋がってるから勿体ないと思ってしまった(*´ω`*)
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