ズルッズルンッとおよそそれはそうされると掃除の手間が省けると考え、でもあれを洗うのはとハッたと気付いたミニョは、階段を降りてきたミナムの前に立ち塞がった。
「オッパ!何してるのですかぁ!!!」
むっくり、むっつり膨れたミニョを見下ろすミナムは大欠伸をしながら首を傾げている。
「掛け布団です!引きずるとかダメです!!!」
「あぁん!?ぁあ・・・別に良いじゃん床綺麗だし」
「そういう問題じゃないです!」
下まで降りきって巻き付けた布団のままダイニングへ向かったミナムが振り返った。
「っていうかお前ヒョンに似てきたな」
引っ張るミニョは、三分の一ほどを離さないミナムを睨みつけている。
「お前も部屋で良くやってんだろぅ」
「やっ・・・てますけどぉ・・・洗濯しますっ!!」
グイッと引かれた勢いでミナムがクルッと回った。
「あー、まぁ、それがお前の仕事だからそうしてください」
くるくる小さく一纏めに満足顔のミニョはソファ前に置いて眺めている。
「ヒョン達はー!?」
「出かけられましたよ!オッパが起きたらそれ渡してくれってヒョンニムからー」
「あぁん!?新譜!?・・・ってメロディだけじゃん」
冷蔵庫から何かをつまみ食いしたミナムは、口を動かしながらカウンターテーブルを覗き込んだ。
「詞が書けないのですって、オッパのせいで」
「はぇひ!?」
「オッパのSNSのせいでぜーんぶ素っ飛んじゃったって言ってました」
「はぁあ!?そっりゃヒョンの頭の問題だろ!?俺関係ねーよ」
ミニョが作り置いているおかずの入った容器をいくつも取り出して並べるミナムは、手を叩いてジェルミの顔写真が貼られたジュースも置いていそいそ椅子を引いた。
「ま、良いやいただき・・・今日は自宅練習っ・・・と・・・何してんの!?」
「ヒョンニムからレッスン表をって頂いたのです・・・が・・・」
フムフム紙に目を通しながら戻って来たミニョの奇妙な歩き方を見止めたミナムが、あんぐり顔を顰めて引っ手繰った。
「あー!?なんだー!?体のほぐしかたー!?」
「運動しろって事ですかね!?」
「そうなんじゃねーの!?」
ミナムもフムフム目を通している。
「モデルってそんなの必要なのですかぁ!?」
「ってお前そういうのいらないとか思ってたの!?」
「ぇだってヒョンニムは、コ・ミナムの時にやってたことだからって」
「コ・ミナムでダンスレッスンとか受けさせてもらってただろう」
「でもでも今のままで良いって言ってましたもの!」
「だ、としてもお前今って・・・」
「そうですかぁ!?」
ミナムの伸びた腕が遠慮なく脇腹を摘み、シャツも捲り上げ、ニヤリと見上げた目が、ポケットから出てきたメジャーを映した。
「オッパ!流石!用意周到です」
「誰だと思ってんだ」
瞬時に意図を理解したミニョは、向きあって両腕をあげ、メモリを伸ばしていたミナムは、腰を曲げて固まった。
「なっなっな何しってんのよーっ!あんた達ー!!!!!!!」
ドサリ、ドサリ派手な音で荷物を落としたヘイが、鬼の形相で目を剥いていたのだった。
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