この写真のどこにどうシヌが関連しているのか。
ミニョの頭の中を疑問符が漂っていた。
ミナムとテギョンそれにヘイも何かを懸念しているが考えても答えは出ない。
でもどうやら自分も無関係ではないらしい。
それだけは、どうにか理解していた。
「爺さんの話じゃ、そういうの全部抑えるって約束だったろ!これじゃ話が違うとしか言いようがないじゃん!ヒョンに渡した契約書返してくれよ!」
肝はそれかとテギョンは、ミナムのぶすくれた顔と手を見下ろした。
こちらにしても寝耳に水で、聞いてないと言ってやりたい気持ちを抑えたテギョンは、ミニョを立ちあがらせた。
「ヒョ・・・」
「コ・ミニョ、お前、風呂は済ませたのか!?」
「へ!?」
話を逸らし気勢を殺(そ)ぐ気満々のテギョンが、きょとんとするミニョの背中を押した。
「まだなら、ミナムの部屋に行ってこい!それと・・・」
夜食を用意しろと言われたミニョが、渋々出ていくのを見届けたテギョンは、大きな溜息を吐いた。
「ったく、俺だって万能じゃないんだ!ある程度のことしか把握出来てないのはお前だって承知だろう」
「解ってる!解ってるけどヒョン達話し合いしたんじゃないのかよ!俺だってこんな事をいちいちヒョンに言ったからってどうにかなるもんだと思ってるわけじゃないけどさっ」
ミナムの曇る顔に八つ当たりという後味の悪さを見つけたテギョンのトーンが落ちた。
「お前の心配は理解してるつもりだぞ・・・」
「そりゃそうだろっ!ミニョが引っ張り出されて嫌な思いするのヒョンだろっ!大体あいつの思考回路ってのは、自分がいなけりゃって処に行きつくに決まってっ!」
再び責めるミナムに一瞬でも咎めた気を奮起させるテギョンは、眉間を寄せ目を細めた。
「解ってる!繋ぎ止めるのに必死なのがお前だけだと思うなよっ」
今度はミナムが逡巡した。
「お・・・れ、そこまで必死じゃねーし」
ずり上がる尻で後ずさったミナムは、ヘイの座る椅子にぶつかった。
「あんたは、もう少し必死なとこ見せても良いのよ!だから信用ないんじゃない」
屈みこみミナムを見つめたヘイが、頬を突っついて微笑んだ。
「そ・・・してねーの!?」
真っすぐヘイを見つめ返すミナムの瞳が揺れた。
「・・・ちょっ・・・とは、し・・・てるわ・・・よ」
途端ヘイが真っ赤になってふんぞり返り、手で顔を扇ぎだした。
「ったく、痴話げんかはどーでも良いっからっ具体的に何聞かれたか話せよっ」
呆れ顔で暫くミナムとヘイを見つめていたテギョンは、ベッドにどっかり座り込んでいたのだった。
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