「じゃぁなミニョ、気を付けて行けよ」
「ヒョンに判りやすい所にいてあげてね」
「方向音痴直らない癖に平然と迎えに行くとか言える神経が解っんねぇよな」
「野生のカンですよ」
車に乗り込んだシヌとユナとバイクに跨るジェルミとミナムと大笑いをしてから手を振り見送ったミニョは、舗道にしゃがみ込んでいた。
「リーン、お腹大丈夫ですかぁ!?」
ポンポンと小さなお腹を叩いている。
「だーいじょうぶだよー、まだ食べられる!!」
「・・・テイクアウトもワンホールとか・・・やっぱり食べ過ぎな気がしますけど」
「大丈夫なの!お腹痛くないもん」
ミニョの手を引くリンは、スキップ交じりに歩き出した。
「アッパみたいな偏食じゃなかった筈なのに・・・オンマ少し心配です」
感傷的な息を吐いたミニョにリンが首を傾げている。
「オンマがご飯作ってくれたら直るかも!」
「へっ!?」
「ジュノヒョンが言ってた!オンマのご飯食べれてないからかもねって」
「!?外食ばかりだからって事ですかぁ!?」
「お医者さんじゃないから判んないけどねーだって」
「そっりゃ、オンマもお医者さんじゃないので解らないですけど」
「オンマのご飯は、バランスが良いってジュノヒョン言ってたもん!知らないのに知ってるのは、ミナムのおかげなんだってー」
ピョンピョン片足で跳ねて歩くリンは、ミニョを見上げた。
「なんでミナムオッパ!?」
「オンマミナムにご飯とかお菓子作らされてたんでしょ!?コーコーセーの頃ミナムが作らせてたのってジュノヒョンの実験レシピだったんだってー」
「えっ!?」
「だーかーらー、ジュノヒョンは、昔からオンマのソンセンニムなのー」
舗道の線を踏んで模様を避けて伸びたり縮んだりする腕にリンと微笑みあうミニョも付き合って跳ねている。
「知、りませんでした・・・ねっミナムオッパが考えたのかと・・・」
「次の特集、ミナムの嫌いなものレシピだもーん」
揃えた足と開いた足でじゃんけんに勝ったリンが駆け出した。
「えぇっ!?ミナムオッパに嫌いなものなんてないですよー」
「あるよ!カリフラワー」
「ぇぇえ!?」
「花みたいだからあんまり食べたくないんだってー」
曲がり角のお花屋さんの前で黄色い小さな花をリンが指差した。
「ケールでしょ!?・・・・・・ブロッコリーだって同じじゃないですかぁ」
「緑は体に良さそうだから食べるんだって」
「・・・・・・オッパに聞かせてあげたい」
鉢植えを眺めながらしゃがんだミニョは、落ちて来た影に顔をあげている。
「食ってるだろうが!細かく砕いてる癖に何を今更」
「あ、知ってました!?」
「知ってるに決まってるだろ!何年お前の料理食ってると思ってるんだ」
携帯を見ながらミニョの腕を掴んだテギョンが、辺りを見回している。
「あは、じゃぁ、オッパ!」
「スーパーに行くんだろ!?」
頷くミニョの手荷物を奪うテギョンは、首を傾げてリンの手元を見た。
「で、あれはなんだ!?」
「あ、シヌオッパに頂きました」
「・・・なんで花束」
「記念日のお裾分けって」
「記念日ね」
「記念日ですよ!?」
「記念日だよ!初デートの日だもーん」
ブンと花束を振り回し、くるんと回ったリンは、ミニョの手を握っている。
「お前にぶち壊された日でもあるけどな」
「そ、れ」
ムッと膨れたミニョの籠った口に耳を立てたテギョンは、フッと笑った。
「ソ・ジュノに・・・いや・・・」
「懐かしいですね・・・」
テギョンの意図と腕を正確に絡めとり空を指差していたミニョだった。
あり?そっちの話とくっついた・・・(;・∀・)らしい────な
ってどうにかなるっしょー(^^;)別物別物(^^ゞ