「ファン・リンくーんお兄ちゃんがお迎えに来てるよー」
「ふぇ!?お兄ちゃん!?」
ノートとペンケースを仕舞い込んでいたリンは、教室のドアにちょこんと顔を出し走り去って行ったクラスメートの後ろ姿に首を傾げリュックを背負った。
「お兄ちゃん・・・って・・・」
傾げる首を左右に変えながら廊下に出ると壁に寄りかかっているユソンを見つけて破顔している。
「あ、は!お兄ちゃん!お待たせっ!」
「っ!?なんだっよっ突然っ・・・」
腕を取られ操作していた端末から目をあげたユソンがぎょっとした。
「お兄ちゃんが待ってるよって言われたんだもん!で僕にお兄ちゃんみたいな人はいっぱいいるけどねぇぇ・・・・・・・・・ね、何か用があるんでしょ!?」
ユソンの首元から見上げた額を小突かれている。
「ああ、この前プロムナードの話をハラボジにしたらスタジオ貸してくれるって言っててさ!ユンギssiの教室からも近いし、リンどうせ曲作りしてるんだろ!?あそこなら他の楽器もあるし、遊び放題だからどうかなって!?」
「え、行く行く行きたーい」
ユソンの腕を道連れに万歳したリンが駆け出した。
★★★★★☆☆☆★★★★★
(っざけんなよっ!どういうことか説明しろっ!!!!)
「っから今っしてるだろっ!俺が来たらもういなかったんだっってっ!!!」
顰めた顔を更に歪めて舌を出している。
(そ・・・れで、交換条件出されたってのか!?)
「脅されたんだよっ!」
(誘拐なんてマジでされてみろっ一万フィートから突き落としてやるっ!!!)
「俺の弱みじゃないって言ってんだろっ!」
(お前のガキの弱みを突いて欲しいかっ!?)
「そんなことしたらっミニョを苛めよ・・・・・・うかと思ったけどうちの双子にヒョンが勝てる訳ないだろっ」
カラカラと肩を揺らしてバイクに跨った。
カラカラと肩を揺らしてバイクに跨った。
(どういう意味だよ)
「黙って付いて行くあんたの息子が問題だっつってんだっ!」
(・・・・・・・・・お前がそんな奴と親友なのが問っ題っだっ)
「・・・ソ・ジュノってそんな奴なんだよ・・・・・・本気が見えないから対処に困る」
相手の溜息に合わせた大きな項垂れがヘルメットを曇らせていたのだった。
相手の溜息に合わせた大きな項垂れがヘルメットを曇らせていたのだった。