箱を抱えて揚々歩くリンの背中を見つめながらミニョは、テギョンに頬を寄せていた。
「買ったのですか!?」
「ああ、あれが欲しいって目の色変えやがるから・・・」
「散らかしますよ・・・」
「散らかさないって約束させた」
「ミニカーなら家に開封してないのもあるのに・・・」
「あれ、組み立てるやつだぞ・・・頭も使うし良いじゃないか」
溜息を吐きかけたミニョが口を両手で抑えている。
「オンマ!僕の事しんようしてないでしょー」
「えっ!?いえ、そんな事は・・・」
「僕だってお掃除するもんっ!」
「えー、譜面片付けてるのオンマですよー!ピアノの下に転がしてるじゃありませんか」
「アッパのお部屋じゃないから大丈夫だもん」
「アッパが見ない様に片付けているのオンマです!」
「今言ったら、アッパにバレバレだもーん」
後ろ歩きのリンに笑われたミニョは、横を歩くテギョンに睨まれ苦笑いをした。
「お前、リンに揶揄われてるよな」
「意地悪なとこがオッパに似ているのです!」
ギロッと動いたテギョンの視線に怯えて離れようとしたミニョは、腕を掴まれたが、震えたポケットにテギョンが手を離している。
「ああ、シヌだ」
テギョンが携帯を取り出した。
(テギョン!?聞いたか!?)
「ああ、ミナムだろ!ユ・ヘイにストーカーがいたらしいな」
(そうなんだ・・・それで、現場にいた記者の話だとミナムも知らなかった様な口ぶりだったらしくて、俺達の誰かが教えたのかって聞かれてるんだけど当然お前も知らないよな)
「確認か・・・ああ、勿論知ってる筈が無い・・・ミナムの単独行動だ」
(まぁ、な、あいつ良い友達がいるみたいだからそっちに頼むよな)
「だろうな・・・けど、多分ソ・ジュノだぞ」
(え!?ジュノって、ミナムの親友!?)
「ああ、あいつが絡んでる・・・リンの話によるとだけど・・・な」
(え、でも、今ミニョと一緒に仕事してるよな・・・大丈夫か!?)
「・・・何の心配か知らんが大丈夫だろ・・・ミナムの事だからミニョに飛び火する様な真似はしないと思うぞ」
(あ、まぁ、それなら良いけど・・・ああ、そうだ、ヘイは、ひとりか双子と外出してた時に被害に遭ってたみたいだぞ!ミニョに確認しとけよ!最近ヘイと会ったかどうか)
切れた携帯を暫く見つめたテギョンは、ミニョとくるくる回って遊んでいたリンの腕を引いている。
「アッパ!?」
「おい、コ・ミニョ事務所に行くぞ」
「え!?」
リンを抱え、きょとんとするミニョの腕をテギョンが引いた。
「アッパ!?どうしたの!?」
「どうされたのですかオッパ!?」
「お前達、最近ユ・ヘイと会ったか!?」
ツカツカ地下駐車場を闊歩するテギョンにミニョが足を縺れさせている。
「っ・・・ちっ危っないなぁ」
「・・・オッパ、速いです・・・」
「ああ、悪かった・・・ちょっと気になる事があってな」
「気になる事!?」
顔を顰め黙り込んだテギョンをポカンと見つめ、顔を見合わせていたミニョとリンだった。
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