何度目か判らない小さな否定もその仕種に抑えきれない衝動を色濃く匂わせている。
頭の片隅では、 途方もない葛藤が繰り返されているだろうに。
その意志の強さが故に時に煩わしい程俺を苛立たせ俺のこの俺のどこにそんな自分がいたのかと認識させる。
お前が全てだ。
お前以外いらない。
愛を囁くのがひとりでなくても良いなどという詭弁は、お前の前では強く在りたいと願う俺が俺である為に必要な心の弱さに他ならず、今も、そう今も俺を追い詰めているのは、お前のお前が否定できずにいる目の前のこいつ故。
『ぁ・・・ シ・・・』
『・・・いい加減許してやったらどうだ!?』
執拗なその愛撫を眺めながらそんな言葉を発した自分にも驚いた。
男のプライド。
そんなものが交差するシヌと俺の間。
『ふ、お前の方がしつこそうだけど』
赤茶けた蕾を掠めた俺の指先にミニョの身体がこちらを向いた。
『オ・・・』
★★★★★☆☆☆★★★★★
執拗だとそう言われるのは、特段嫌いじゃない。
自覚があるから。
お前もそうだろう、と、何度この身体を組み敷いて呟いて来たか判らない。
離したくない。
離せない。
欲しい答えは、ここにあり、この狂気は嘘の上では生まれない。
真実の、その真実を受け入れて生じている。
『愛してる!?』
『え・・・』
『俺・・・・・・』
『あ、っ・・・めぇ・・・っん・・・っ』
★★★★★☆☆☆★★★★★
返された身体にぶつかった塊に見上げた先に見慣れた顔があった。
ああ、そうかと思いながらそれが唇に触れる寸前で下半身に疼痛が走っていた。
引き戻された現実。
疑問符は、もっと激しい疼きを連れて来た。
どうして。
泣いているの。
どうして。
泣かせるつもりなんてこれっぽっちもない。
背中で聞こえる息遣いが、胸を締めあげる。
選べないから。
選ばなくてはならないから。
ただ、唯、女であるよりも母を望む罪なのか。
ふたつの望みは、ここにあり。
ふたりの望みを 叶えたいと思いながら意識を手放していた。
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