面喰うテギョンに柵のこちら側で大きく手をあげたミナムは、ミニョに向かって抱き付いていた。
『オ、オッパ!?』
『おかえりミニョ!』
『あ、ただいま・・・です。はれ!?ヒョンは!?』
『パーボ、ここは、まだラウンジじゃねーだろー、ほら、警備員が走ってきた』
数人の集団が柵を開けている場所へシヌとジェルミが駆け寄っていた。
『コ・ミナムssi・・・無茶が過ぎますよ・・・』
『ああ、悪い、あんた、爺ちゃんトコの社員!?』
女性社員が頷く間にコートを着せたミナムが、フードも被せてミニョの頭を抱き込んでいた。
『爺ちゃんのシナリオ通りじゃ面白くねーんだもん。カメラマンも待機させてんだろう!?テレビも入ってるって聞いてるぜ』
『Fグループの息が掛かってますから大丈夫です。ファン・テギョンssiは、顔さえ映らなければ、コ・ミナムの妹だと書かれても良いという意向でしたので、この場所を選んだのですよ』
『そうらしい。これで、ヒョンのスキャンダル全部終わりってことだな』
『ええ、アフリカから帰ってきた恋人を迎えることで終焉にします。これ以後は、うちで報道を抑えます。ユジンssiを守って頂いたのですからこれくらいは、当然です』
何気ない一言にミナムが眉間を寄せた。
『あんた、何気に事情通だな。ひょっとして爺ちゃんの側近じゃねぇの!?企画室って・・・』
『おいっ!コ・ミナム!好い加減にしろっ!計画ぶち壊す気かっ!』
乱暴に掴まれた肩をするんと交わしたミナムは、ミニョの手荷物を攫ってその体をテギョンに押し付けた。
驚くミニョを慌てて支えたテギョンは、その顔を見るなりフードを深く被せて歩きだした。
『ヒョ、ヒョン・・・』
『ったく、どいつもこいつも俺のせいだとか言いやがって、俺だって、こういう出迎えをしたかったんだ!だから、電話を寄越せと言ってあったんだぞ!それをしたくないとかお前が言うから!』
『電話、しましたもん・・・』
『ああ、そうだよ!俺が悪かったよ!けどな、お前、芸能人の恋人ってのがどういうものか解ってないだろう!』
『へっ!?』
両肩を掴まれてテギョンと向き合ったミニョは、次の言葉に剥れて俯いた。
『ユ・ヘイとキスしたの覚えてるか!?』
『・・・・・・覚、えてます・・・』
しかし、次の瞬間フードの下に潜り込む手に上向かされたミニョは、その唇の距離数センチで話し込むテギョンにもっと驚いていた。
『チッ・・・あんなフリなんてな幾らでも出来るんだよ!これでも俺はプロだぞ!安い芝居に引っかかる記者なんて騙すのは簡単なんだ』
『えっ!?』
一際高くテギョンをオッパと呼ぶ声が大きな喧騒も呼び込んで来た。
それに構うことなくミニョを自分の体の陰に隠して話し込むテギョンは、こう言った。
『けどな、お前相手にそれはやらない。やってやらない。最初の計画通りだ。この場でお前を俺の恋人だと発表してやる!』
『へっ、ヒョ・・・っ・・・』
『テジトッキになるなよ』
ミニョの顎を捕まえて唇を合わせたテギョンは、その腕を自分の首に回させた。
怒涛の悲鳴が流れる中で、カメラのシャッター音が無数に聞こえる中で、あっという間の出来事は、ものの数秒で、世間を席捲していった。
漸く終わり。
そして、始まり。
ここで、そう、ここで、こうした再会を果たす筈だったのだ。
描いた夢は、微かなすれ違いで遠ざかり、再会は叶ったけれど、また新たな迷いも連れてきて。
立ち止まり、何度も同じ誓いを立て、振り返れば、短くも長い道程だと思うこともあり。
だから、今日のこの一歩をふたりで進めたいのだ。
『ふ、検索ワード一位は決定だな』
もう一度重なった唇にミニョもその首に回した腕を緩やかに絞めつけ、ニンマリ笑うテギョンにやっと心からただいまと伝える事ができたのだった。
────月と星の交差点─secondstage─Until dance the waltz────完────
最後まで楽しんで頂けたでしょうか(^-^)
終わりー!(^^)!長かった..............な..............やっと間が少し埋まったたたたカニ(^▽^;)
あちこち短編ばっか書いてたから(;^ω^)この話にもやっと⇨Moonbeams―(4)
繋がる筈でし(≧▽≦)べしし( ´艸`)読み返して頂いてる皆様ありがとう(^^♪
最近また韓ドラ見直したけどやっぱ好きだわ(≧▽≦)
『テバク』も『doctors』もそれはそれで面白いけどこれに優るモノに出会えないのよぉ(笑)
中の人は、別な意味で引き続き超好きよ(^.^)
という訳で、『交差点』は、『円舞曲』挟んで続くのん(´∀`*)ウフフ
とりま、長らく予告ばかりしてた『悪女』挟みます。
痛くなる様に、締め付けられる様にそう感じて戴ける様に書いたつもりでしc(゚()゚*)ノ
感想など頂くとあなたの見えないとこでステップ踏んじゃったりするのよo(^▽^)o
では、では、105回もの『secondstage』へのお付き合い本当にありがとうございました。
またねー*****≫))))(‘_◯)/.
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