『延々と・・・蜿蜒(えんえん)と時は巡る・・・巡りても変わらぬ主のその声と・・・主の・・・』
『小さなっ蛇が居りましたな・・・小さく、とても小さく我にしがみ付いて・・・そうなればあれは、何処に消えたか・・・』
『知りたいか・・・』
『主は・・・ご存知か・・・』
『ああ、ミナムの・・・』
膨らみを包んだ掌を滑る様にうつ伏せたミニョが、また仰け反っていた。
飛び散る水滴を乱れる髪を嘲笑う様に微笑むテギョンを跨るそこが揺らめいた。
『ミナムと呼ばれたものに今もしがみついておる・・・』
『っぁ左様か・・・』
『ミナムは、主の死と共に現身を手に入れたのだ・・・主の力であろう・・・』
『我ぁっは与り知りませぬ・・・』
『天帝は・・・天は、何故主の願いを聞いたと思う!?』
首を振り、乱した息に口を噤んだミニョをテギョンが更に笑っていた。
『天は、天とは、一を守(も)って、二を引いて、ふたつの支えで初めて天となる・・・』
痛みと快放とそのどちらとも歪んだ顔が、テギョンの肩に落ちた。
『ふたり無ければならぬ・・・ふたつ無ければならぬ・・・二形(ふたなり)を見下ろすが天よ・・・我とシヌと・・・天帝は、賭けを為さっておった・・・』
両肩を掴んで背を伸ばすミニョに締まった顔を向けたテギョンは、片目を閉じて落ちて来る口付けを迎えた。
『っち勝ったのはシヌよ・・・吾が次代の天となる』
『左様か・・・ならば、主様は・・・』
『我が掌中には、吾が居るのでな・・・』
『愚かな事をしたとお思いか・・・』
『二形は、人とは愚かなのであろう・・・愚かゆえ天を吾を信じ、我に主を貫かせたのであろう!?』
『我は、人であったか!?』
『人という身を手に入れたのだ。たかが睡蓮の分際で・・・』
『ふふ、主様が願ったのです。我に同じ身を持て・・・と・・・』
『・・・忘れたわ』
忘れた。
そう、そんな事を蕾の睡蓮に向かって語り、同じ形であるならば、愛で様も違うのかと。
何百年後かに天帝に訊ねた。
人とは、どういうものかと。
我も昔は、人であったのかと。
我も果ては人になるのかと。
睡蓮の消えゆく様を見つめながら、人に降りて行く睡蓮を見つめながら、しかし、目の前の睡蓮は、ずっと其処にいて、ずっと同じ形をしていた。
ただ、それを美しいと思っていた。
ただ、それに語りかける時間が好きだった。
ただ、いつしか声を聞いた様な気がしたのだ。
「お前は美しい」
「主様も美しい」
と。
「お前とずっと一緒で在りたいな」
「消えても尚心はありましょう」
と。
記憶など無かった。
ただ、懐かしく、凛としたその様に惹かれた。
ただ、か細く在り様の逞しき生き様に惹かれた。
『生意気な女であったな』
『嫌味な男でありましたな』
始まりなどどうでも良い。
ただ、人が出会ったのだ。
出会って、愛し合って、子を設けて。
ただ、己の大義を果たそうと生を全うしただけだ。
もう良いと。
もう十分だと。
残す者を残る物をその気持ちを。
『我は、見誤ったか・・・』
『さぁ、それは、後で天にお聴きになったら良い。人に支えられて天はあるのでしょう!?人を存在させて天は、それを見下ろして天となるのではないのか・・・』
『ふ、そうだな。それになる為の修錬のひとつであったな。結果、シヌに奪われたがな・・・』
気が付いた時は絵の中だった。
気が付いた時は、それを見下ろしていた。
それから何度、それを手に入れようとあがいたのか。
同じ運命を繰り返し、繰り返してもそれが欲しかった。
もう一度。
今一度、その交わりを手に入れたかった。
『何をお考えか・・・』
『いや、いっそ、ここから出ぬ法はないものか・・・と・・・』
今は、昔。
昔、むかしの物語。
結末は、何処で繰り返す運命の輪の物語。
────了────
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
あ~と~が~き~みたいなやつ(^▽^;)
長らくお付き合いを頂きました読者の皆々様、とりま、終わりますわんわん^_^;
続きみたいな間の話みたいなやつは、そっちを読んでね。
『御伽噺』を始めた頃、ただちょっと淫な時代物を書こうかなーくらいだったんだけど(^^ゞ
公開してた部屋が部屋だっただけに終わりも『悪女』色だったなー(;'∀')
本物の『悪女』は、嬉しい悲鳴の嵐だっただけにここに公開するのはまだ「どうよ!?」って思ってる節もあるけど次回は、『悪女』の続きを近々公開します(^^;)待っててくれた皆さまお待ちどう(´∀`*)
とはいえ『交差点』も『悪女だろう』と言われそうな展開でちょっと詰まっておりますので言い訳しておきますが、『交差点』は『リン』に続くからそれは絶対無いわ(≧▽≦)明るく行こう!
今回も「一回読んだだけでは内容が判らない」とか「こことここ繋がってたのね」というコメを沢山いただきまして(;^ω^)繰り返し読んで頂いている皆様には本当にいつも感謝しております(≧▽≦)
どこかとどこかが繋がるということは..........似た話も多いって事ですが、それを見つけてまたお付き合いくださることを願いまして.......ありがとうございましたm(__)m
あ~と~が~き~みたいなやつ(^▽^;)
長らくお付き合いを頂きました読者の皆々様、とりま、終わりますわんわん^_^;
続きみたいな間の話みたいなやつは、そっちを読んでね。
『御伽噺』を始めた頃、ただちょっと淫な時代物を書こうかなーくらいだったんだけど(^^ゞ
公開してた部屋が部屋だっただけに終わりも『悪女』色だったなー(;'∀')
本物の『悪女』は、嬉しい悲鳴の嵐だっただけにここに公開するのはまだ「どうよ!?」って思ってる節もあるけど次回は、『悪女』の続きを近々公開します(^^;)待っててくれた皆さまお待ちどう(´∀`*)
とはいえ『交差点』も『悪女だろう』と言われそうな展開でちょっと詰まっておりますので言い訳しておきますが、『交差点』は『リン』に続くからそれは絶対無いわ(≧▽≦)明るく行こう!
今回も「一回読んだだけでは内容が判らない」とか「こことここ繋がってたのね」というコメを沢山いただきまして(;^ω^)繰り返し読んで頂いている皆様には本当にいつも感謝しております(≧▽≦)
どこかとどこかが繋がるということは..........似た話も多いって事ですが、それを見つけてまたお付き合いくださることを願いまして.......ありがとうございましたm(__)m