『ん・・・朝!?』
薄目を開けて天井を見つめ、また目を閉じて、再び眠りを貪ろうとしたのも束の間、指先に触れた感触にミニョは固まっていた。
躊躇いがちに指を延ばしては握りこみ数回それを繰り返してやっと体を横に向け、恐々開いた薄目の瞳に今掴んでいるものを映して息を呑んだ。
瞬間、低くくぐもった声に楽しそうに笑われながら抱き竦められ、息を止めた。
『ふっはっはははははは、おっ前って本当に予測がつかない・・・』
満面の笑みを堪え乍ら起き上ったテギョンは、振り返るミニョの鼻を押し、真ん中に寄って行く瞳を見つめながら瞼にキスをした。
『ヒョ・・・』
『オッパと呼べ!』
『・・・ヒョンニムっ!』
テギョンの忌々しそうな舌打ちと細い目つきに抵抗する気満々顔でミニョが膨れて唸った。
『ったく、お前がどんな顔してても好きなものは可愛く見えるもんだ』
音付きで離れた唇がうっすら光りきょとんとした顔をミニョが恥ずかしそうに俯かせた。
『なっ、なっ、なっ、なっ』
『昨夜お前が言ったんだからなっ!一緒に寝たら恋人かもしれませんけどっ!て、これで俺達完全
な恋人だからな!けど、良く良く考えたらお前、俺とずーっと同じ部屋に寝てたんだぞっ!女の癖に男の部屋に転がり込んで平然と真横で眠ろうとしたし、良く眠れてただろう!』
『ねっ、ねっ』
『俺は不眠症だと自負していたんだが、お前がいると不思議とよく眠れるんだよな・・・まぁ、睡眠薬飲んで無理やり眠るより体に良い事は間違いないから当分は安眠剤って事で妥協してやる』
『なっ、なっ、なっな・・・』
『ぁん!?口が利けなくなったのか!?まぁ、お前は、黙って俺の言う事だけ聞いていれば良いから言葉はいらないか』
『ヒョッンニムッ!!!!』
『うるさいな、朝から怒鳴るなよ・・・昨夜お前と話してる途中で寝ちまったんだ・・・どこまで喋ったっけ!?』
耳を塞いで考え込むテギョンの胸の中で、昨夜聞いた事と出来事を考え込んでいたミニョだった。
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