陽も高くなり、少し衣装が暑いと言い出したミナムが至近距離のファインダーを押し退けていた。
『ヌナッ!腹減ったぞ』
『もう少しで終わるから少し待ちなさい・・・私相手だからって甘えるんじゃないわ・・・』
『やだっ!ヌナは、俺のヨジャチングだもん!甘えて当然だ!』
『ったく、成長したのは体だけなの!?好い男になりたいなら最後まで押し通しなさいよ』
呆れたソヨンにミナムは、興味津々顔で、聞きたいことがあると詰め寄った。
『なっ・・・にを聞きたいのよ』
それでもソヨンはファィンダーを覗いたまま、ミナムに合わせて後退りシャッターを切っていた。
『あそこにいる男の人だよっ、俺、見覚えがあるんだけど』
ヒップホップのブレイクダンスでステップを踏むミナムの手振りが、技師を指差し、方向を示す為と違うという意味の込められた手をソヨンが振った。
『言っておくけど彼じゃないわよ』
『そんなの解るよー!でも、似てるよな』
『似てて当然だわ。兄弟だもの』
『ヌナより、年下!?』
『そうよ。彼の弟・・・』
それ以上、何を聞きたいのかとソヨンは怪訝な顔をした。
しかし、ミナムは更にソヨンに詰め寄ると昨日の事を聞き始めた。
『あーんな格好してオペラ座に行ったって事はさっヒョンも来てるんだろう!』
『はぁあ!?ばか言わないでよっ!あいつは、国から一歩も出れないわよっ』
『え、えぇー、そうなのかー!?俺、会いたかったのにー』
『そのまま、ジャンプ!』
背筋を伸ばし、腕をあげたソヨンに言われるままジャンプしたミナムを連写音が包んでいた。
いつの間にか水撒き用のホースが準備され、その水を横から浴びせられたミナムは、着地して暫く呆然とした。
『好い顔ね』
『ひっでーよ、ヌナっ!びしょ濡れじゃーん』
駆け寄ってきたスタッフに頭からタオルを被せられ髪を拭かれ始めたミナムは、別なタオルを受け取って顔を拭った。
『濡れるって予告してたわよ』
『そうだけどさー、なんで今だよー』
『ミナムが五月蠅いからよ』
『あーあ、下着までスケスケ・・・ベッタリ・・・・・・いやん、ヌナのスケベ』
下着の色まで見えるズボンに目を向けたミナムは、それを隠す様に体を撓らせ、何かを思いついた顔で、タオルを投げ出して、ホースを持っているスタッフに駆け寄った。
『ヌナっ!午前中は、これで終わりだろう!』
そうよとソヨンが返事をする間に笑って見ていたジェルミやシヌに向かってシャワーを向けたミナムは、意図に気付いて逃げるふたりを追いかけ始め、ふたりは、不快な顔をしながら涼しい顔で休憩していたテギョンを巻き込んだ。
『なっ、来るなっお前等っ!』
『連帯責任だぜっ!ヒョン!』
『何の理屈だよっ』
『ぅぎゃー、来るなよーミナムー』
『うるせー、皆も濡れろー』
庭に植えられた木々の周りで隠れる様に動き回る三人をミナムが嬉しそうにホースを向けて追いかけ回し、ホースを持つスタッフも忙しなさに苦笑いで付いて行く中、カメラを変えたソヨンも大急ぎでファインダーを覗いて、シャッターを切っていたのだった。