部屋が繋がっている事に違和感を覚えながらテギョンは、ミニョを見下ろした。
その顔は、当然知らなかったと驚いてはいたが、すぐに便利ですねとあっけらかんとしていた。
『確かに便利だな・・・・・・俺にとって・・・』
『へ!?』
ミニョの手を離したテギョンは、ベッドに向かった。
ボソリと呟かれた声は、ミニョの耳には、言葉として届かず、背中を見ていたミニョもベッドに駆け寄った。
『ったく・・・おいっコ・ミニョ、俺は、お前の部屋で風呂を使って来るから片付けて掃除をしろっ!』
『えっ、あっ、はいっ』
『掃除機を掛ける位で良いぞ・・・というか俺は、今夜、あっちの部屋で寝るからな』
『へっ!?』
タオルとバスローブを引っ張り出したテギョンに頷いて、テーブルに向かうミニョは、スーツケースを引いた大股に前を塞がれた。
『何ですか!?』
『鍵だよっ!部屋の鍵っ!お前の部屋三つくらい鍵が付いてるだろう』
手を乗せようとしたミニョの手が叩かれていた。
痛そうに撫でさすりながら恨めしそうにテギョンを見たミニョは、突き出した唇に落ちた不意打ちのキスに目を瞠った。
『ふ、ん・・・とりあえず寄越せっ!終わったら向こうの部屋に来いっ!』
イラつきながらミニョの手から鍵を奪ったテギョンは、壁を抜けてミニョの部屋に向かった。
『えっ、あ、ヒョン電気ー』
ミニョが気にするまでもなくテギョンの手は、天井に翳されセンサーによって点灯した明かりの下を堂々と歩いて行ってしまった。
『・・・・・・・・・なんか最近、キスされる回数が増えたような・・・・・・』
唇に当てた手にお盆を持ち替えてにへっと緩んだ頬を抑えながら部屋を出たミニョは、振り返り様階段に座っているミナムに目を瞠った。
『オッパ!』
『よぅ』
ミニョに近づき緩んだ頬を抓んだミナムは、お盆を奪って顎で階段へ促した。
『もー、ひとりで逃げるなんて酷いじゃないですかー』
『お前だけの方が、ヒョンの怒りもすぐに収まるんだよ。何もされなかっただろう』
『何もというか・・・いつものヒョンでしたよぉ』
『チッ、俺には座れとか言っといて・・・もし、あそこで俺が大人しく座ったら、一時間くらい放置する
んだぜ、それで、シスターメネットみたいにネチネチ説教されて・・・』
その名に激しく反応したミニョは動揺していた。
ミナムの悪戯に突き合わされて説教をされた過去は、ミニョにとってもメネットは、優しいけれど怖い人で、思い返される状況にぶるぶる首を振ったミニョは、ミナムの腕を掴んだ。
『オッパが逃げてくれて助かりましたね』
『頼りになるからなー俺って』
『はいっ!オッパは、世界一のお兄ちゃんです』
人でなしと大嫌いをミニョの頭から払拭することに成功したミナムは、ほくそ笑み、キッチンへ続く廊下を歩きながら機嫌を直したミニョを見て、この数日考えていた事を聞いた。
『なぁ、お前、やっぱり、ヒョンを避けてるだろう!?』
『へっ!?』
『意識してないみたいだけどさ・・・やっぱり、お前、どっか・・・おかしいぞ・・・歌以外にも何かあったんだろう!?俺に言ってない事、何かあるんだろう!?』
なんでも無い事の様に話をした筈のミナムは、シンクにお盆を置いて振り返って見たミニョの顔にとんでもないことを言ってしまったと後悔していたのだった。
人でなしと大嫌いをミニョの頭から払拭することに成功したミナムは、ほくそ笑み、キッチンへ続く廊下を歩きながら機嫌を直したミニョを見て、この数日考えていた事を聞いた。
『なぁ、お前、やっぱり、ヒョンを避けてるだろう!?』
『へっ!?』
『意識してないみたいだけどさ・・・やっぱり、お前、どっか・・・おかしいぞ・・・歌以外にも何かあったんだろう!?俺に言ってない事、何かあるんだろう!?』
なんでも無い事の様に話をした筈のミナムは、シンクにお盆を置いて振り返って見たミニョの顔にとんでもないことを言ってしまったと後悔していたのだった。
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