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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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月と星の交差点─secondstage─Until dance the waltz──(48)

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『アシスタントがモデルも兼任か・・・』

ソヨンに付いて階段を昇り始めたテギョンは、踊り場でミニョの部屋を振り返り、たっぷり嫌味の籠った低音でソヨンを威嚇する様に唸ったが、笑われてしまい吐き捨てる様に舌打ちをして後を追っていた。

『時と場合よ。良くある事だわ。それにアシスタントといっても大袈裟なものじゃないのは、貴方もよく知っているでしょう。ミニョをモデルにしたくても本人にまだ何も伝えていないそうじゃない・・・ミナムがどう思うかと相談してきたけど、私は悪い話じゃ無いと思うわ。それに今回ミニョの撮影は、いつも通りのあの娘をスナップに抑える程度よ』

両手を広げて呆れたジェスチャーを見せる後ろ姿に顔を顰めたテギョンは、ポケットに突っ込んでいた手を拡げ抗議の素振りを見せかけたが、自室のドアを開けて振り返ったソヨンにグッと拳を握って黙り込み、招かれるまま歩んで、閉まる扉に向かって二度目の舌打ちをしていた。

『それも・・・・・・あなた次第か・・・』

テギョンの脇を抜け、首元の宝石を外すソヨンは、一本だけのペンスタンドが置かれた正面の大きな文机をぐるりと回って引き出しにそれを投げ込み、バルコニーを背に座って肘を置くと顎を支えてテギョンを見上げた。

『ッミナムは、ミニョの考えで契約するかを決めると言っていただろう』

どこかどもってしまうテギョンを嘲る様に片頬で笑うソヨンは、初対面の時からまるで変わらない。

テギョンの言葉を黙って聞く姿勢はあっても、幾重も先を見透かした様に厳かにあがる口元は、隠されていてもテギョンに悋気を与え、舌打ちの回数も増やしていた。

『あの娘を傍に置きたいのは貴方の方だったわ』

不自然に傾けた体で一番下の引き出しを開けるソヨンは、黒い革張りの冊子を取り出し、椅子を回転させて窓に映り込むテギョンにそれを掲げて見せつけ、皮肉と嫌味をぶすくれながら聞き流していたテギョンは、奪う様に手元に引き寄せた。

『聞きたいのは、あんたと会長の契約内容だ。A.N.entertainmentとは別に結んだんだろう!?』

Fグループが正式なものとして発行する契約書面を開いたテギョンは、パラパラ捲って、最初に戻り、一文字ずつ指で辿りながら目を通し始めた。

『アン社長も承知よ。貴方が、契約書を作り直させたからミニョ単独で契約するのは難しくなったそうね・・・・・・ミニョのマネージャーにでもなるの!?』

『・・・そんなものだ・・・』

『自分の商品価値を十二分に理解しているからよね。その世界では、些細な事が大きくなって嫌な思いをする事もあるし、ミニョにそれをさせたくない訳ね・・・』

じっくり目を通しているテギョンの返事をソヨンもゆったり待っていた。

人の噂は一時と誰が言ったか、テギョンの周囲で一大旋風となってしまったスキャンダルは、機転で抑え込まれ、直ぐに小さくなったとはいえ、決して消えている訳でも無く、どこから吹いてくるか判らない風は、テギョンの恋人と噂されミナムの妹でもあるコ・ミニョという女性に向かって今も微風を運んでいた。

一般人だからと世紀の記者会見をした筈のテギョンの誠意などもうすでに遠い過去の出来事で、本人も気付かない内に通り過ぎる風は、けれど周りに少なくない紋を残し、たまたま足を止めた先で見聞きした出来事もまた大きな脚色をされていた。

『たかが一か月。俺達と一緒にいただけだ・・・頑張っていたのも根性があるのも知ってる・・・コ・ミナムは、当初からの夢だから何が何でも売れる様に貪欲だが、ミニョは・・・・・・違う・・・』

パラリと紙を捲るテギョンの真剣な表情に眉をあげたソヨンは、再び背中を向けた。

『以前の失敗は、貴方をより強くしたかしら!?守りたいものを手中に入れておけば安全と思っているなら、それは、違うと忠告するけれど・・・』

『・・・・・・守り方の問題だろう・・・戦争なら必死で手中にしてた方が安全だぞ』

『話が飛び過ぎよ。物騒ね・・・』

『爺を相手にするならそれくらいの覚悟が要るってことだ・・・不意を突かれる事は多々あるし、あの顔に騙される人間も大勢見て来たからな』

『確かにミニョは、騙されやすそうだけど・・・』

『どうせ今回も社長に言われるままにサインをしたと思ってる』

『まぁ、間違っていないわ・・・』

最後まで、入念に確認をしたテギョンは、冊子を閉じて滑らせるように机に置いた。

特段気になることは書かれてなかったが、こちらを向いたソヨンを見下ろし、今日何度目かの強い舌打ちをして視線を逸らしながら息を吐き出していた。

『契約が履行されれば時間も人も待ってはくれない。まして、あの爺相手じゃ正式な契約書もサインしちまえば紙切れ同然だ』

『不利になるものにサインをしなければ良いだけよ。見返りも大きいでしょう』

『そこが巧妙だと言っているんだ。ミナムは、破格の契約料に驚いていたが、あの爺にとっちゃはした金だ・・・Fグループ全体の顔になる様な仕事だから当り前なんだ・・・俺の様に一部だけの契約をしているのとは訳が違う・・・』

『・・・人の口は塞げないけど記事を抑え込んでミニョの目や耳に入れない様にする為の契約も世間に疎いあの娘を何色かに染めそうで怖い・・・って事かな』

真意はそれだろうと片頬で笑うソヨンに黙りこくったテギョンは、あからさまな肯定を示していた。

忍び笑いを耐えきれないと仰け反ったソヨンは、テギョンを見上げて豪快に笑いながら契約書のページを捲った。

『貴方の懸念は、解ったわ・・・確かにここに書かれているのは、私とFグループの合意内容だけど・・・そうね、ここに書かれていない事は、勿論、私次第だわ』

『ユジンのプライベートな写真集を作ったんだろう・・・爺の依頼で・・・』

『ええ、今回、ミニョも同じものをと依頼されているわ。使い道迄は、私の範疇じゃないけど、隠し撮りされるより不満は無いでしょう!?貴方にも作ってあげるわよ。世界にひとつという訳にはいかないけどね』

『チッ・・・俺に知らせず着々と計画を進めやがって・・・爺らしいやり方だ』

『さっさとミニョに聞いてみることよ。この一か月はどうしたって私のアシスタントなんだから、貴方を避けてる様では困るわ』

その一言にドキリと鳴った心臓を抑えこんだテギョンは、ソヨンを見つめた。

『ったく・・・・・・・・・守るならしっかり抱えとけと言ったのもあんただぞ』

捨て台詞とばかりに背中を向けて歩き出したテギョンは、扉を閉めながらぎょっとしているソヨンの顔を目にして満足そうに笑い、腹の探り合いは、疲れると零しながら部屋を後にしたのだった。