『ぁ・・・』
柔らかく楚々とした肌は、肌理が細かく、若い。
跳ね返す弾力は、若さゆえか。
もっと。
しっとりして手に馴染んでいたと比べる記憶の中で、それを否定した顔が、自嘲を浮かべて歪(ゆが)んでいた。
『なっ・・・にをっ・・・』
考えているとむっと突き出した唇に重なる唇もまた弾力の違いを楽しみ、歪(いびつ)だ。
『っファン・テギョン!』
『いや、湖でも思ったんだが・・・俺は、やはり、お前じゃなければダメなんだ・・・と』
ククククと楽しそうな笑いは、ミニョの胸でかき消える。
『ぁ・・・ちょ・・・』
『愛しているか!?』
陳腐な台詞で確かめるのは何度目か。
愛していると星が瞬くほど囁いた。
信じられぬのかと星が流れる程返した。
沈黙のその指先が、言葉よりも饒舌を語る。
軟(やわ)な皮膚を辿る固い爪の先。
指間触れ合う歓喜の駒(こま)は、琴線を存在させ、爪弾かれた肌が一際高い震えを響かせる。
『ぁ・・・そっ・・・』
『桃を贈ったな・・・』
たわわな実だった。
豊満に揺れる木の実はふたつ。
桃源郷は、すぐ傍にあった。
『ぁ・・・んっふぁっ・・・』
皮を剥ぎ、実を削いで、口に拡がる仄甘さ。
『若い実は、弾力があり過ぎる・・・』
熟れ時は。
『弾ける実は、もっと甘いか!?』
『ぁ・・・そっ、ふぁ、やっ・・・』
多弁を剥いだ指先の水蜜桃は更に甘いだろう。
『ふふ、ミ、ニョ・・・美味い・・・』
『や・・・だ・・・っ・・・ひゃぅ・・・』
舐めずる舌から拡がる潤みの音が、白を朱に染めていた。
『ふ、恥ずかしいのか!?』
『うっ・・・・・・面白がってまっさっ!?ぁ・・・あはっ・・・』
弓形の幹から長く伸びた枝は宙を舞い、趾間(しかん=足の指間=医学語)も蜜の餌食になる。
隠れたのは、弓か矢か。
『桃の枝で弓ひとつ・・・』
『っ・・・・・・・・・鏃(やじり)っは硬クッ・・・鋭く無ければ困っる・・・と・・・っ』
『クックククク、ちゃんと覚えているんだな!?』
『ぁん・・・やっっん、だっ・・・』
『その通りだ・・・弓の張りで、決まっるぅっ・・・・・・は・・・ぁ』
弓を構えて、鏃を射る。
それは、記憶を上書いて行く。
『ぁ・・・テ、ギ・・・ひ・・・っゅ』
『っ、は、ぁあ・・・そう、締め付けては、身動きも取れぬ・・・』
諌めた矢を引いたテギョンが撓(しな)る。
果てを見つめる朧な月に啼いたふたりの初夜だ。
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