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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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御伽噺────花は盛りの月は隈(くま)37────

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『ったく、こんな日に何をやっているんだっ!』
息を切らし、引っ張り上げた土手で睨みつけた男を細い体に両手を回し震えた女は、それでも気丈に睨み返していた。
『もう少しだったのですっ!貴方こそ何故っ、何故、邪魔をするのですっ!』
『邪魔!?邪魔では無く助けただけだっ!主という女は、無茶苦茶な事をするからなっ!』
『頼んでもない事を!あれが無ければ、大勢の人が死ぬというのにっ!』
『主の命はっどうでも良いのかっ!』
『そんなものっ!とうに捨てたと言ったでしょう!我には、皆を生かす事が大事なのですっ!』
『ならっ!吾はっ!吾は・・・ど・・・うなる・・・』
掻き毟った胸に手を当てて、ボタボタ叩きつける様に降る雨にしとどに濡らされ、悲しそうに歪んだ顔を伝った雨とは違う滴が女を怯ませていた。
『愛していると言ってるだろうっ!』
告白は、もう何度も続いていた。
冗談めかし、はぐらかして、互いに事情を抱え、素性を明かさず、けれど、訪う回数が増えれば、そんなもの自ずと察しがついていた。
ミニョの周りには、大勢の守り手がいる。
テギョンの周りには、何も無い。
国を追われた者と手放した者。
どちらも胸にたったひとつ信念を携えていた。
『愛していると・・・』
『泣くのは卑怯ですっ・・・そうやって・・・縋るおつもりですか・・・』
『チッ・・・主には通用しなかったな・・・』
『我の前でしか泣けない癖にっ』
『ふんっ・・・主だってそうだろう!?』
出会った木の下で、雨を避ける体が強気な言葉を笑みに変えて寄り添った。
目の前の下げ堀にされた畑をその向こうの川から土手を崩した濁り水が押し流していく。
『・・・また植え直しです・・・』
手に残るたった一束の草を持って涙を拭うミニョの頭をテギョンの手が引き寄せた。
『貴重な薬だったんだよな・・・』
『ええ、半分は植え替えを終えたのですが・・・全部は助けられなかった・・・』
『上流が崩されたからな・・・』
『ええ、その様です・・・川の流れを変えられてしまっ・・・・・・・・・参、加・・・されていた・・・か!?』
ハッとしたミニョの耳には聞きかじりで無く、見て来た言葉が届いていた。
見た、重みと辛さを含んだ言葉だ。
国を持たない男は、あちこちを渡り歩いて糧を得ている。
『不穏分子の処分にな・・・』
『その帰り・・・か・・・』
『ああ、だが、もう終わる・・・戦局は、中央に集中し始めている・・・』
『そ、の様・・・ですね・・・』
薄布一枚の体が先程より震えていた。
強くなる一方の雨は、止み時を知らない。
『チッ!このままでは倒れてしまう!家に戻るぞっ!』
僅かな距離をテギョンに支えられ、駈け込んだ家の中では、水桶を抱えた老婆が驚いていた。
『姫(ひ)っ・・・ミ、ニョ様・・・それにテギョン殿っ・・・』
『久しいな、婆(ばば)殿、すまないが、湯の用意をしてくれ』
『ああ、ああ湯ならば、出来ておりますぞ・・・こんな日にミニョ様は外に出ると仰って・・・』
『あん!?主っ、いつからあそこに居たんだっ!?』
『そんなのどうでも良い事です・・・今、ここに手が無いので外に出た・・・それだけですから』
『チッ!素直じゃない』
『ばあや、すまないけどジェルミの所へ行って、戻って来なくて良いわ』
湯殿へ続く通路の棚に腕を伸ばしていた老婆の手に傘を持たせフードの付いた外套(コート)を着せたミニョは、その肩に触れて向きを変えさせた。
『あの子にもご飯を食べさせてあげて・・・ここは、もう良いわ』
押されるまま戸口に立った老婆は、きょとんとしているテギョンを柔らかく見て微笑み出て行った。
老婆の代わりに腕を伸ばしたミニョが、布を引っ掴み、テギョンの腕を引いた。
『おっ・・・』
『濡れたままでは、風邪を引きます。また、熱に浮かされたいのですか・・・』
譫言(うわごと)など、覚えている筈も無い。
ただ、譫言は、ミニョに何かを突き刺していた。
度重なる訪問を断らないミニョ。
迷惑そうに見せてもどこかで待っている。
そしてそれをテギョンも知っていた。
『おいっ・・・一緒に入る気か・・・』
『我と寝たいのでしょう!?』
引かれた腕を見つめながらミニョの返事を聞き、煙る湯殿で濡れた衣服を落とし笑った顔に何かがぷつりと大きな音をさせて切れた。
俯き加減の顎を捉え、上向いた顔に落ちる荒々しい口付けを真っ直ぐ見つめ返す瞳に笑われながら、隠し得ない隠し所をミニョに打ち込んだテギョンだった。



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