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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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御伽噺────花は盛りの月は隈(くま)28────

★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★

月に照らされる墓地の前は、闇こそあれ、鬱蒼とした葉陰を美しく輝かせていた。
昼のそれと夜のそれ、趣は、全く違って、一度覚えた喜びが、恐怖を凌いでいる。
『ふっふっふ、森の奥みたい・・・』
明かり取りを手に墓地の通路を照らすミニョは、煌々と光る空を見上げ月明かりが示す通路に足を伸ばした。
『う・・・ん・・・聞こえる・・・』
この場所に確信があった訳では無い。
倒れてからこちら、ミナムが状況の説明をしてくれたがミニョの記憶は曖昧で、何を言ったのか聞いたのか、墓地に入ってはしゃいだこと以外は覚えている事が無かった。
『ここに答えがある・・・』
何の。
誰の。
そんなの知らない。
数日の曖昧な記憶は、誰かに会って、その誰かを自分は知っていて、その人にもう一度会いたいという事だけだ。
通路に足を踏み入れたミニョは、歴代の王の肖像画を眺めながら、時折、首を傾げ、数十枚目を見て次を見ようとして立ち止まった。
『あ・・・れ・・・!?』
何かが頭を過ぎる。
絵と絵の間。
隣同士に並んでいる絵だから、先代と次代、時代を繋ぐ絵である筈。
『えっ!?違う・・・よね・・・』
二枚の絵を見比べたミニョは、外に近い絵を見て、反対の絵を見た。
『こっち・・・確か・・・』
『それは、お前の母親と息子だ』
突然、闇の中から響いた声が、ミニョの肩を震わせた。
カツンカツンと足音を響かせ、徐々にミニョに近づいてくる。
気配を感じて鳴り止んだ音に隣を見たミニョは、男の名を呼んだ。
『記憶を呼び覚ましたが、お前は完全では無いと言っただろう』
『そうでしたっけ!?でも、わたしを呼んでいたでしょう!?』
『お前の片割れが、何かを探しているからな・・・目障りなんだ』
『片割れ!?』
ミナムのことだろうか。
何度か生まれ変わって来たが、双子として生まれたのは初めてだ。
『記憶を持っているのはお前だろう・・・だが、あの片割れも無関係ではないらしい』
『え、あっ!?』
驚いたミニョが横を向こうとした途端抱き上げられた。
『え、ちょ・・・離っ・・・』
『俺に会いに来たんだろう!?だったら、少し付き合え・・・お前のファン・テギョンは、旅立ってしまったからな・・・』
抱えられ、最奥の間へ連れて来られたミニョは、壁際に誂えられた台座に座った男の膝で、月明かりに照らされる顔を見つめた。
『あなたもファン・テギョンでしょう!?』
『ああ、お前を殺した・・・な』
『わたしが願ったからです・・・よ』
髪に触れ、頬に触れ、鼻に触れ、唇に触れた指先は、そのまま吸い込まれた。
ぴちゃりと音を立てた舌が、ミニョを食んで、指の股に触れた。
『ぁ・・・』
『俺は、お前を抱くことは出来ない・・・』
『知っています・・・わたしの前に現れるあなたは、残像でしょう・・・』
それでも、ココロは犯される。
抱かれていた記憶が呼び覚まされる。
愛しくて愛しくて離れたくなかった頃の記憶。
『ここを作ったのは、あの子ですよね・・・』
『ああ、お前と俺の絵姿を持って、この地に墓と城を建てたんだ』
『わたしが書を残したのです・・・北の王に子供を預けて、全てを託した・・・』
『元々お前の領地だったからな・・・戦火が収まって、子供が成長した頃には、大分平和になっていた』
だが、ふたりが出会う時代は、何故かそこかしこで戦火が立ち昇っている。
『何か理由があるんだろう・・・出会えない時代は割と静かだろう!?』
『ええ・・・戦など無関係な時代が多かった・・・』
その最後、前時代に死に際のテギョンを見つけた時、ミニョは、誰かに何かを聞かれた。
『あ・・・えっと・・・どうしたいのかと聞かれた!?』
『あ!?』
眉間を寄せたミニョを見上げたテギョンは、考え込み目を閉じるミニョを覗き込んだ。
『誰か・・・大きな男の人に・・・どうしたいのか・・・と聞かれ・・・て・・・』
『ミニョ!?』
腰を抱かれて下から見上げられたミニョは、テギョンの胸倉を掴んで引き寄せた。
『シヌオッパ!』
『はっあ!?』
『シヌオッパと会いました・・・って、あれ!?会ったのは初めてじゃ・・・!?』
『シヌって!?カン・シヌか!?今もお前の傍にいる!?』
『ええ、シヌオッパに・・・同じことを繰り返しているのかと聞かれて・・・』
確か、あの時代もこの城の近くに生まれた。
この城の尖塔を遠くに眺めて、あそこに帰りたいと泣いた。
『・・・・・・断ち切ってやろう・・・と・・・』
そう、断ち切ってやろうと小さなミニョにシヌが言ったのだ。
何を。
運命を。
『お前達は、愛しあい、子を為して、戦場で誓って互いを殺した・・・何度でも巡りあうと誓って互いを殺し、輪廻の輪を巡っている・・・同じ輪だ・・・だが、お、前、達が本当に欲しているものは、互いに寄り添い生きることの筈・・・・・・だ、から・・・・・・・・・』
だから、お前をふたつに分けよう。
テギョンがそうである様に。
『あ・・・いつ・・・は・・・ファン・テギョンは・・・忘れない為にそ・・・こ・・・にい・・・る・・・』
それだけ言って意識を失ったミニョは、それきり、この時の出来事を全ては覚えていない。
気絶したミニョを暫く眺め、高窓を振り仰いだテギョンは、シヌの名を呟き、台座にミニョを横たえると音も無く消えて行ったのだった。




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