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俯瞰(ふかん)のカメラが、捉えたふたつの小さな頭をモニターに映し出していた。
「うっ・・・大丈夫かな・・・」
胸を抑えるユンギを見上げたミニョが拳を握ってにっこり笑っている。
「大丈夫ですっ!ダンスの練習も一杯しましたっ!」
「ああ、ミニョssi・・・貴方だけですっ、俺にそんな事を言ってくれるのー」
「なぁっにーそれっ!わたしが言えないみたいじゃないっ!」
隣に立つ頭を見下ろしたユンギを蹴り上げたユジンの摘んだ裾がふわりと揺れ、ミナムのギターが響き始めた。
「ミナムオッパにもギターを教えていただいてたのですよね!ありがとうございますっ!」
「あ、ああ、いえ、テギョンが、無茶な注文するからミナムssi困っていましてね・・・この曲、もともとミナムssiが、考えてたらしいんですよ・・・といってもテギョンが、完成させたのでテギョンの曲になっていますけど・・・」
「えー、そうだったのですかぁ!?オッパ達何も教えてくれないので・・・」
映像の流れるスクリーンをバックにミナムが歌いテギョンとジェルミがコーラスを奏でている。
「この後、ミニョssi出番でしょう!?」
「はい!ジェルミと歌いますっ!」
「ソンベも出番なんですよね・・・どこに・・・」
出演前のステージ袖で、ジョンアにチェックをされているミニョは、辺りを見回すユンギを見上げた。
「反対側にいらっしゃるんじゃないですか!?アボニムとお話をされてましたから」
「まぁ、いくら何でも本番で無茶はしないと思うんですけど・・・ソンベですからねー」
「信用されていないのですね・・・」
「信用しろって方が難しいですね・・・あの人ここを遊び場だと思っていますから、何年も休んで、こんな大きなステージで出来ることを喜んでましたし・・・それに老体への心配です」
「ふふ、嬉しいのは、ユソンもユンギssiも一緒に出られるからですよぉ」
立ち上がったミニョにマイクを装着したスタッフが、ストップウォッチ片手に奥へ合図を送り、ヒジュンのギターを並べている。
「まぁ、俺も気持ちが解らない訳じゃないですけどね・・・野外ステージは、また違った楽しみが出来て、好きですし」
「わたしは、きらーい」
虫よけスプレーを片手に香水のボトルをユンギに向かって吹きかけたユジンは、レースの手袋を嵌め直して、バイオリンケースを抱えミニョの座っていた椅子に腰を下ろした。
「君に好きな場所なんてないだろう!?いつでもホテルに籠りっきりなんだから」
「そんな事無いわっ!今年は、これが終わったらバカンスに行くんだからっ!」
「今年はっていうのがそもそも外に出ていない証拠じゃないか」
「あなたがどこにも連れて行かないからでしょう」
「僕に連れて行けというのもおかしな話だろう!何の関係もないのに・・・」
「関係ならあったじゃない・・・」
「断り続けた関係だろう!今更そんな事を言われても」
「あなたがわたしを好きだと言わないから悪いのよ」
「はぁ!?」
バイオリンを磨いているユジンの前にいつの間にかリンがいて、ユンギを見上げて笑っている。
「ね、ソンセンニムッ!コモとケッコンしたらコモブ(夫)になるんだよねー!?」
「ん!?あー、まぁ・・・そうだ・・・よ」
「それってさぁ・・・」
ステージを見たリンの不敵な笑顔にテギョンを見たユンギが、首を振った。
「あのねーファン・リン!俺は、テギョンと親戚になりたくてなる訳じゃないのっ!そりゃぁ、ミニョssiと親戚になれるのは、ちょっと得した気分だけど・・・」
アイラインを直され瞬きするミニョを見たリンがまた笑っている。
「アッパに言っても良ーいー!?」
「いっ!良い訳ないだろうっ!テギョンが聞いたら責められるだろうっ!」
「なんでー!?」
「なんでって・・・」
狼狽えるユンギの袖をスタッフが引き、囁かれて頷いたユンギは、促されて去って行った。
「リン・・・大人をからかうのは良くないです・・・」
黙って聞いていたミニョが手を握ったリンに向かって片目を閉じ窘めている。
「だって、ハラボジが言ったんだもん」
「んん!?何を!?」
「大事にしないと邪魔しに来るってー」
「えっ!?」
中腰でリンの顔を覗き込んでいたミニョは、驚いているユジンに笑った。
「コモを大事にしないなら、いつでも帰国して仕事の邪魔をしてやるって言ってたー」
「ふふ、アボニムにとっては可愛い娘(こ)ですからねえ」
「なっ、アッパってば、何っ・・・」
ミニョに見つめられて頬を抑えたユジンは、リンを軽く睨み、睨まれたリンは、ミニョに抱き付いている。
「あのね、大きなファミリーコンサートだってハラボジが僕に言ったのー、コモが来てくれると思っていなかったし、ソンセンニムが、結婚すると言ってくれるとも思ってなかったんだってー、ぜーんぶ僕のおかげだからありがとうってハラボジに言われたんだけど・・・良く解んないの・・・」
ステージでは、シヌが終盤のソロを奏で、テギョンとミナムが寄り添って演奏を続けながら次の準備を始めた。
「ふふ、それは、今、皆がここにいる理由がファン・リンだからですよ・・・リンがアッパにお願いをしたから皆こうして同じステージに立てるのです・・・オンマもね・・・リンが一緒に歌いたいと言ってくれなかったら復帰も決めませんでした・・・アッパを遠くから見てるのも好きですけど、やっぱり、隣で歌わせていただけるのは特別ですからね」
リンの頭を撫でたミニョは、そっと抱きしめ頬にキスをして立ち上がっている。
「これが、オンマの本当の復帰です!アッパにちゃんと見ててくれる様に伝えてくださいね」
曲が終わり、暗くなったステージの上で、テギョンとシヌがステージを捌けて行き、背中を見送ったミニョが、リンとハイタッチを交わしてステージに出て行くとマイクを握ったミナムが、ミニョを迎え入れ、ジェルミを前に呼んで、短い幕間のトークを始めたのだった。
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Favorite music excerpt 再生リストからchoiceコントロールから音量変更可 不可はページ再読込❦一部字幕ON&設定で日本語約可
loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧
Hope to see someday"You're Beautiful" of After that.
Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑)
交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^)
コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。
『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。
長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^)
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