通された部屋で着替えを用意されたミニョは、スタッフが閉めたドアに向かって肩を落としていた。
「うぅぅっ・・・緊、っ張したー・・・」
あっけらかんと何でもこなせるのがお前の良いところだとそう言ったのは、テギョンだったか。
「そんなことある訳ないじゃないですかぁ・・・」
女だとバレない様に。
ミナムの為に。
ミナムの為だから頑張れた。
そうは言ってもお前自身で足掻いたんだからお前の実力なんだよ。
誰かの為に。
誰かの為じゃない仕事をしてみるのも悪くは無いだろ。
綺麗なものを。
可愛いものを身に着けたいだろ。
女なんだから綺麗で可愛くいたいものだろ。
「うー、ヒョンってば、何であんなに女心とか解ってるんですかねー・・・」
解ってる訳ねーだろ。
解ってたらもっとお前に気を使っても良いもんだぞ。
「使われてない訳じゃないですよーだ」
鏡に向かって舌を出したミニョは、ノックの音に振り返った。
「準備出来ましたか!?」
「あ、はい宜しくお願いします」
慌てて下げる頭に落ちる苦笑に顔を赤くしたミニョは、どうぞと促されスタッフについていったのだった。
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