『ヒョ・・・』
止めて欲しいのかそれとももっと欲しいのか、そんな事を考えながら目を閉じたミニョは、躊躇った後、腕を巻き付けていた。
それを合図の様に腰を引き寄せたテギョンは、片膝にミニョを座らせ、両脚も持ち上げてもう片方の膝に乗せた。
どっしりとテギョンの上に乗る形になった事で、狼狽した顔のミニョが、グッと息を詰めるとキスを繰り返していたテギョンの片目が開いた。
『ヒ・・・』
『重いです、とか言うなよ・・・これが気持ち好いって事をお前も知るべきだ』
『なっ・・・』
『くっついてると幸せだろう!?お前良くミナムに抱き付いてるもんな・・・』
『そっ、それとこれはっ!』
『ああ、そうさ、それとこれとは違う・・・・・・何故だか、判るか!?』
ニヤリと歪んだ頬のその上で目を泳がせるミニョのそれは、明らかな肯定を示し、フッと緩めた頬を近づけたテギョンは、満足そうな口角でまたキスを続けた。
『っぅん・・・』
深く合わさった唇にミニョのそれが空気を求め、その開いた唇の隙間に赤く蠢いた舌が、素早く潜
り込んでいた。
瞬間、飛び上がらんばかりに両手で口を覆ったミニョの背中がテギョンから遠く離れ、バランスを崩した体が、上半身に引きずられながら倒れ、髪が床を擦った途端、力強く引き戻されていた。
『ったく・・・これは、駄目か・・・』
顔を半分覆ったまま凝視する大きな瞳を見つめ返したテギョンの手が眦を擦り上げ、そのまま釣り上げられた目をミニョが瞬いた。
『っとに・・・泣・・・いてはいない・・・な・・・』
『ヒ・・・ョ』
『予告したらOKか!?』
『は、ぇふ・・・お・・・』
『あれをするこれをすると予告したらどうだ!?』
聞かれた事が判らないと不思議顔を傾けるミニョに倣ってテギョンも傾いていた。
どこまでも追いかける瞳にミニョが、視線を下げたが、しかし、テギョンは、まだついて行く。
『ふ・・・良く考えろ・・・あれをするこれをするという事を一一口に出してやろう・・・手始めはそうだ
な・・・』
見上げられ、首を固定されて離せない視線を絡めたまま、触れ合いそうな唇が動くのを見ていたミ
ニョが、ぎゅっと目を閉じた。
額、瞼、鼻先、唇、頬に耳朶とテギョンが次々体の部位を言葉にしていく。
その度そこに落ちて来る唇にミニョは震えてビク付いた。
『モットルミ(うなじ)・・・ソ(ス)ェゴル(鎖骨)・・・・・・カスム(胸)・・・』
『へっ!?あに・・・』
否定の言葉を口にしようとしたミニョの唇が塞がれていた。
離れた唇でテギョンが紡いだ言葉は、ミニョの口を開けさせ、掴んだ二の腕に皺を作っていた。
『ん・・・ふぁ・・・ぁ』
蹂躙される口腔にミニョの緊張がテギョンの顔を顰めさせた。
それでも背中に回した腕を締めつけるテギョンは、ひとしきりそれを堪能して離れたのだった。
にほんブログ村