★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
さて、ホワイトデーですが(^^;
8月のお話。
リンの誕生日。
かなり季節外れのお話ですが・・・お届けします。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
ケーキを前に蝋燭を数えているミニョは、忍び笑いを零していた。
「た、だいま」
丁度、帰って来たテギョンは、ミニョの笑いを目にして眉を寄せている。
「何やってるんだ!?」
「あ、オッパ、お帰りなさい」
「ああ、遅くなった」
テーブルに両手いっぱいの紙袋を置いたテギョンは、ダイニングに近づいた。
「ケーキか!?」
「ええ、オッパ、あれは!?」
紙袋を指差したミニョは、椅子に座ったテギョンに背中を向けている。
「毎年、恒例、有難いことだけどな」
「あんなに!?」
「ああ、ミナムとジェルミは、毎年デカくなって、シヌは小さくなってるけど、数が、多いからな・・・変わらない」
冷蔵庫から取り出した水をテギョンの前に置いた。
「ふふ、嬉しいことですね」
「喜ぶガキが一匹」
辺りを見回したテギョンは、リンがいない事に首を傾げている。
「動物じゃないのですから」
「尻尾が生えてるぞ、あれは」
「オッパと同じでしょう」
「俺のは、もっとふさふさだ!あいつは、先が尖ってる」
「赤ずきんを食べるオオカミ!?」
「ああ、美味しくいただきたいものだな」
切り分けたオレンジを差し出したミニョは、手首を掴まれた。
「ん、手は、食べちゃダメです」
テギョンの口に入ったオレンジに指を残したまま口を寄せるミニョは、驚いているテギョンを尻目に半分口に咥えている。
「なっ、なにしたんだ!?おっ前」
「ぅん!?リンが、嬉しい事を言ってくれたので、オッパにもお裾分け」
「は、ぁあ!?お裾分けって・・・な、んでキ、ス・・・」
「オンマー、お風呂出たー」
パジャマ姿のリンが、タオルを頭に乗せてリビングに駈け込んで来た。
「あは、ちゃんと洗えましたかー」
「うん!あ、アッパお帰りなさーい」
ミニョを見ていたテギョンは、濡れ髪を拭いているリンを手招きしている。
「ちゃんと乾かしてもらってね!もうすぐ、ご飯出来ますから」
「はぁい」
テギョンは、リンの髪を拭き始め、ミニョは、リビングのテーブルを片付け始めた。
「アッパ、あれ、なぁにぃ!?」
ミニョが、片付けている大量の紙袋をリンが指差した。
「お前のプレゼントだ!今年も皆がくれたんだ・・・後で、ちゃんと礼を言えよ」
「わかったー」
「・・・ところでお前、ミニョに何を言ったんだ!?」
「ふぁぇ!?」
宙に浮いて驚いたリンは、テギョンの膝の上でその頬をタオル毎包まれている。
「オンマが妙なんだが・・・何か知ってるか!?」
「ん!?」
「お前に何か嬉しいことを言われたって言っているんだが・・・」
「僕の誕生日だもん」
ゴシゴシ拭かれている頭を振ったリンは、くるんと後ろを向いた。
「そんなの知ってる・・・だから、プレゼントもケーキも用意してる」
ケーキと料理をリビングに運んでいるミニョは、顔付き合わせているふたりを横目にクスクス笑っている。
「あ、蝋燭頂戴って言った」
「あ!?」
ダイニングテーブルに並べられた大小の蝋燭を見たリンは腕を伸ばした。
「大きい蝋燭を頂戴って言ったのですよ」
「なんで!?」
リンの手に蝋燭を渡したミニョは、テギョンの肩に腕を乗せている。
「小さい蝋燭は、リンの分」
「大きい蝋燭は、オンマとアッパの分」
「年の数だけ」
リンが小さい蝋燭を広げて見せた。
「僕の年の数だけ、オンマとアッパは、オンマとアッパでしょう!?」
「オッパは、私より年上だけど、リンのアッパは、リンと同い年でしょう!?」
「ああ、ああそうか・・・オンマもお前と同い年!?」
頷いたリンが嬉しそうに笑っている。
「だからね!」
「だから!」
「生んでくれてありがとう」
「生まれてきてくれてありがとう」
「生ませてくれてありがとう」
3つの声が重なって、テギョンに抱き付いたリンとリンを抱きしめたテギョンとテギョンの首に腕を回したミニョととある年の誕生日の出来事だった。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
2011年3月11日に寄せて。
4年が過ぎ、5年目突入。
夢。
希望。
愛。
一人でも手に出来る人が増えますように。
一人でも与えられる人が増えますように。
アシタハハレル。
祈。
さて、ホワイトデーですが(^^;
8月のお話。
リンの誕生日。
かなり季節外れのお話ですが・・・お届けします。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
ケーキを前に蝋燭を数えているミニョは、忍び笑いを零していた。
「た、だいま」
丁度、帰って来たテギョンは、ミニョの笑いを目にして眉を寄せている。
「何やってるんだ!?」
「あ、オッパ、お帰りなさい」
「ああ、遅くなった」
テーブルに両手いっぱいの紙袋を置いたテギョンは、ダイニングに近づいた。
「ケーキか!?」
「ええ、オッパ、あれは!?」
紙袋を指差したミニョは、椅子に座ったテギョンに背中を向けている。
「毎年、恒例、有難いことだけどな」
「あんなに!?」
「ああ、ミナムとジェルミは、毎年デカくなって、シヌは小さくなってるけど、数が、多いからな・・・変わらない」
冷蔵庫から取り出した水をテギョンの前に置いた。
「ふふ、嬉しいことですね」
「喜ぶガキが一匹」
辺りを見回したテギョンは、リンがいない事に首を傾げている。
「動物じゃないのですから」
「尻尾が生えてるぞ、あれは」
「オッパと同じでしょう」
「俺のは、もっとふさふさだ!あいつは、先が尖ってる」
「赤ずきんを食べるオオカミ!?」
「ああ、美味しくいただきたいものだな」
切り分けたオレンジを差し出したミニョは、手首を掴まれた。
「ん、手は、食べちゃダメです」
テギョンの口に入ったオレンジに指を残したまま口を寄せるミニョは、驚いているテギョンを尻目に半分口に咥えている。
「なっ、なにしたんだ!?おっ前」
「ぅん!?リンが、嬉しい事を言ってくれたので、オッパにもお裾分け」
「は、ぁあ!?お裾分けって・・・な、んでキ、ス・・・」
「オンマー、お風呂出たー」
パジャマ姿のリンが、タオルを頭に乗せてリビングに駈け込んで来た。
「あは、ちゃんと洗えましたかー」
「うん!あ、アッパお帰りなさーい」
ミニョを見ていたテギョンは、濡れ髪を拭いているリンを手招きしている。
「ちゃんと乾かしてもらってね!もうすぐ、ご飯出来ますから」
「はぁい」
テギョンは、リンの髪を拭き始め、ミニョは、リビングのテーブルを片付け始めた。
「アッパ、あれ、なぁにぃ!?」
ミニョが、片付けている大量の紙袋をリンが指差した。
「お前のプレゼントだ!今年も皆がくれたんだ・・・後で、ちゃんと礼を言えよ」
「わかったー」
「・・・ところでお前、ミニョに何を言ったんだ!?」
「ふぁぇ!?」
宙に浮いて驚いたリンは、テギョンの膝の上でその頬をタオル毎包まれている。
「オンマが妙なんだが・・・何か知ってるか!?」
「ん!?」
「お前に何か嬉しいことを言われたって言っているんだが・・・」
「僕の誕生日だもん」
ゴシゴシ拭かれている頭を振ったリンは、くるんと後ろを向いた。
「そんなの知ってる・・・だから、プレゼントもケーキも用意してる」
ケーキと料理をリビングに運んでいるミニョは、顔付き合わせているふたりを横目にクスクス笑っている。
「あ、蝋燭頂戴って言った」
「あ!?」
ダイニングテーブルに並べられた大小の蝋燭を見たリンは腕を伸ばした。
「大きい蝋燭を頂戴って言ったのですよ」
「なんで!?」
リンの手に蝋燭を渡したミニョは、テギョンの肩に腕を乗せている。
「小さい蝋燭は、リンの分」
「大きい蝋燭は、オンマとアッパの分」
「年の数だけ」
リンが小さい蝋燭を広げて見せた。
「僕の年の数だけ、オンマとアッパは、オンマとアッパでしょう!?」
「オッパは、私より年上だけど、リンのアッパは、リンと同い年でしょう!?」
「ああ、ああそうか・・・オンマもお前と同い年!?」
頷いたリンが嬉しそうに笑っている。
「だからね!」
「だから!」
「生んでくれてありがとう」
「生まれてきてくれてありがとう」
「生ませてくれてありがとう」
3つの声が重なって、テギョンに抱き付いたリンとリンを抱きしめたテギョンとテギョンの首に腕を回したミニョととある年の誕生日の出来事だった。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
2011年3月11日に寄せて。
4年が過ぎ、5年目突入。
夢。
希望。
愛。
一人でも手に出来る人が増えますように。
一人でも与えられる人が増えますように。
アシタハハレル。
祈。