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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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Cherry pie(チェリーパイ)!?

さくらんぼ

「ミニョ・・・」
「ん、お休みなさぁ、・・・ッパ」
ドアから漏れた光にもぞもぞと布団を引いて、背中を向けたミニョは、ベッドに近づいたテギョンの顔をちらっと見て、睫毛を揺らして眠りに落ちていた。
「お・やす、み・・・は、約束違反だろう」
ミニョの肩越しに顔を覗いているテギョンは、眉を寄せ、暫く黙っている。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
くるんと振り返ったテギョンの顔を囲い棒を握ったリンが、じっとり見つめ、片目の隠れたテギョンを見上げていた。
「・・・・・・・・・」
ふたりの間の闇が揺れ、ミニョの首の下に腕を入れているテギョンが、前を向き、息をゆっくり飲むと同時にリンが、息を吐いた。
「っ・・・」
ぐるんと首だけ素早く動かしてまた振り返ったテギョンに吐いた息を止めたリンが、口を開けたまま固まっている。
「・・・」
ゆっくりミニョの首から腕を抜いたテギョンは、布団を捲って床に脚を下ろした。
「は・や・く・ね・ろ」
囲い棒の隙間に腕を伸ばしてリンの額を小突いたテギョンは、ベッドを揺らさない様に立ち上がり、瞳だけを動かしたリンの小さなベッドに近づいた。
「お前が寝ないと俺が何も出来ないだろう」
小さな声で、リンの布団を捲り、腕を伸ばしたテギョンは、仰向けになるのを待っている。
「何かするの!?」
「お前には関係ない」
「パイなら冷蔵庫だよ!?」
ニヤリと片頬をあげたリンの嬉しそうな小声にテギョンは、ゴクリと喉を鳴らした。
「知ってる・・・だいたいミニョも・・・寝てるだろう」
「起こそうとしてたもん」
「いっ・・・良いんだっよっ、散々昼寝したんだろう」
寝転がって、天井を見上げ、ぱっちり眼のリンに布団をかけたテギョンは、脇に備えられた滑り台の縁に軽く腰を下ろし、リンの胸を優しく叩いている。
「うん・・・アッパとお約束があるって言ってたよ」
「ああ、なのに眠っているのは酷いだろう・・・楽しみに帰ってきたのに」
「あに・・・するのぉ!?」
テギョンの手の動きに瞼を落としていくリンは、欠伸をかみ殺した。
「パイを食ったんだろう・・・ふたりで・・・」
「う・・・ん・・・美味しか・・・った・・・よぉ・・・」
「良く焼けたみたいだな」
「ん・・・また食べ・・・た・・・・・・」
スーッと小さな寝息を立て始めたリンを見下ろしてテギョンは大きな溜息を吐いた。
「ったく・・・お前が独り占めするから俺は食えないんだよ」
微笑みながらリンの布団を首まで掛け直したテギョンは、ベッドを振り返った。
「さて・・・ヨボ(夫婦間のあなたの意)・・・」
ミニョの首の下に腕を差し入れたテギョンは、膝裏にも差し込んでいる。
「ぅん・・・オッ・・・」
傾いた身体に目を開けるミニョは、薄目でテギョンを見ると首に腕を回した。
「お帰りなさぁ・・・い」
テギョンに抱き上げられたミニョは、首筋にすり寄り、また寝息を立てている。
「ったく・・・約束したんだから守って貰うぞ」
廊下に出たテギョンは、ミニョを抱いたままリビングに向かった。
「ん・・・明るいですぅ・・・」
目元を擦りあげるミニョは、寝ぼけた顔で首を傾げてリビングを見ている。
「コ・ミニョ・・・俺のパイは!?」
「・・・ふぇっ・・・・・・!?」
リビングのソファに座ったテギョンに抱えられたまま耳元で声を掛けられたミニョは、肩を竦ませ、何度も瞬きを繰り返した。
「俺のパイだよ・・・約束しただろう」
「オ・・・ッパ・・・」
ミニョの膝から手を抜いたテギョンが、ソファに沈みこみ、右手で髪を掻き上げている。
「目が覚めたか!?」
「パ・・・パイって・・・」
「食ったんだろう!?リンと二人で」
「へ・・・あぁ・・・」
ぽやんとした目を大きく開けたミニョは、目元を擦りながらテギョンに頷いた。
「美味しかったですよぉ・・・オッパにも写真送ったでしょう」
「ああ、だから、俺も食うと言っただろう」
ニヤリと笑ったテギョンに顔を寄せたミニョは、首を傾げ、丸くなっている背筋を伸ばすと首に回していた腕を引いている。
「食べるって・・・本気だったのですか!?」
「ああ、旨かったんだろう」
「ええ、美味しかったですが・・・オッパには甘いんじゃないかと・・・」
「それは聞いた・・・甘くても良いから食いたいんだ」
ダイニングを見ているミニョは、不審そうに返事をした。
「ん・・・冷蔵庫に・・・」
立ち上がろうとしたミニョは、素早く回されたテギョンの腕に絡め取られ、また背中を丸めている。
「ちょ、オッパ・・・動けないです」
「俺も食いたいって言ってるだろう」
「だ、だから、持ってきます」
「俺と約束しただろう」
「や!?」
両側の口角をあげたテギョンの顔に固まったミニョは、重なった唇に目を見開いた。
「オッ・・・」
「食わせてくれるだろう、俺様のチェリーパイ」
ツツツとミニョの首筋を辿った指先が、パジャマのボタン止めで止まり、首を真下に向けたミニョは、肌蹴ていく袷(あわせ)を無言で見つめている。
「甘いチェリーパイを堪能させてもらう約束だぞ」
喉の奥で笑ったテギョンの傾いていく頭に大きな目を見開いたミニョは、慌てて口を抑え、悲鳴を押し殺したとある夜の出来事だった。