★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
こんばんわー・・・プラの番外は、これで終わり・・・終るはず・・・ヾ(@^(∞)^@)ノ
何故あの子供3人だったかを解き明かそうと思います。
どうぞ(^_-)-☆
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
シュンと機械音と共に自動扉が開くと外の静けさとは対照的に賑わう声と音楽が室内から漏れていた。
騒音という程大きな音ではないが、余の違いにたじろぐには十分な起伏がある。
男は、一瞬、その場で身じろぎもせず立ち止まったが、上質なコートから腕を抜くと左腕に半分に折って乗せ真っ直ぐ、奥のカウンターへ歩き始めた。
長い木目の一枚板で作られたカウンターは、数人の男性が、一人酒を楽しむ様にグラスを傾けて座っていて、その内の一人の男性の隣に腰を降ろした男は、手を上げるとウェイターが、頭を下げてすぐにグラスを置いた。
「ふっ、常連なのか!?」
隣でグラスを傾けていた男性が言った。
「ああ、こっちにいるときは、必ず寄るな」
一杯目のグラスに口をつける前に軽く上にあげた男は、隣を見ると笑ってグラスに口をつけた。
「どうだった!?」
前置きもなく、いきなり話しを振った。
しかし、男性もグラスを持ち上げると同じ仕種で口をつけ、その問いに答えた。
「ああ、素晴らしかったな」
「そうか」
嬉しそうに微笑む男は、半分ほど酒を煽るとグラスの氷を揺らしている。
「お前は、指導をしないのか!?」
「ああ、あいつもそれは嫌がるだろうな」
「相変わらずなのか!?」
男性は、前を向いたまま壁に飾られる酒瓶を見つめ聞いている。
「そうだな・・・連絡すれば答えるが、あまり変わらないな」
グラスをカウンターに置いて、右手を唇に当てた男は自嘲的に微笑み、左手でグラスの淵に触れるとそこを爪で弾いた。
小さな小さな金属音にも似た音が流れ出る。
「こういう音にも興味を引かれる子供だったな・・・」
「あの才能は、お前譲りだろ!?」
その音に耳を傾けた男性も微笑んでグラスを煽り、左を向くと手を上げた。
暫くすると新しいグラスが運ばれて来た。
「どうかな、母親の才能かも知れないぞ」
懐かしむ瞳で上を見つめ、笑った男は、何かを思い出している様だ。
「ああ、彼女にも会ったぞ」
二杯目に口をつけた男性が足を組み直しながら言った。
「そうか・・・」
少し硬くなった声が響いた。
「お前は、元気かと聞かれたぞ!俺達にまだ付き合いがあると思っていたようだな」
男性が、薄く笑ってそう言うと、彼女らしいと言った。
「ふっ、あいつの式で会って以来だからな」
男も薄く笑って瞳を閉じ、数度頷いて目を開けた。
「それまでは、一度も会わなかったんだろ!?」
「ああ、妻に悪いというのもあるが、何より彼女が会いたがらなかったからな」
カウンターに肘をついてゆっくりグラスを煽りながら、緩やかな時を楽しむように男は氷を弄んでいる。
「ふっ、そのせいなのかどうかは知らんが、お前の息子、あまり評判は良くなかったようだからな」
勢いよくグラスを煽る男性は、既に半分ほどを飲み干していた。
「ひねくれた性格だろう!?」
「ああ、神経質で、気難しくて、潔癖症で・・・って、俺が聞いただけでもあのバンドは早々に解散するだろうって言われていたそうだぞ」
「ふっ、そうか、では良い変化があったということだな」
隣を見た男は、満面の笑みを浮かべている。
「コ・ミニョか!?」
「そうだな」
「あの娘は本当に面白いな!天然なのかと思えば本質を突いてくる!かと思えばドジばかりしている・・・ユソンのおかげで本当に面白いものが見れて楽しいよ」
グラスの残りを煽りながら男性は、また、手を上げた。
「あの娘を離さない様に努力しているんだよ」
男もグラスを煽って、やってきたウェイターにカウンターに置いたグラスを押した。
「そうだな・・・それにリン君がいる」
「ああ、昨日電話があった・・・ステージの曲が決まったと嬉しそうに報告してくれたよ」
★★★★★☆☆☆★★★★★
「ハラボジ~!次はいつ来るの~!?」
「そうだね・・・次の公演が終ったらかな」
「僕も見に行きたーい」
「そうだね・・・私もリンに見て欲しいよ!」
「アッパに聞いてみるねー」
「ああ、テギョンがOKなら、いつでもチケットを取ってあげるよ」
「ありがとー、じゃぁ、またねー」
★★★★★☆☆☆★★★★★
「クラッシックも演ってると聞いたぞ」
「それは、テギョンの影響だろう・・・あの子も基礎はこっちだったから、それが良いと思ってるのかも知れない」
「そうだな・・・しかし、あんなに楽しみな子も珍しいぞ」
ヒジュンの賞賛の言葉にギョンセの頬も次第に緩んでいく。
「お前の孫だって凄いとリンが言ってたぞ」
互いの孫を称賛しあっていた。
「ああ、あいつは、楽器が玩具代わりだったからな・・・息子が小さい頃は、仕事場に入るなとそれは叱ったものだが、大人になってユソンが生まれて、良く俺の仕事場でスムクイシン(隠れ鬼)とか言って遊んでたな・・・居なくなって、暫く、心を閉ざした様にスタジオに蹲ってたが、俺のスタジオで、色んなものに触っていたおかげか、ドラムもギターも出来るようになってた・・・息子と出来なかった事をあの子と楽しんでるよ」
運ばれてきたグラスに手を伸ばしたヒジュンだったが、それを煽る事はせず、フフッと微笑んで液体の揺れを見つめている。
「ユンギ君が、この話を持ってきた時は、子供が子供を選ぶのかと随分生意気な子供だなと思って、どうするか迷ったんだが・・・」
言葉を切ったヒジュンは、楽しそうに笑っている。
「ファン・テギョンの名を聞いて、お前の孫が選ぶと聞いて、会ってみたいと思ったんだよ」
「それで、俺に連絡をしてきたのか!?」
「ああ、懐かしい友と再会するのも悪くないと思った」
持ち上げたグラスをまた少し上に上げて微笑んだヒジュンは、ギョンセの顔を見ている。
「懐かしいな・・・お前もいまや伝説と呼ばれるのか」
「ふ、お前だって世界的にって肩書きが付くだろ!」
それぞれの言葉に顔を見合わせるとどちらともなく、声を出して笑いあった。
「「互いに歳をとったな!」」
グラスを持ち上げてぶつけ合うと涼しい音を響かせている。
「ああ、ここにイ・ソンジンが居ないのが淋しいがな」
ヒジュンがそう言うと、ギョンセはグラスを煽ってから口を開いた。
「スペードってバンドの事は聞いたか!?」
「ああ、ユンギ君のバンドだろ!こっちのヒットチャート駆け上がってるって・・・」
「ああ、謎のバンド扱いされてるがな」
「韓国でも変わらんさ!経済誌に良く顔を出すくせに、音楽関係の取材を受けないものだから、何処からか私との関係をかぎつけた記者が連絡してきた」
受けなかったけどなとヒジュンは笑ったが、店に流れる音楽が切り替わった事に少し目を細めて、ギョンセと顔を見合わせ、懐かしいなと微笑みあっている。
「ふふ、それぞれに才能豊かな子供を持ったものだな」
「ああ、楽しみな孫もな」
「リンとユソンとジュンシンか」
「お前と私とソンジンだな」
懐かしき友を思って語り合うふたりは、温和な微笑を交わし、それぞれの心にある日々を思い出している。
「ふふ、子供達に教えなかった事を孫が叶えるのか」
「そうだな・・・」
空になっていくグラスに残る氷を見つめたまま、ギョンセが微笑んでいる。
「一時でも現実になるか」
「嬉しいものだな」
「ああ」
そういえばとヒジュンが、話題を変え、ギョンセも頷いてカウンターの中にある柱時計を見た。
「明日の公演が終ったらヨーロッパに行く」
「そうか、相変わらずの旅暮らしなんだな」
「そうでもないさ、一応拠点は決めてあるし、契約が続く限りはここにいる!次がどうなるかは、判らないけどな」
「お前ほどの指揮者なら、すぐにあちこちから声も掛かるだろ」
大仰なヒジュンに自嘲的に笑みを浮かべたギョンセは、それなりの事をしてきたと氷を揺らした。
「お前こそ、書かないのか!?」
ギョンセが、ジッとヒジュンを見つめた。
「ああ、若い連中を育てるだけで良いと思っていたんだが、少し、欲は出てきた・・・・・・お前の息子のおかげかな」
「テギョンの!?」
「ああ、あのバンドが解散せずにいる理由に興味がある」
「ミニョか・・・」
「ああ、お前の息子は、最初に彼女の声に惚れたと聞いた・・・リン君の歌も聞かせて貰ったんだが、あれは、天性のものの様だな・・・テギョン君の歌は、何度も聞かせてもらったが、少し、喉に負担が掛かってるみたいだな、だから、ツインボーカルなんだろう・・・彼の作曲は、負担になるような歌が多いのも事実だろ」
「そうだな」
「コ・ミニョも仕事復帰するらしいぞ!歌手活動も再開するようだ!」
ニヤッと笑ったヒジュンが、俯き加減で顎に触れた。
「コ・ミニョとA.N.Jellの誰かとデュオが出来ないかと思ってる」
「デュオ!?」
ギョンセが驚いて隣を見ると、ああと笑ったヒジュンは、飲み干してしまったグラスを弄んでいる。
「俺の歌を歌ってもらおうと思ってるんだが、誰にするかは、まだ、決めかねている」
「テギョン以外か・・・」
息子を思い出すギョンセは、可笑しそうに笑った。
「何だよ」
「いや、あいつなぁ、ミニョが引退するまで、仕事の管理とか全部やってたらしいからなぁ」
許してくれるかなと憂いながらもギョンセは笑っている。
「お前なぁ、一応、俺の方がソンベ(先輩)だぞ!そこは聞いてもらおう」
ははっと豪快に笑うヒジュンにギョンセもそうだなと笑っていた。
数十年振りに酒を酌み交わすふたりの会話は尽きる事無く、この日、夜遅くまで、続けられていたのだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
まぁ、何かあるのですわ、ハラボジ達・・・
楽しい思い出みたいだけど・・・
アドゥル(息子)じゃなく・・・ソンジャ(孫)が夢を叶えるのか・・・・・・
なんだろう!?
何時もの如くグダグダだーでも続く.........................
では、では、最後まで読んで頂いてありがとうございました(*^o^*)/~
こんばんわー・・・プラの番外は、これで終わり・・・終るはず・・・ヾ(@^(∞)^@)ノ
何故あの子供3人だったかを解き明かそうと思います。
どうぞ(^_-)-☆
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
シュンと機械音と共に自動扉が開くと外の静けさとは対照的に賑わう声と音楽が室内から漏れていた。
騒音という程大きな音ではないが、余の違いにたじろぐには十分な起伏がある。
男は、一瞬、その場で身じろぎもせず立ち止まったが、上質なコートから腕を抜くと左腕に半分に折って乗せ真っ直ぐ、奥のカウンターへ歩き始めた。
長い木目の一枚板で作られたカウンターは、数人の男性が、一人酒を楽しむ様にグラスを傾けて座っていて、その内の一人の男性の隣に腰を降ろした男は、手を上げるとウェイターが、頭を下げてすぐにグラスを置いた。
「ふっ、常連なのか!?」
隣でグラスを傾けていた男性が言った。
「ああ、こっちにいるときは、必ず寄るな」
一杯目のグラスに口をつける前に軽く上にあげた男は、隣を見ると笑ってグラスに口をつけた。
「どうだった!?」
前置きもなく、いきなり話しを振った。
しかし、男性もグラスを持ち上げると同じ仕種で口をつけ、その問いに答えた。
「ああ、素晴らしかったな」
「そうか」
嬉しそうに微笑む男は、半分ほど酒を煽るとグラスの氷を揺らしている。
「お前は、指導をしないのか!?」
「ああ、あいつもそれは嫌がるだろうな」
「相変わらずなのか!?」
男性は、前を向いたまま壁に飾られる酒瓶を見つめ聞いている。
「そうだな・・・連絡すれば答えるが、あまり変わらないな」
グラスをカウンターに置いて、右手を唇に当てた男は自嘲的に微笑み、左手でグラスの淵に触れるとそこを爪で弾いた。
小さな小さな金属音にも似た音が流れ出る。
「こういう音にも興味を引かれる子供だったな・・・」
「あの才能は、お前譲りだろ!?」
その音に耳を傾けた男性も微笑んでグラスを煽り、左を向くと手を上げた。
暫くすると新しいグラスが運ばれて来た。
「どうかな、母親の才能かも知れないぞ」
懐かしむ瞳で上を見つめ、笑った男は、何かを思い出している様だ。
「ああ、彼女にも会ったぞ」
二杯目に口をつけた男性が足を組み直しながら言った。
「そうか・・・」
少し硬くなった声が響いた。
「お前は、元気かと聞かれたぞ!俺達にまだ付き合いがあると思っていたようだな」
男性が、薄く笑ってそう言うと、彼女らしいと言った。
「ふっ、あいつの式で会って以来だからな」
男も薄く笑って瞳を閉じ、数度頷いて目を開けた。
「それまでは、一度も会わなかったんだろ!?」
「ああ、妻に悪いというのもあるが、何より彼女が会いたがらなかったからな」
カウンターに肘をついてゆっくりグラスを煽りながら、緩やかな時を楽しむように男は氷を弄んでいる。
「ふっ、そのせいなのかどうかは知らんが、お前の息子、あまり評判は良くなかったようだからな」
勢いよくグラスを煽る男性は、既に半分ほどを飲み干していた。
「ひねくれた性格だろう!?」
「ああ、神経質で、気難しくて、潔癖症で・・・って、俺が聞いただけでもあのバンドは早々に解散するだろうって言われていたそうだぞ」
「ふっ、そうか、では良い変化があったということだな」
隣を見た男は、満面の笑みを浮かべている。
「コ・ミニョか!?」
「そうだな」
「あの娘は本当に面白いな!天然なのかと思えば本質を突いてくる!かと思えばドジばかりしている・・・ユソンのおかげで本当に面白いものが見れて楽しいよ」
グラスの残りを煽りながら男性は、また、手を上げた。
「あの娘を離さない様に努力しているんだよ」
男もグラスを煽って、やってきたウェイターにカウンターに置いたグラスを押した。
「そうだな・・・それにリン君がいる」
「ああ、昨日電話があった・・・ステージの曲が決まったと嬉しそうに報告してくれたよ」
★★★★★☆☆☆★★★★★
「ハラボジ~!次はいつ来るの~!?」
「そうだね・・・次の公演が終ったらかな」
「僕も見に行きたーい」
「そうだね・・・私もリンに見て欲しいよ!」
「アッパに聞いてみるねー」
「ああ、テギョンがOKなら、いつでもチケットを取ってあげるよ」
「ありがとー、じゃぁ、またねー」
★★★★★☆☆☆★★★★★
「クラッシックも演ってると聞いたぞ」
「それは、テギョンの影響だろう・・・あの子も基礎はこっちだったから、それが良いと思ってるのかも知れない」
「そうだな・・・しかし、あんなに楽しみな子も珍しいぞ」
ヒジュンの賞賛の言葉にギョンセの頬も次第に緩んでいく。
「お前の孫だって凄いとリンが言ってたぞ」
互いの孫を称賛しあっていた。
「ああ、あいつは、楽器が玩具代わりだったからな・・・息子が小さい頃は、仕事場に入るなとそれは叱ったものだが、大人になってユソンが生まれて、良く俺の仕事場でスムクイシン(隠れ鬼)とか言って遊んでたな・・・居なくなって、暫く、心を閉ざした様にスタジオに蹲ってたが、俺のスタジオで、色んなものに触っていたおかげか、ドラムもギターも出来るようになってた・・・息子と出来なかった事をあの子と楽しんでるよ」
運ばれてきたグラスに手を伸ばしたヒジュンだったが、それを煽る事はせず、フフッと微笑んで液体の揺れを見つめている。
「ユンギ君が、この話を持ってきた時は、子供が子供を選ぶのかと随分生意気な子供だなと思って、どうするか迷ったんだが・・・」
言葉を切ったヒジュンは、楽しそうに笑っている。
「ファン・テギョンの名を聞いて、お前の孫が選ぶと聞いて、会ってみたいと思ったんだよ」
「それで、俺に連絡をしてきたのか!?」
「ああ、懐かしい友と再会するのも悪くないと思った」
持ち上げたグラスをまた少し上に上げて微笑んだヒジュンは、ギョンセの顔を見ている。
「懐かしいな・・・お前もいまや伝説と呼ばれるのか」
「ふ、お前だって世界的にって肩書きが付くだろ!」
それぞれの言葉に顔を見合わせるとどちらともなく、声を出して笑いあった。
「「互いに歳をとったな!」」
グラスを持ち上げてぶつけ合うと涼しい音を響かせている。
「ああ、ここにイ・ソンジンが居ないのが淋しいがな」
ヒジュンがそう言うと、ギョンセはグラスを煽ってから口を開いた。
「スペードってバンドの事は聞いたか!?」
「ああ、ユンギ君のバンドだろ!こっちのヒットチャート駆け上がってるって・・・」
「ああ、謎のバンド扱いされてるがな」
「韓国でも変わらんさ!経済誌に良く顔を出すくせに、音楽関係の取材を受けないものだから、何処からか私との関係をかぎつけた記者が連絡してきた」
受けなかったけどなとヒジュンは笑ったが、店に流れる音楽が切り替わった事に少し目を細めて、ギョンセと顔を見合わせ、懐かしいなと微笑みあっている。
「ふふ、それぞれに才能豊かな子供を持ったものだな」
「ああ、楽しみな孫もな」
「リンとユソンとジュンシンか」
「お前と私とソンジンだな」
懐かしき友を思って語り合うふたりは、温和な微笑を交わし、それぞれの心にある日々を思い出している。
「ふふ、子供達に教えなかった事を孫が叶えるのか」
「そうだな・・・」
空になっていくグラスに残る氷を見つめたまま、ギョンセが微笑んでいる。
「一時でも現実になるか」
「嬉しいものだな」
「ああ」
そういえばとヒジュンが、話題を変え、ギョンセも頷いてカウンターの中にある柱時計を見た。
「明日の公演が終ったらヨーロッパに行く」
「そうか、相変わらずの旅暮らしなんだな」
「そうでもないさ、一応拠点は決めてあるし、契約が続く限りはここにいる!次がどうなるかは、判らないけどな」
「お前ほどの指揮者なら、すぐにあちこちから声も掛かるだろ」
大仰なヒジュンに自嘲的に笑みを浮かべたギョンセは、それなりの事をしてきたと氷を揺らした。
「お前こそ、書かないのか!?」
ギョンセが、ジッとヒジュンを見つめた。
「ああ、若い連中を育てるだけで良いと思っていたんだが、少し、欲は出てきた・・・・・・お前の息子のおかげかな」
「テギョンの!?」
「ああ、あのバンドが解散せずにいる理由に興味がある」
「ミニョか・・・」
「ああ、お前の息子は、最初に彼女の声に惚れたと聞いた・・・リン君の歌も聞かせて貰ったんだが、あれは、天性のものの様だな・・・テギョン君の歌は、何度も聞かせてもらったが、少し、喉に負担が掛かってるみたいだな、だから、ツインボーカルなんだろう・・・彼の作曲は、負担になるような歌が多いのも事実だろ」
「そうだな」
「コ・ミニョも仕事復帰するらしいぞ!歌手活動も再開するようだ!」
ニヤッと笑ったヒジュンが、俯き加減で顎に触れた。
「コ・ミニョとA.N.Jellの誰かとデュオが出来ないかと思ってる」
「デュオ!?」
ギョンセが驚いて隣を見ると、ああと笑ったヒジュンは、飲み干してしまったグラスを弄んでいる。
「俺の歌を歌ってもらおうと思ってるんだが、誰にするかは、まだ、決めかねている」
「テギョン以外か・・・」
息子を思い出すギョンセは、可笑しそうに笑った。
「何だよ」
「いや、あいつなぁ、ミニョが引退するまで、仕事の管理とか全部やってたらしいからなぁ」
許してくれるかなと憂いながらもギョンセは笑っている。
「お前なぁ、一応、俺の方がソンベ(先輩)だぞ!そこは聞いてもらおう」
ははっと豪快に笑うヒジュンにギョンセもそうだなと笑っていた。
数十年振りに酒を酌み交わすふたりの会話は尽きる事無く、この日、夜遅くまで、続けられていたのだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
まぁ、何かあるのですわ、ハラボジ達・・・
楽しい思い出みたいだけど・・・
アドゥル(息子)じゃなく・・・ソンジャ(孫)が夢を叶えるのか・・・・・・
なんだろう!?
何時もの如くグダグダだーでも続く.........................
では、では、最後まで読んで頂いてありがとうございました(*^o^*)/~