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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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Angels of Sort(えんじぇる・そーと)!?

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 ★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★

「派手すぎないか!?」
「そうですか!?」
「お前には、似合わないと思うぞ!」
「うーん!?どうでしょうか!?着てみない事には何とも!?」
「絶対駄目だ!」
無理では無く、駄目と言ったテギョンにミニョの足が止まった。
振り返って、2.3度首を傾げ、瞬きをしてから口角をあげた。
「ふーん・・・」
もの言いたげな瞳で、テギョンを見つめ、くるっと振り返ってまた歩き始めた。
その行動にぎょとんとしたテギョンは、声を掛けるタイミングを失って、ミニョの方をみると慌てて追いかけた。
「何か言いたいことがありそうだな!」
横に並んだテギョンを上目遣いで見上げたミニョは、表情も崩さず別に無いと言った。
「無い顔じゃないだろう!」
「特にありません」
「なんだ!その態度!」
ミニョの言葉のどこが気に障ったのかテギョンは、唇を尖らせて不機嫌に横を睨んでいる。
そんなテギョンの表情にクスクス笑うミニョは、隣の長身を見上げた。
「ね、オッパ!?見たいのですか!?見たくないのですか!?」
ミニョの質問をテギョンは、考える。
「見せたくないのですか!?見られたくないのですか!?」
笑いながら質問を続けるミニョは、嬉しそうに廊下の天井を見つめ、ひとしきり、考えながらミニョにくっついて歩いていたテギョンは、全部だと言った。
「そうですか」
素っ気ないミニョの返答に回答したテギョンは、不服そうだ。
「他にいう事は無いのか!?」
「別に無いです」
「別にだと!」
段々苛々を募らせ、不機嫌なテギョンが、ミニョを睨んだその時、両足がピタッと止まった。
ゆっくり横を向いてテギョンのシャツを軽く握ったミニョがちらりと見上げている。
「オッパ、今日は、一緒に出演できるのですからとっても嬉しいです!だから・・・久しぶりの共演だし・・・綺麗なわたしを見て欲しいのです!似合うかどうかは、本番で見てください!コーディオンニもいるし、大丈夫です!!わたしを綺麗に可愛くしてくれますから!!」
じゃぁ、後でと言ったミニョは、扉を押し開けて控室へ入って行った。
その場に残されたテギョンは、面喰った表情で、立ち尽くしている。
「なっ・・・何・・・」
閉まっていく扉を見つめるテギョンは、はぁーと長い溜息を吐いて天井を見上げると舌打ちをして扉横の壁に背中をくっつけた。
爪先をクロスさせ腕を組んで、尖らせた唇を動かして視線を彷徨わせている。
「チッ!人の気も知らないで!何が綺麗になるだ!お前をその他大勢に見せたくないんだ!!」
磨かれた床に本音がボロボロ零れている。
鋭い目で、その場に立っているテギョンは、まるで見張り番で、テレビ局の廊下を楽しそうに通り過ぎていく人達が、ファン・テギョンに挨拶をしながら顔色を変えていく。
暫く、ブリザードが吹き荒れているとその場を通る人数が減っていた。
「あっれー!?ヒョンじゃん!何してるのー!?」
廊下の果てからシヌとジェルミを従える様にやって来たミナムが、キャンディを咥えながらテギョンに聞いた。
「何してんの!?」
聞きながらテギョンの立つ横の控室のドアをノックし始めた。
それを見ながらテギョンがミナムを睨んでいる。
「俺達の控室は違うぞ」
「知ってる!おーい、ミニョー、居るだろう!?開けてよー」
中に声を掛けるミナムは、テギョンを無視して、暫くすると扉が開いた。
「オッパ!」
「おう!入って良いか!?」
「はい!どうぞ」
扉を開けてもテギョンを見る事もないミニョは、ミナムを招き入れ、また扉を閉めてしまった。
壁に寄りかかったままそれを見ていたテギョンは、ノブを見つめて首を傾けた。
「ヒョン!楽屋に行かないの!?」
ジェルミが何事も無かった様にテギョンに声を掛け、ゆっくり顔をあげたテギョンは、そちらを見た。
「なんだ!?」
テギョンの呆けた表情にジェルミもきょとんとしている。
「なんだって何が!?」
「ミニョは、着替え中だぞ!何でミナムが入るんだ!」
トーンの下がった声でマジマジジェルミを見ているテギョンは、目が据わっている。
「えっ、だって、兄妹だし・・・関係ないんじゃ・・・」
据わった目がギロリと動いて怯んだジェルミがシヌの影に隠れた。
「俺には、本番で会いましょうって言ったんだぞ!」
「何か用事があるんだろう!別に良いじゃないか」
冷静なシヌが、間に入った。
「何の用があるんだ!今日は、俺達とミニョだけだ!あいつだけ用事があるのはおかしいだろう!」
「さぁな、それこそ、兄妹なんだから俺達に話せない事もあるんだろうな」
素っ気なく言葉を返すシヌに不満顔のテギョンは、黙ってしまった。
「・・・そっ、それよりヒョン!俺達も準備しないと本番始まっちゃうよ!打ち合わせもまだでしょ・・・」
遠慮がちにビクビクしながらジェルミがテギョンを見ていて、その言葉にリーダーとしての自覚を取り戻したのか短い返事をしたテギョンは、壁から体を離した。
「待ってても本番で見れるしな・・・行くか・・・」
シヌとジェルミに背中を向けたテギョンが、スタスタと歩き始めた。
その背中を見つめながら、ほっと胸を撫で下ろしたジェルミは、シヌの顔を見る。
「ヒョン、本当に知らないんだ・・・」
「ああ、知ってたら今日の出演、断っただろうな・・・」
ミニョの控え室を見たシヌが言った。
「ミナムの案だろう!?」
テギョンの後を追いながらもゆったり歩き始める。
「うん!ほら、婚約発表のお祝いだって!」
ジェルミが小走りで追いつくと隣に並んで小声で言った。
「お祝いなのか!? これ!?」
シヌも前を気にして小さな声だ。
「さぁ!?ミナム的にはくれてやるのに!! って気持ちもあるみたいだけど・・・」
「ある意味、仕返しだよな・・・」
「ヒョンの気持ち確かめるから!?」
「そうとも取れるだろ!? ファン・テギョンにこれだけの事をしようって言うんだ!あいつの気持ちも解らなくは無いけど・・・一応、テレビだぞ、これ・・・」
「コンサートとどっちが良いかな・・・」
「テギョンが自分で行動するならどっちでも良いだろうけどな・・・」
かなり前を歩くテギョンが、控え室に入っていくのを見た二人は、どちらからとも無く顔を見合わせ、シヌは首を振り、ジェルミは、僅かに身震いしている。
「バレた時のこと考えたら何か恐くなってきた・・・」
「ふっ、ミニョがいるから大丈夫だろ」
面白いものを見つけたようなシヌの表情にジェルミはまた違った身震いをしている。
「ヒョーン、もしかして面白がってる!?」
「そんなこと無いさ!」
ジェルミに笑顔を向けるシヌもある意味ミナムの味方のようだ。
「ううー! 何事も起こりませんように・・・」
ジェルミは、両手を絡ませて祈りを奉げている。

★★★★★☆☆☆★★★★★

スタジオの中は、既に大勢のA.N.Jellファンで埋め尽くされていた。
数日前に行われたテギョンとミニョの婚約発表。
その後、ふたり揃って初めてのテレビ出演という事で、双方のファンを招いてのスペシャルイベントとしてライブ形式に生放送という事になっている。
時折、A.N.Jellのコンサートやライブに飛び入り参加していたミニョの歌の上手さやミナムと並んで立つそっくりさ、何よりその愛らしさが、彼らのファンをも魅了し今ではすっかり、公認での交際となっていた。
交際宣言から数年、二人の行動を暖かく見守ってくれたそんなファン達への感謝の意味もある。
だから、普段なら断ったであろう出演をテギョンも快く受けていた。
ほんの短い時間、トークと歌と、僅かな時間だけど失敗は許されない。
「ライブより、緊張するよー」
ジェルミは、まだ身震いをしている。
「でも、一曲だけだからな」
「うん・・・その一曲がね・・・」
控え用の椅子に座り、テーブルに肘をつきながら顎を支えるジェルミは、上目遣いでプロデューサーと打ち合わせするテギョンを見ている。
「ヒョン、嬉しそうだね!」
シヌもそちらを見て薄く笑った。
「ミニョと一緒だからな!あいつと一緒に出演できるのは、これが最後かも知れないし・・・」
「えっ!?どういうこと!?」
ジェルミが驚いたように顔を上げると、シヌが怪訝な顔をした。
「!? 知らないのか!?」
「何を・・・」
ジェルミの不思議な顔にシヌが少し考え込んで、言うべきかどうか迷っているようだ。
「何!?なに!?」
「知らないならそのままでいいんじゃないか!?」
「えー!なに!?ヒョン教えてよー」
不満を露にしたジェルミは、シヌを見つめて膨れると少し考え込んでミナムはと聞いた。
「あいつも知ってるぞ!」
「えー知らないの俺だけ!?」
「そうみたいだな・・・」
「なんだよー!仲間なのに・・・」
不満そうなジェルミにシヌは笑っているだけで、それ以上は何も答えず、ジェルミも聞きたそうな顔はしているがそれ以上は聞いてこなかった。
戻って来たテギョンは水のボトルを手にすると2人に言った。
「ミナムは、ミニョと一緒にステージに出て来る演出らしい・・・」
「そうか」
シヌが、テギョンを見上げている。
「もう本番始まるの」
「ああ、生だからな!後、数分だ、お前らも切り替えろよ!」
腕に嵌めた時計を見つめたテギョンが頷きながら言った。
「ああ」
「うん」
立ち上がった二人は襟を正すと背筋を伸ばしてステージへとあがっていく。
「チッ!ミニョの奴、結局どっちにしたんだ!?」
最後尾を歩いてステージに上がるテギョンは、まだミニョの衣装が気になっていたが、それを本番前に見れないことにイラだっていた。
二人に切り替えろと言っても一番ソワソワしているのはテギョンで、打ち合わせを聞いて実は酷く驚いていたが、それを顔には出さなかった。
司会者に挨拶をして所定の位置に座ったテギョン達三人は、本番という声がかかると同時に顔つきを変えていた。
「さぁ、皆様こんばんわ!今日のゲストは先日新曲を発表したばかりのA.N.Jellと・・・中でも先日婚約を発表したファン・テギョンssiとその婚約者でもあるコ・ミニョssiが揃って出演してくれます!ファンの皆は見逃さないで!!」
司会者の軽快なコメントから番組が始まり、ステージにミナムとミニョがいない訳を説明し始め、ファンの為のスペシャルな演出を用意したとの説明が入った。
「どういう演出なんだ!?」
テギョンが、スタジオに設置されたドアの方を見ながらシヌとジェルミに聞くともなしに小声で口にした。
「双子だってことを活かしての演出だろ!?」
表情を変えずにそちらを見るシヌの隣で、ジェルミは、テギョンの後ろに座ってその頭を見つめながら祈るように手を絡ませた。
「さぁ・・それでは、コ・ミナムssi、コ・ミニョssiです!!」
スタジオの照明が一斉に落ちるとドアの前だけにライトが集められ、スタッフの手によってそのドアが大きく開けられた。
逆光で少し見え難いそのシルエットを捉えてミニョの姿を見ようとしているテギョンは、目を細めていたが、次第にその目が大きく見開かれていき、ゴクッと喉を鳴らした。
「なっ・・・んだ・・・あれ・・・」
驚いたようにでもどこか冷静だったのか小さく口にすると視線を僅かにファンの座る客席に移してから小さく咳払いをした。
綺麗に着飾られたミニョがそこに立っていて、いつもよりも少し濃い目の化粧を施されて、真っ赤なドレスを身に纏った姿は、とても妖艶で色気さえも感じられ、普段のミニョからは想像も出来ないようなあだっぽい感じを醸し出していて、とてもテギョンの想像とは違っていた。
それがふたつ。
もう一人は当然ミナムだが、身長も変わらないミナムが全く同じ格好をしてそこに立っている。
遠目で見ただけでは、正直、どちらが女なのか男なのか区別がつかない。
「2人ともそっくりでどっちがどっちか判りませんね」
のんびりとした司会者の声が掛かると、客席のファンの皆さんにクイズですと言ってどちらがコ・ミナムssiか当てて下さいと言っている。
「じゃぁ、このクイズは、A.N.Jellにも答えてもらいましょう」
客席のファンへのサービスと思っていたテギョンの前にマイクが向けられる。
ゴクッと喉を鳴らしたテギョンは、扉から手を繋いで歩いてくる赤いドレスの2人に目を瞬かせ魅入っていた。
「ファン・テギョンssi!判りますか!?」
呆けたようになっているテギョンは、それでも小さな靴と繋がれる手を確認してミニョを見定めていた。
「ええ、判ります!!」
自信たっぷりに答えるテギョンの顔色を見ていたミナムがミニョにこそこそと耳打ちを始めた。
「ヒョン、気付いてるかな!?」
「オッパが判らない様にこれに決めたんでしょ!」
ぷんぷんしているミニョは、頬が膨れていた。
「あっちの白のドレスを着たかったです!!」
「ばかだなぁ・・・白なんてもうすぐ着れるだろ!その前にもっと違う物を着ろよ!!」
ミナムが小さな微笑を崩さないようにミニョに言うと、顔に変化は無かったが、首筋が真っ赤に染まっていく。
マーメイドラインのオフショルダーのドレスだが、さすがに腕や肩はふたりの違いが大きすぎる為か、上から大き目のショールを併せて身にまとっている。
「オッパに見せるならどれでも良いのですけどね!」
客席に小さく手を振ってみせる2人の仕種に素敵とかかわいいと声が飛んでくるとそれに上機嫌になったミナムが投げキッスをしてみせる。
「絶対、右側がミナムだよな!」
その仕種にジェルミが呟いた。
渡されたプラカード状の小さな棒を持ったテギョンに司会者の声が掛けられる。
「では、ファン・テギョンssi!客席の皆さん!どちらでしょうか!?」
あげられた札に司会者がぐるっと客席とステージを見渡して、正解はというと、ミナムとミニョが、ドレスを持ち上げて見せ、最後は、ミナムが肩に掛けていたショールを剥ぎ取った。
客席の盛り上がりとほぼ同時にミニョもショールを脱いでスタッフに渡している。
「ファン・テギョンssi、A.N.Jellの皆さんは勿論正解ですね!」
「ええ、もちろん!仲間ですから!」
軽妙に返しながらも内心穏やかでないテギョンは、ミニョの肩と強調されたボディラインが目に付いてイライラしていた。
スタジオに居るファンは、当然ミニョのファンも大勢いて、テギョンにとって聞きたくも無い賞賛も聞こえてくる。
出来れば今すぐステージから今すぐ降ろしたいとそんな事を考えていた。
「・・・っと・・・ヒョン!前!前!」
「えっ!?」
イライラと不機嫌とで考え込んでいたテギョンにジェルミが小さく肩を叩くと司会者が此方へと手を招いている。
ゆったりした仕種で何事もないようにスーツの合わせ目を直しながら立ち上がったテギョンは、ミニョの隣へと促されるままに立った。
ステージの真ん中に並ぶと、間近で見るミニョの妖艶さに更にグラついて、イライラを募らせたテギョンは、無言でグイッとその肩を引き寄せている。
客席のざわめきが聞こえ、ミニョも驚いたようにテギョンを見上げたが、その前にミナムが立つと咳払いをして話始めた。
「えーヒョン!あんまり驚いてくれなくて俺的には、スッゴク残念なんだけど・・・」
ミナムの言葉に客席から笑いが漏れ、それにミナムは手を振って答える。
後ろで小さく舌打ちをしたテギョンは、ミニョにだけ聞こえるようにボソボソと小声で話し始めた。
「何で!!そっちにしたんだ!!」
笑顔を崩さないように前を向いて答えるミニョは、口元に手を当てながら声を出した。
「オッパの趣味です・・・」
「この後歌うんだぞ!その格好で前とか屈んだら・・・」
ミニョはチラッとテギョンを見てから、自分の胸元に視線を移した。
「見えちゃいますかね・・・」
ケロッと答えたミニョにイライラしているテギョンは、横目で僅かに睨みつけるとお前なと言いかけたが、客席の拍手と司会者の声に引き戻されたようにええと上の空で答えた。
「じゃぁ・・・お願いしましょう!」
「オッパ!前に出てください!」
しっかり話を聞いていたミニョがテギョンを前に押し出すと、ミナムがニヤニヤしながらテギョンの前に立っている。
カメラに僅かに背中を向けていたテギョンは、眉根を寄せて怪訝な顔をした。
すると、突然、ミナムがテギョンに抱きつき、ギョッとして目を見開くテギョンとギュッと抱きしめるミナムに客席からは拍手が巻き起こって何が起きてるか判らないテギョンは固まって動けなくなっていた。
その耳元にミナムが追い討ちをかける。
「ヒョン!これ生放送だってわかってるよね!今、俺の事突き飛ばしたらえらい事になるからね!」
ヒクッと頬を引き攣らせ背中越しに客席の視線を感じるテギョンは、そっとミナムの二の腕を掴み後ろから捉えられるであろうカメラに中睦まじく見えるように調整した。
ニヤッと笑ったミナムが、素早くテギョンの頬にキスをして離れ、更に目を見開いたテギョンは、最後の最後の擦り切れそうな理性でその場に立っていた。
ミニョがゆっくりテギョンの横に立ってそっとその手を握りこむと、テギョンの手も力いっぱいミニョの手を握り返していた。
最後の歌までの間、またトークが続き、ミナムが先人を切って盛り上げ、そして、新曲が披露されて、この日の生放送が終った。

★★★★★☆☆☆★★★★★

ツカツカと怒りを露にして廊下を行くテギョンは、傍らにくっつくミニョの肩を抱いたままA.N.Jellの為に用意された控え室ではなくミニョの控え室へ入って行った。
「ったく!!どういうことか説明しろ!!」
「どうって・・・」
困ったようにテギョンを見つめるミニョは、怒っている理由を考えて瞳を左右に動かしている。
「もう少しで、ミナムを突き飛ばすとこだ!」
ああと頷いたミニョは、アレはやりすぎですねと言った。
「お前も知ってたのか!?」
ふるふると首を振るミニョは、知りませんと全力で否定している。
「・・・まぁ、ミナムだからな・・・あいつは大概、一人で考えるか・・・」
はぁーあと溜息をついてぐったりし、鏡の前に腰を降ろしたテギョンは、心配そうに顔を覗き込んだミニョの腕を引っ張った。
スルッとその腕の中にミニョを押さえ込むと背中に腕を廻して緩く抱きしめる。
「これで、最後になるのか!?」
至近距離でミニョの瞳を見つめて聞いた。
「ええ、多分、もう共演は出来ないでしょうね!」
「そうか・・・」
「でも、これからはずっと一緒ですよね!」
「ああ」
短く答えるテギョンの声がミニョの頬に滑り落ちるように触れその口角を次第にあげてそっとキスをした。
「ミナムもお前を取られるって思ったのかな・・・」
テギョンが、今日のミナムの行動を思い返すように口にしたが、ミニョは、何も答えなかった。

★★★★★☆☆☆★★★★★

「もー!生きた心地がしないよー!!」
ジェルミが、控え室の椅子に座りながらドレスを纏ったミナムに言った。
「ヒョンが潔癖症だって判ってるくせに良くあんな事するよね!!」
口元を得意そうにあげて笑うミナムは、化粧を落とす為に目元に布を当てている。
「ヒョンさぁ、ミニョに気を取られてて全く聞いてなかっただろ!?」
「だから恐いんじゃないかー!」
「でも、上手くいったんだからいいじゃん!!」
黙って聞いていたシヌが、ギターを片付けながらクスッと笑った。
「そのドレスのおかげだろ!?」
「そっ!だって、このドレス絶対ダメって言われたらしいからわざと選んだんだ!」
ふふんと笑うミナムは、でもと続けた。
「これでミニョとの共演も最後だろうし・・・このくらいですんで良かったと思って貰わないと・・・」
「しかし、兄弟になりますって件、聞こえてなかったんだね・・・」
ジェルミがテギョンの様子を思い出すように言った。
「ミニョとコソコソ喋ってるからだよ!ヒョンの目、すっごい見開いてたぜ!!」
「お前今日帰れるのか!?」
シヌが冷静にミナムに聞いた。
「帰るよー俺のプレゼントはまだ終ってない!」
ニヤッと笑うミナムは、一人で口元に手を当ててほくそ笑み、ミナムの婚約祝いという名の仕返しは、まだもう少し続くとある日の出来事だった。