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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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Rin's secret time(リンの秘密の時間)!?





パチッと音が聞こえる程、大きく目を開けたリンは、ゆっくり顔を傾けると周りに見える柵の隙間からテギョンとミニョが眠るベッドを見つめた。
こちらに背中を向けたテギョンが、ミニョを抱き込んで眠っている。
昨夜も遅かったのだろう。
スヤスヤと気持ちのよさそうな寝息がふたつ聞こえていた。
布団を捲って、音を立てない様に起き上ったリンは、四つん這いで、ゆっくりした動作で足元に備え付けられた扉を押しやり、その下に付いている滑り台から慎重に降りていく。
床に足が着いたリンは、そっと振り返って口角をあげ、テギョンにそっくりな笑みを浮かべた。
そのまま、そろそろ寝室の扉に向かい、少し高い位置にあるドアノブを精一杯背伸びをして掴み、ゆっくり回した。
ガチャリという音が小さく響き、心臓を抑えるリンは、また振り返ったが、グッスリ眠っているふたりには、気づかれていない。
慎重に扉の隙間に小さな体を滑らせ廊下に出て行った。
「やった!だっしゅつ成功!」
片手を挙げ、大きなガッツポーズを作ると左右を見回してリビングへ向かった。
まだ、早い時間。
太陽は、顔を出しているが、外は、まだ薄暗く起きるには、かなり早い時間帯だ。
「今日は、どのくらいかな!?」
リビングの時計を見上げたリンは、指を折って数を数え始めた。
「うんっと・・・4だから・・・6のとこまでー」
ひとり、納得した様に首を振り、リビングのピアノの下からノートを取り出した。
パラパラ捲って、中に挟まれている鉛筆を取り出し、ギュッと握って前に翳した。
先端を見つめている。
「・・・しょうがないか」
がっかりした呟きを漏らして肩も落としたが、すぐにまたノートノ間に挟んで、ソファ前のテーブルに置いた。
ぐるっと辺りを見回し、ピアノの下にお目当ての物を見つけてにっこり笑い腰を屈めて小さな踏み台を引っ張り出した。
引き摺りながら飾り棚の前に持っていく。
丁度、リンの肘の高さくらいの踏み台は、階段が付いていて、その段差を慎重に上がって、飾り棚の引き出しを開けた。
それでも引き出しの方がリンよりも僅かに高い位置にある為、台の上で背伸びをしたリンは、やっとのことで視線を引き出しに注いだ。
「えっとぉ・・・」
ガサゴソ引き出しをかき回し、指に当たる感触だけを頼りに目当てのものを捜した。
「おっ、あった!これ・・・」
取り出したのは、フェルトの小さな袋。
「見つけたー」
引き出しを奥へ押しやり、元に戻したリンは、その袋を大事そうに抱え踏み台を降りた。
テーブルに駆け寄り、ノートを持って走っていく。
階段を壁に沿う様にゆっくり降りて行った。
地下の防音ルーム。
そこは、テギョンの仕事場だ。
扉を開けると二重構造になっているそこは、事務所のスタジオの様に大きなガラスが嵌めこまれ、
その奥に部屋が広がっている。
口角をあげて得意そうな顔をしたリンは、トコトコ中扉に近づき、その脇に置いてあるベンチシートによじ登り小さな袋から鍵を取り出した。
腕を伸ばして鍵穴にそれを差し込み、くるっと回して鍵を開けた。
「へへ」
今度は、ミナムによく似た笑いを零してベンチからぴょんと飛び降りたリンは、スタジオに入って行く。
中には、テギョンが、普段使用しているギターが、所狭しと並べられ、キーボードやドラムセット、アレンジ用の機材等も並べられている。
それらには目もくれないリンは、奥に置かれたピアノに向かった。
椅子の上には、テギョンが書き掛けの譜面が置かれていた。
「あった!!」
嬉しそうにそれを手にしたリンは、ノートを取り出し、その場に寝転がって写し書きを始めた。
リンのノートは、音符を書く為の五線が描かれたノートなので、口ずさみながら写していく。
「アッパの新曲♪僕がオンマに歌ってもらうんだ♫」
時間も忘れて夢中なリンは、あと数小節というところまで写し終えて起き上がるとオーディオが小さく震え始め、ミニョの声で『言葉も無く』が流れてきた。
「!?」
驚いて、暫く見つめていたリンは、トコトコステレオの前に立った。
「オンマの声―」
首を傾げて眺めるリンは、瞳を動かしてハッとした。
ステレオの横に時計が置かれ、既に短い針が6の数字に近づいている。
「わっ、まずい、オンマが起きちゃう!」
ノートに駆け寄ったリンは、譜面を椅子に戻し、慌ただしく駆け足でスタジオも後にした。
鍵を掛け、階段を息を切らしながら昇り、リビングへ急ぐ。
入り口に立ったリンは、まだ静寂に包まれるリビングを見回して胸に手を当てた。
「セーフ!」
飾り棚に近づき、鍵を元の引き出しに戻し、踏み台も戻してノートをピアノの下に仕舞った。
ほんのり上気した額を拭っている。
「あと、ちょっとだったのに・・・」
最後まで書き取れなかった悔しさを呟いたリンは、不満そうに唇を突きだした。
「あと、ちょっとって!?」
後ろから聞こえた声にリンの両肩がビクッとあがった。
視線を僅かに後ろに向けたリンは、小さく息を吸い込んでから笑顔を作ってミニョを振り返った。
「オンマ!」
欠伸を噛み締めているミニョは、リンを見下ろしている。
「今日も早いですね」
「うん」
両手を広げたリンは、ミニョに抱き上げて貰い、首に腕を回して頬にキスをした。
「おはよう!オンマ!」
ミニョからのキスもリンの頬に落ちる。
「おはよう!」
こうして、リンの秘密の時間は、幕を下ろすのだった。