「縁は異なもの味なもの」と申します。
この先も大団円を(に)なるようなものを作っていければ嬉(^^)
そのうち・・・?(笑(笑)これからも宜しくお願いいたします(^^)/さ、続きをどうぞ
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「えっ!?」
驚いたミニョは、既に泣きそうな顔で、ベッドに横たわるテギョンを見下ろしていた。
「だ、からー・・・・・・」
「せっ、先生!間違っ・・・」
カルテを捲る医師を掴みかかりそうな勢いで振り仰いでいる。
「あ・・・いえ、間違いでは、ありません・・・ファン・テギョンさんは・・・」
「オッパ!!!!」
「あー、もう、だーかーらー!最後まで聞けっ!!!」
針が刺さって動かせない腕に舌打ちをしたテギョンは、ミニョのスカートを引っ張った。
「あ、あーですからね奥様、すっ少し落ち着いてください・・・ね」
苦笑いを浮かべた医師が、ミニョから遠ざかっている。
「ちょ、せんせー、いつからですかー」
「あー、えっと・・・春先か、ら、ですね」
「そっ、そんな前からー」
「おいっ!」
「うっ・・・妻、失、格です・・・そんな・・・そんな前から・・・」
ヨヨヨとポケットを探るミニョは、ポケットが無い事に気が付いて手を見つめ、スカートの裾をちょっとだけ捲った。
「なっ・・・」
「うぅっ・・・そっ、そんな前からなんて・・・オッパが・・・オッパが・・・」
膝を着く勢いで、ストンと座りこんだミニョは、涙を流している。
「あ、あー、でもっ!でもですね奥様・・・」
言葉を紡ぎたいのに紡げない医師の苦笑をテギョンが睨みつけた。
「おいっ、お前もお前だっ!医者なんだからさっさと説明をしろっ」
体面よりも何よりもミニョが泣いている事が重大事なテギョンが、抑えた声で医者に怒鳴っている。
「あ、あー、はい、で、ですからね奥様・・・」
何度も奥様と呼ばれて顔をあげたミニョは、涙目で若い医師を見上げた。
「オッパは・・・オッパはぁ・・・」
「落ち着けと言ってるだろコ・ミニョ!」
テギョンの眉間に増々皺が寄っている。
「だってー、オッパー」
「暫く黙ってろっ!良いか!俺が、言いと言うまで一言も話すな!チャックだチャック!!」
唇に指を滑らせたテギョンを見上げたミニョは、ムと唇を突き出しながら同じ仕種をしている。
「ったく、お前と一緒に来ると予想を上回る・・・」
「む」
「黙れ!おい、さっさと説明してくれ!こいつに聞かせると大事故になる」
「えっ!?あっ、ああ、は・・・い・・・」
聞かせたら事故になるならという顔をしている医師を更に更に睨むテギョンは、子犬宜しく待てをしているミニョにほくそ笑み、顔を背けて声を殺した。
「あー、ですからね奥様、ファン・テギョンssiは・・・」
頷くミニョの真剣な眼差しに言葉を詰まらせる医師は、テギョンと視線が合って、途端、捲くし立てている。
「あ、あー、だからっ!ただのストレス性胃炎ですっ!!!」
コクンと頷くミニョに伝えきったという表情の医師は、息を吐きだしたが、ミニョは、まだ真っ直ぐ医師を見つめ続けた。
「え、えーと・・・聞いておられましたか・・・お、く様」
コックンと頷きかけたミニョの肩にテギョンの手が乗っている。
「ああー、だからな、唯の胃炎で、それもこれもストレスなんだよ・・・食えない事は無いし、食事も普通にしていただろう・・・ただなぁこの一ヶ月色んな事があり過ぎて・・・」
無言でテギョンを見たミニョは、唇の前で×を作った。
「ああ、そのまま黙ってろ!病院に通ってたのは、確かに春先からだが、点滴受けてたのは、この2週間だけだ・・・お前が心配するほどじゃぁ無い」
話し乍ら目元を腕で覆ってしまったテギョンに立ち上がったミニョが、その手を剥がしている。
「コンサートが終わったら、間違いなく休む!お前が良いと言うまで休んでも良いから・・・」
ポタポタ落ちる点滴の一滴に目を止めた医師は、看護師を呼んでいる。
「そろそろ終わりですね、お帰りになって大丈夫ですよ」
年配の看護師にそんな言葉を掛けられるミニョは、チョコと深々頭を下げた。
「あー、一応、薬も継続して出しておきますから、今日の熱は、たいした事もありませんご心配なく」
医師が去ってしまうと針を抜いた看護師もテギョンの腕にテープを巻いて部屋を出て行った。
「ったく、たかが熱と点滴で、俺は、殺されそうだな」
ムッとしたミニョは、まだ黙っていて、シャツの袖を止めたテギョンは、ミニョの腕を引いている。
「ふ、今日は、随分、俺の言う事を聞いてくれるんだな」
黙ったまま頷くミニョは、唇を横に撫でた。
「ふ、ん、いつもそうなら良いのにな・・・」
「えっ!?あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」
離れた唇は、小さな音をかき鳴らしている。
「約束違反だな!後で、罰を与えよう」
「えっ!?」
「ふ、違反ふたつめ」
「ちっ」
「みっつ・・・」
口を覆ったミニョが首を大きく振るが、ジャケットを手にしたテギョンは、ミニョの手を引いて病室を出ている。
「いっそ、このまま、黙っとくか!?」
手を引かれながら、ナースセンターを抜け、昼間で人気の多い正面入り口では無く、裏口に向かうテギョンは、待っていた院内スタッフに支払を済ませ、そのまま病院を出ると駐車場で、ミニョを振り返って顔を覗いた。
「喋りたいか!?」
コクコク頷くミニョは、ニヤリと笑うテギョンに見つめられまた唇を突き出している。
「あっ!」
「よっつめ」
「んっ、もう良いですっ!オッパが、許可してくれないなら罰でも何でも受けますっ!それよりっ!」
「ああ、それなら、車の中で聞くからさっさと乗れよ」
強引に腕を掴まれたミニョは、助手席に押し込まれ、ニンマリニヤニヤしているテギョンは、楽しそうに車を半周回って、運転席に乗り込んでいたのだった。
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