「どうだ!?」
「どうって・・・お前・・・」
ステージ前まで戻ってきたテギョンは、リンをシヌに抱えさせ、ユソンとジュンシンもステージにあげた。
「可愛いね!ユソンが、俺で、ジュンシンがジェルミ!リンは・・・」
A.N.Jellの立ち位置を入れ替え、シヌのポジションにユソンが、ジェルミのポジションにジュンシンが、中央にリンが立っていた。
「ミナムssiに見えなくはないけど・・・やっぱり女の子って感じだなぁ」
「ふ、勘違いしてれば、それで良い」
階段を降りて来たジェルミ、シヌ、ミナムがテギョンとユンギの横に並んでいる。
「でも、もう1着は、スーツでしょう」
「ハットを被せるさ!ミニョとダンスもあるからな!俺も被る!」
「え!?テギョンとお揃い!?」
「ああ、一瞬だけどな」
「どんな演出をしたんだよ」
「それをこれから確認するのさ!」
遅れてやってきたミニョに腕を伸ばしたテギョンは、並んで椅子に座った。
「そのまま、一曲聞かせろ!曲は、何でも良いぞ」
「えー」
「『約束』じゃなくても良いのー!?」
「ああ、どうせ、他にも隠れて練習しているんだろう!?リハだから腕鳴らしは何でも良い」
ユンギも椅子に座り、シヌは、テーブルの角に腰を落ち着け、ジェルミとミナムは、平卓に座り込んでいる。
「わーい!何にするー!?」
「『恋ひ恋て』で良いんじゃない!?」
「ハラボジの!?」
「そう!」
両手を上げたリンにジュンシンはピアノに向かい、ユソンは、きょとんとした。
「またまた、難しい歌を・・・」
「俺とミニョの歌じゃーん」
「シヌ、知ってたか!?」
「練習してたのは知ってたよ」
「ミニョの真似をするから見てろ」
「あの感情は、理解し難いよな」
「あんなガキに理解されたら俺達、立場ないじゃん」
笑う大人を他所に子供達は、ギターを抱え、ピアノの音を確かめ、ドラムの前に座った。
「音合わせするよー」
リンがリードをとるらしく、音合わせを始めた子供達を眺めた大人は、クスクス笑っている。
「アッパ、始めて良いのー!?」
「ああ、良いぞ」
恋ひ恋て────
かじりかけのりんごがひとつ
皿に乗せられぽつんとひとつ
君の跡
君の後かな
僕のドキドキ返してよ
君の姿にドギマギするよ
恋も知らない子供じゃないよ
恋を知ってる大人な筈だ
だけど初めてこの気持ち
君の姿にドキドキしてる
恋を知ったら楽しくて
恋を知ったら安らかだ
恋ひ恋て
恋に恋して君を見る
恋に恋して君を追う
恋ひ恋て
恋を知ったら臆病で
恋を知ったら不安だね
・・・・・・・・・・・・・・・
────
「間っ違えたー!!!」
ぴったり演奏を止めたジュンシンにユンギがクスクス笑い、振り返ったリンが、びっくり顔で駆け寄っていた。
「ぅわー、まじかよー俺ってば、何で間違えるかなー!!!!」
「ジュノヒョーン大丈夫ー!?」
「あ、ああ、考えられないミスだけど大丈・・・」
ステージ上で繰り広げられる子供の本気に大人たちは、顔を見合わせている。
「くッくくく、初めてじゃないか・・・あんな凡ミス」
「練習の時は、上手く弾いてたのにねー」
「意外と緊張してたんだな」
「上手でしたよー」
「自信満々のガキには、良い薬か!?」
「リハーサルで良かったなお前達、本番でやったらテギョンに怒られるぞ」
好き勝手に叫ぶ大人達をジュンシンがギロンと睨みつけた。
「うるさーい、リン!もう一回やるっ!!!」
ステージ下を睨んだジュンシンは、リンを見ている。
「コンクールだって、それなりの観客はいたんだろう!?」
「3000位だったってさ」
「そこで優勝したのか!?」
「ああ、だから、プライドが許さないんだろうな」
再び始まった演奏に顔を見合わせていた大人達が、ステージ上を見つめ、唸っていたジュンシンは、顔色を変えていったのだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
ヒジュンソンベが作った設定だから幼すぎる詩かと思ったが(^^;)
ジェルミだから有りかとそれにした(笑)もう少し大人っぽい詩はまたどこかでね(^^)/
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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