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「座れ」
デパートでばったり出会ったテギョンの意向で、その後の買い物一切をVIP専用サロンで済ませたミニョは、楽しみを奪われたと始終膨れておとなしく、リンは滅多に入れない部屋での初めての買い物に興味津々で、テギョンの膝の上で目を輝かせておとなしくしていた。
「うー、オッパのパーボー」
「煩い!飯を食わせてやったんだから文句を言うな!」
「あっ!それは美味しかったです!」
リンを寝かしつけたリビングに買い物袋を置いたテギョンは、ダイニングテーブルの向こう側を見て唇を尖らせている。
「コーヒーですか!?お水ですか!?」
「ああ、水をくれ」
開けていた冷蔵庫からボトルを2本取り出したミニョは、ちょこちょこ早足でテーブルを回りテギョンの前にボトルを一本置いて隣に腰を下ろした。
「それで、これは、何なんだ」
テーブルに置かれたシヌから受け取った包みに視線を向けて、ボトルのキャップを回したテギョンに既にボトルを口に咥えていたミニョが目だけを横に動かしている。
「えっと、だから、オッパが・・・」
「ミナムが!?」
「は、い、ミナムオッパが、ヘイオンニが、日本にいるから買ってやるって・・・」
ギロリと動いたテギョンの瞳に畏縮するミニョは、苦笑いを浮かべ、肩を掴んだテギョンが向きを変えさせると正面から顔を覗き込んだ。
「で、俺は、いつからこれを捜していたんだ!?」
「オッパが捜してるとは言ってません!」
「ふ・・・ん、シヌは、俺が捜してると言ってたぞ」
不満たっぷりに帰りの車の中でも訊ねた質問を繰り返すテギョンに辟易しているミニョは、頬を膨らませている。
「そ・・・れはぁ、知りません・・・」
「ふん、まぁ、良い・・・これは、こいつに付いていたものだからな」
ポンと包みの上に小さな箱を乗せたテギョンは、その蓋を開けミニョの前に差し出した。
「ほら」
「わ、素敵です」
「ペンダントならいつでも使えるだろう」
「はい!ありがとうございます!」
箱に敷き詰められたクッションの中央に大振りな星が二つ重なって知恵の輪の様に組み合わされ、少し太めのチェーンを施されて鎮座している。
「星の飾りね・・色々な所で買ったからな・・・」
箱から星を取り出したテギョンに指を曲げられ、近づく様促されたミニョは、頭を前に倒すと被せる様に掛けられ胸元に落ちたシルバーの星を手のひらに乗せた。
「この服もそうでしたね」
「まさか、そんなに大事にされてるとはな」
「ふふ、オッパから頂く物は何でも大事にしてますよー」
テーブルの包みをポンと手で叩き、手のひらの繋がった星を持ち上げ、顔の横で振って見せるミニョにテギョンが笑顔を零している。
「一番大事なものは、毎日頂いてますから」
ペンダントにキスしてみせるミニョをテギョンが、横目で見た。
「・・・何だ!?」
「・・・・・・・・・オッパの気持ち」
「・・・サランヘ!?」
カタリと椅子を動かして、ミニョの背中に腕を回したテギョンが、ニヤニヤしながら、ミニョに顔をくっつけようとしている。
「僕もいるもーん・・・」
しかし、大きな声に阻まれて固まったテギョンは、そろりと後ろを向くのときょとんとした表情でミニョがリビングを見たのと声の主は、ソファから腕を上に突き出した。
「またか・・・」
「んん!?多分、寝言ですよ・・・」
額に手を当てたテギョンは、椅子から降りるとリビングに向かい、ミニョもテギョンの後追っている。
「ほら・・・良く寝てます」
寝息を立てて狭いソファで器用に寝返りを打っているリンにテギョンの背中から覗きこんだミニョが、クスクス笑い、呆れた表情のテギョンは、大きな大きな溜息を吐いた。
「チッ!今日は、本当に散々な日だ」
「私には良い日でしたよ」
胸を飾るペンダントをまた手に取っているミニョは、満面の笑顔を零してくるりと向きを変えている。
「オッパのおかげで、ソンジュンssiは来なくなるのでしょう」
「ふ・・・ん、それは、不本意だが、ユンギのおかげだな」
「ふふ、ユンギssiには、いつも助けていただいてますね」
「余計な仕事を持ってくるのもあいつ・・・っそうだ!お前、ユンギの曲を聞いたのか」
背中を向けて笑い足を踏み出したミニョを強引に掴んだ肩で振り向かせ、バランスを崩したミニョが、テギョンの胸の中に収まり、大きな瞳を瞬いた。
「えっ!?ユンギssi・・・」
「そうだ!ユンギが、お前に書いている曲だ」
「えっ!?えと・・・」
テギョンの胸の中で何度も首を傾げているミニョは、口を開けて頷いている。
「ああ、そういえば、送っていただいた日に車の中で・・・」
「聞いたのか!?」
「私の曲ですか!?」
疑問に疑問が返る互いの重なった言葉と表情にテギョンもミニョも顔を見合わせたまま黙ってしまい、唇を尖らせたテギョンを見上げているミニョが瞳を左右に揺らした。
「おっ前・・・仕事には、本当に無頓着だな!」
「そんな事ありません!オッパを信頼しているだっ・・・」
テギョンの呆れた声に応酬したミニョは、自身の言葉にシュンとなって俯き、ニヤリと口角を上げたテギョンが、ミニョを抱く力を強めている。
「俺は、頼りにされているのか!?」
「あっ、当たり前です!オッパが、居なかったら・・・」
「俺を愛してる!?」
「そっ、それとこれとはっ」
「答えろよ・・・コ・ミニョ・・・俺を好きか!?」
「・・・・・・・・・」
「チョアハムニカ(好きですか)!?サランハゴイッスムニカ(愛してますか)!?ナガチュンヨハムニッカ(大事ですか)!?」
「オオオオッパ!!」
黙り込む顔に近づいて頬にキスをするテギョンに瞳を閉じたミニョは、ゆっくり背中に腕を回すと顔の角度を変えた。
「愛してます・・・この世界の創造主よりも」
「それは、また・・・凄い告白だな」
柔らかい笑みを浮かべるテギョンの唇とミニョの唇が重なって、まるで踊る様にミニョの手を握って、向きを変えたテギョンは、離れた瞬間に無表情で固まっている。
「ね、オッパ、ユンギssiの曲って・・・」
テギョンの胸に耳を傾けながら、ぽやんとした声を出したミニョは、上を見るとテギョンの可笑しな視線に振り返った。
「・・・えっ、リ・・・」
「僕、お風呂入りたーい」
「なっ・・・」
ソファに手を掛けて鼻の頭から上で覗き見ていたリンが、くるりと向きを変えトンとソファから飛び降り、上に掛けていたテギョンのジャケットを引き摺りながら、ドアに向かっている。
「ちょ、リン!おい!待て!」
「リン・・・えっ、えっと、起きてますかー!?」
テギョンとミニョの声など聞こえない様に目を擦りながらリビングを出て行ってしまうリンに伐が悪い顔をしたテギョンもミニョも驚いた顔を見合わせて慌てて追いかけ、捕まえたリンを抱き上げたテギョンが、眠そうなリンを宥めてバスルームに向かって行ったのだった。
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ヨロブンアンニョン(^^)/『レインボー・アクロス・ザ・スカイ(空翔る虹)』は、ここで終了します(^O^)
あとがきに託けた泣き言をーA=´、`=)ゞ
まず、このタイトルの意味は、最初に書きました様に虹の様子です。
この話を書き始めた頃、登場人物も多くなってきたので、それぞれの日常の欠片をお届け出来れば良いなとそんな妄想で始めました(^▽^;)が、書いてる内に『テーマAngelpiece』の唯今核とになっている『子供バンド』と『ミニョの復帰』で別な妄想が突っ走り、書き方も侵しな方向へ(@Д@;
次回への布石みたいな内容が多くなってしまいました。
ずっとお付き合い頂いてる方々には「またかー」だったと思いますが、正直、意味の解らない繋がらない話も多かったと思います。ごめんなさーい(→o←)ゞ次で、立て直しを頑張ります(゚_゚i)
25回もお付き合い下さり、拙い書き手に暖かい励ましのお言葉の数々を頂戴しました皆々様ありがとうございました(^_^)頂いていたメッセのお返事等、全て返信せていただきましたm(__)m
最後まで読んで頂いてカムサ(^_^)また次の妄想で(^^)/
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