「オンマーーー!!アッパーーーーー!!!」
手を振りながら楽しく走り回るリンの後を追って、ゆったりした足取りで、潮風をその身に受けながらテギョンとミニョは、腕を組んで砂浜を歩いていた。
「楽しかったです!」
ミニョが、帽子を押さえながら隣を歩くテギョンを見ている。
「そうか」
サングラスを掛けて、パーカーのフードを被っているテギョンもミニョを見た。
その顔は、微笑を浮かべ、照れくさそうに目元を緩めていた。
「アッパにいろいろして頂いた旅でしたね」
「ああ、お前と全く旅行も行けなかったからな」
テギョンが、前を行くリンに手を振り替えしている。
「ええ、でも、ライブとか呼んでいただいてましたから、あちこち行かせて頂いてましたけどね」
ミニョは、国内でのライブツアーの事を言っていた。
「記念日にあそこにもう一度行く予定だったんだけどな」
テギョンが、ボソッと呟いた。
「えっ!?」
ミニョが、首を傾げてからテギョンを見ている。
「お前とリンとあの砂浜を歩いてみようと色々計画してたんだが、やっぱり、休みがな・・・」
取れなかったとテギョンは、ミニョに言い、ミニョは、クスッと笑っっている。
「何だよ」
「オッパが休めないのなんて当たり前じゃないですか!」
にっこり笑って親指を立ててみせるが、しかし、テギョンは、その指に冷たい視線を投げた。
「あれっ!?」
ミニョが不思議な顔でまた首を傾げた。
「オッパ!?」
ミニョの顔と声にテギョンの口角があがると、いきなり立ち止まって組んでいた腕を引き、よろけたミニョの腰に手を回してギューッと抱きしめている。
「オッパ・・・」
「コ・ミニョ!俺のサラン」
耳元に落とされる低く甘い声にミニョの体が震えた。
全ての音が消えて、テギョンのその言葉だけをリフレインする様に瞼がゆっくり閉じられる。
★★★★★☆☆☆★★★★★
「ふふ、あはっ・・あははは」
ギューッと抱きしめ返して、緩む口元は、満面の笑みを刻んでいた。
「・・・・・・っっし」
しかし、突然リンの声が、耳元に落ちた。
「苦しいよーオンマー」
バタバタと暴れて、ミニョの胸元に顔を出したリンに大きく目を見開いたミニョが、瞬きを繰り返している。
「リ・・・ン・・・」
「おはよーオンマ!」
「お・・はよう」
ミニョの腕の中でにっこり笑うリンは、エヘヘーッと悪戯に笑って、リンに巻きつけた腕を緩めるミニョは布団を捲っている。
「あっれ・・・お家でしたね」
旅行から帰ってきたことを思い出していた。
「そうだよー」
ベッドから降りたリンが、にこにこしてミニョが起きるのを待ち、隣を見たミニョは、既にテギョンがいないことを確認して、口元に当てた手で欠伸を隠すと、もう一度リンを見た。
「アッパは、お出かけですか!?」
リンは、首を振っている。
「リビングに居るよ!」
「そうですか・・・今日は、お仕事午後からですかね」
そんな事を言いながらミニョが、ベッドに腰をかけるとリンは、まだ悪戯な顔をしてミニョを見ている。
「何ですか!?」
テギョンに良く似た顔で、ニヤッと口角をあげたリンは、あのねと言った。
「アッパの夢見てた!?」
ミニョにそう聞いた。
一瞬きょとんとしたミニョだが、直にええと言った。
「サランヘッって聞こえた!?」
「ええ、聞こえましたよ」
ミニョは何の気概もなくリンに夢の出来事を話したが、その顔が驚愕からか赤くなっていく。
「リ・・・ン・・まさか・・・」
「オンマ可愛いかったのー」
にっこり笑ってそう言ったリンは、わーいと言いながら走って寝室を出て行って、ミニョは、口元に手を当てて赤くなり続ける顔を冷ますように手を動かしている。
「リンだったのですか・・・」
暫く動かし続けると、その両頬を包み込んで緩む頬を持ち上げた。
「おいっミニョ!!」
突然ドア越しに掛かった声に飛び上がりそうな程驚いている。
半分だけドアを開けたテギョンがそこに立っていた。
「どうしたんだ!?」
こちらも不思議な顔をしてリビングの方を見て首を傾げてからミニョに近づいてきた。
「アッパ・・・おはようございます」
呼吸を整える為に胸に手を置いて、深呼吸をするミニョにベッドに近づいて見下ろしたテギョンは、また首を傾げている。
見上げるミニョが、両脇に手を付いて何ですかと聞いた。
瞳を僅かに逸らしながら腕を組み、また首を傾げたテギョンは、唇を尖らせてミニョを見つめた。
「お前、随分顔が赤いな」
覗き込む様に右手で唇に触れながら腰を折っている。
「ヘッ!?」
ミニョが間抜けな声を出したが、それに怪訝な顔をしたテギョンは、片目を細めた。
「リンの奴・・・何をしたんだ!?」
くるっと瞳を大きく回したミニョは、頬を押さえながらエヘヘと笑って、その顔をテギョンは、益々怪訝な顔で見た。
「気持ち悪い奴だな・・・」
テギョンの一言にミニョの頬が膨れていく。
「オッパには、関係ありません!」
唇に指をあて、ふーんと言っている。
「リーン!!ちょっと来い!!」
大きな声を出してリンを呼んだ。
きょとんとしてテギョンを見るミニョは、現れたリンを見てにっこり笑った。
テギョンもそちらを見て笑うと人差し指を動かしてリンを呼んでいる。
トタトタとテギョンの前にやってきたリンを抱きかかえたテギョンは、リンと顔を見合わせてニヤッと笑った。
「オンマに何をしたんだ!?」
リンは、テギョンの顔を見て、ミニョの顔を見た。
大きな目を僅かに見開いているミニョは、リンに首を振っている。
「答えたら解っているよな」
テギョンのいつもの手で、懐柔されそうになっているリンにミニョが、慌ててオッパと言った。
「まだ、何も言ってないだろ」
「そういうことじゃないでしょ!」
「サランヘッて言ったんだよ!」
リンは笑顔で、あっさりテギョンに白状した。
「お前が!?」
「うん!僕が言ったのー!そしたらねー」
「間違えたのです!!」
ミニョが慌ててテギョンに潤む目を向け、リンとテギョンがミニョの顔を見ている。
「オッパと間違えたのです・・・」
俯いてシュンとなったミニョは、頬も膨らませている。
「その・・・リンの声が、あまりにもアッパに似ていたので・・・」
「お前、わざとやったのか!?」
テギョンが、リンに聞いている。
「うん!オンマ寝ぼけてたからサランヘって言ったら抱きしめられたのー」
リンは、嬉しそうにミニョを見ている。
「何だ・・・そんな事か・・・」
テギョンは、リンを降ろすと、ミニョに立つように促した。
上目遣いにテギョンを見るミニョは、黙って従いテギョンの腕がミニョの両肩に乗せられてその口角があがっていく。
「お前、どれだけ俺が好きなんだ!?」
その言葉にミニョの頬は一瞬で真っ赤になった。
「オッパ・・・」
照れて真っ赤になりながらもテギョンを見つめている。
「俺の夢を見てたんだろ!」
コクンとミニョが頷くと、満面の笑みを浮かべたテギョンが、グッとその身体を引き寄せ、耳元に唇を寄せた。
「夢の中じゃなく!本物を聞けよ!」
そう言ったテギョンは、ミニョと顔を合わせるサランヘと言いながら顔を傾けていく。
「あーーーーー!!アッパーーーー!!ずるーい!!!」
ミニョの膝にくっ付いていたリンが、大きな声を出したが、テギョンの唇と重なるミニョは、その腕にすがり付いて、夢の余韻そのままにテギョンの唇を受け入れているのだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
15回ものお付き合いありがとうございました!
2011年の更新はコレが、最後о(ж>▽<)y ☆
拙い書き手にここまでお付き合いいただき、読んでいただいたり、コメ、メッセージ等
頂いた皆々様に深く感謝申し上げます(≡^∇^≡)
最後まで読んで頂いてありがとうございました♪(*^ ・^)ノ⌒☆
2012年も変わらず、リンを育てていきたいなと思っているすずらんでした(^^)/
良いお年をお迎えくださいねー(^-^)/
「楽しかったです!」
ミニョが、帽子を押さえながら隣を歩くテギョンを見ている。
「そうか」
サングラスを掛けて、パーカーのフードを被っているテギョンもミニョを見た。
その顔は、微笑を浮かべ、照れくさそうに目元を緩めていた。
「アッパにいろいろして頂いた旅でしたね」
「ああ、お前と全く旅行も行けなかったからな」
テギョンが、前を行くリンに手を振り替えしている。
「ええ、でも、ライブとか呼んでいただいてましたから、あちこち行かせて頂いてましたけどね」
ミニョは、国内でのライブツアーの事を言っていた。
「記念日にあそこにもう一度行く予定だったんだけどな」
テギョンが、ボソッと呟いた。
「えっ!?」
ミニョが、首を傾げてからテギョンを見ている。
「お前とリンとあの砂浜を歩いてみようと色々計画してたんだが、やっぱり、休みがな・・・」
取れなかったとテギョンは、ミニョに言い、ミニョは、クスッと笑っっている。
「何だよ」
「オッパが休めないのなんて当たり前じゃないですか!」
にっこり笑って親指を立ててみせるが、しかし、テギョンは、その指に冷たい視線を投げた。
「あれっ!?」
ミニョが不思議な顔でまた首を傾げた。
「オッパ!?」
ミニョの顔と声にテギョンの口角があがると、いきなり立ち止まって組んでいた腕を引き、よろけたミニョの腰に手を回してギューッと抱きしめている。
「オッパ・・・」
「コ・ミニョ!俺のサラン」
耳元に落とされる低く甘い声にミニョの体が震えた。
全ての音が消えて、テギョンのその言葉だけをリフレインする様に瞼がゆっくり閉じられる。
★★★★★☆☆☆★★★★★
「ふふ、あはっ・・あははは」
ギューッと抱きしめ返して、緩む口元は、満面の笑みを刻んでいた。
「・・・・・・っっし」
しかし、突然リンの声が、耳元に落ちた。
「苦しいよーオンマー」
バタバタと暴れて、ミニョの胸元に顔を出したリンに大きく目を見開いたミニョが、瞬きを繰り返している。
「リ・・・ン・・・」
「おはよーオンマ!」
「お・・はよう」
ミニョの腕の中でにっこり笑うリンは、エヘヘーッと悪戯に笑って、リンに巻きつけた腕を緩めるミニョは布団を捲っている。
「あっれ・・・お家でしたね」
旅行から帰ってきたことを思い出していた。
「そうだよー」
ベッドから降りたリンが、にこにこしてミニョが起きるのを待ち、隣を見たミニョは、既にテギョンがいないことを確認して、口元に当てた手で欠伸を隠すと、もう一度リンを見た。
「アッパは、お出かけですか!?」
リンは、首を振っている。
「リビングに居るよ!」
「そうですか・・・今日は、お仕事午後からですかね」
そんな事を言いながらミニョが、ベッドに腰をかけるとリンは、まだ悪戯な顔をしてミニョを見ている。
「何ですか!?」
テギョンに良く似た顔で、ニヤッと口角をあげたリンは、あのねと言った。
「アッパの夢見てた!?」
ミニョにそう聞いた。
一瞬きょとんとしたミニョだが、直にええと言った。
「サランヘッって聞こえた!?」
「ええ、聞こえましたよ」
ミニョは何の気概もなくリンに夢の出来事を話したが、その顔が驚愕からか赤くなっていく。
「リ・・・ン・・まさか・・・」
「オンマ可愛いかったのー」
にっこり笑ってそう言ったリンは、わーいと言いながら走って寝室を出て行って、ミニョは、口元に手を当てて赤くなり続ける顔を冷ますように手を動かしている。
「リンだったのですか・・・」
暫く動かし続けると、その両頬を包み込んで緩む頬を持ち上げた。
「おいっミニョ!!」
突然ドア越しに掛かった声に飛び上がりそうな程驚いている。
半分だけドアを開けたテギョンがそこに立っていた。
「どうしたんだ!?」
こちらも不思議な顔をしてリビングの方を見て首を傾げてからミニョに近づいてきた。
「アッパ・・・おはようございます」
呼吸を整える為に胸に手を置いて、深呼吸をするミニョにベッドに近づいて見下ろしたテギョンは、また首を傾げている。
見上げるミニョが、両脇に手を付いて何ですかと聞いた。
瞳を僅かに逸らしながら腕を組み、また首を傾げたテギョンは、唇を尖らせてミニョを見つめた。
「お前、随分顔が赤いな」
覗き込む様に右手で唇に触れながら腰を折っている。
「ヘッ!?」
ミニョが間抜けな声を出したが、それに怪訝な顔をしたテギョンは、片目を細めた。
「リンの奴・・・何をしたんだ!?」
くるっと瞳を大きく回したミニョは、頬を押さえながらエヘヘと笑って、その顔をテギョンは、益々怪訝な顔で見た。
「気持ち悪い奴だな・・・」
テギョンの一言にミニョの頬が膨れていく。
「オッパには、関係ありません!」
唇に指をあて、ふーんと言っている。
「リーン!!ちょっと来い!!」
大きな声を出してリンを呼んだ。
きょとんとしてテギョンを見るミニョは、現れたリンを見てにっこり笑った。
テギョンもそちらを見て笑うと人差し指を動かしてリンを呼んでいる。
トタトタとテギョンの前にやってきたリンを抱きかかえたテギョンは、リンと顔を見合わせてニヤッと笑った。
「オンマに何をしたんだ!?」
リンは、テギョンの顔を見て、ミニョの顔を見た。
大きな目を僅かに見開いているミニョは、リンに首を振っている。
「答えたら解っているよな」
テギョンのいつもの手で、懐柔されそうになっているリンにミニョが、慌ててオッパと言った。
「まだ、何も言ってないだろ」
「そういうことじゃないでしょ!」
「サランヘッて言ったんだよ!」
リンは笑顔で、あっさりテギョンに白状した。
「お前が!?」
「うん!僕が言ったのー!そしたらねー」
「間違えたのです!!」
ミニョが慌ててテギョンに潤む目を向け、リンとテギョンがミニョの顔を見ている。
「オッパと間違えたのです・・・」
俯いてシュンとなったミニョは、頬も膨らませている。
「その・・・リンの声が、あまりにもアッパに似ていたので・・・」
「お前、わざとやったのか!?」
テギョンが、リンに聞いている。
「うん!オンマ寝ぼけてたからサランヘって言ったら抱きしめられたのー」
リンは、嬉しそうにミニョを見ている。
「何だ・・・そんな事か・・・」
テギョンは、リンを降ろすと、ミニョに立つように促した。
上目遣いにテギョンを見るミニョは、黙って従いテギョンの腕がミニョの両肩に乗せられてその口角があがっていく。
「お前、どれだけ俺が好きなんだ!?」
その言葉にミニョの頬は一瞬で真っ赤になった。
「オッパ・・・」
照れて真っ赤になりながらもテギョンを見つめている。
「俺の夢を見てたんだろ!」
コクンとミニョが頷くと、満面の笑みを浮かべたテギョンが、グッとその身体を引き寄せ、耳元に唇を寄せた。
「夢の中じゃなく!本物を聞けよ!」
そう言ったテギョンは、ミニョと顔を合わせるサランヘと言いながら顔を傾けていく。
「あーーーーー!!アッパーーーー!!ずるーい!!!」
ミニョの膝にくっ付いていたリンが、大きな声を出したが、テギョンの唇と重なるミニョは、その腕にすがり付いて、夢の余韻そのままにテギョンの唇を受け入れているのだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
15回ものお付き合いありがとうございました!
2011年の更新はコレが、最後о(ж>▽<)y ☆
拙い書き手にここまでお付き合いいただき、読んでいただいたり、コメ、メッセージ等
頂いた皆々様に深く感謝申し上げます(≡^∇^≡)
最後まで読んで頂いてありがとうございました♪(*^ ・^)ノ⌒☆
2012年も変わらず、リンを育てていきたいなと思っているすずらんでした(^^)/
良いお年をお迎えくださいねー(^-^)/
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