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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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スペード9────スタンダード!? #2


「どうして、これを持っているのか聞かせてくれる」
リクエストを弾き終えたユンギは、カウンターへ戻らず、女性のいる席へ迷わずに歩み寄った。
「どうしてだと思う!?」
悪戯に、挑戦的な目を向ける女性は、テーブルに肘をついて指を交差するように組んだ手を口元に当ててユンギを見ていた。
「それは・・・」
女性の顔を間近で見たユンギは、どこか懐かしい香りを感じて、曖昧な記憶の片隅を探るように目の前にいる人物を観察するが、どこか彼女に似ていて、けれどかなり若いその女性が、誰であるかを確かめるには、あまりにぼんやりとした記憶しかなかった。
「・・・スペードのイ・ユンギって、あなたでしょ!?」
肘をテーブルから下ろして手を組んだ女性は、上目遣いにユンギを見ている。
「・・・そう、だけど・・・」
ユンギが、答えると女性は視線を外して、にっこりと笑顔を作った。
その顔にやはり懐かしさを覚えるユンギは、戸惑いを見せ、シャツの上から、胸を掴んでいる。
「座って!」
女性が、手を前に翳して真向かいの椅子に座るように促すが、戸惑いを見せているユンギは、躊躇して立ち尽くしている。
「そのままじゃ話、出来ないでしょ!?」
ふんわりとした笑顔を見せる女性は、ユンギが座るのを待っていて、何かあるということを暗に窺わせている。
「座って!」
もう一度言われて、ユンギは戸惑いながらも椅子を引いた。
正面で向き合う女性は、ますます彼女に似ていて、懐かしい思いをどこからか運んでくるが、別人であることは、何より女性の若さが主張している。
「君、幾つなの!?」
ユンギは、意を決したように女性を真正面から見据え、ジッとその目を見ると聞いた。
「どうして!?」
曖昧な記憶の片隅にいるあの子であるならば、こういった処が似合う様な年齢には達していない筈だとユンギは思っていたが、前にいる女性は、若いということを差し引けば、妙に店の雰囲気に馴染んでいた。
「間違っていないと思うんだけどな・・・」
ボソッと口の中で転がす様に零した声は、以外にも女性にしっかりと聞こえた様で、クスッと笑った女性が、そうよと言った。
「間違っていないと思うわ!」
「だったら・・・」
「それは、いいじゃない!それより・・・」
女性は、座位する脇の椅子を引くとそこに置いてあるバッグから封筒を取り出した。
「これ・・・覚えがあるでしょ・・・」
中から紙の束を取り出して、テーブルに拡げて見せる。
「・・・やっぱり・・・」
拡げられた五線紙に僅かに目を見開いたユンギは、確信を得たことでテーブルの下で拳を握っていた。
「あなたの曲・・・」
「・・・そう・・だね・・・」
息を呑む様に喉が鳴るユンギは、紙を見つめて固まっている。
「あのね・・・お願いがあって来たの・・・」
女性が少し顔を左右に小さく振ると、揺れる瞳をユンギに向けた。
「・・・な・・・に・・・」
ユンギは、何か嫌な予感を抱えていた。
目の前に突然現れた女性が、一体何をしたいのか、話を聞く気持ちはあっても頭が追いついて行かない。
かつて、短い恋をした彼女の子供だと言う事は判ったが、何故、今、突然現れたのかを目の前の紙を見つめながら、ぐるぐると考えていた。
「あのね・・・これを・・・・・・歌わせて・・・欲しいの・・・」
震える声が小さく響いて、声を発した女性は、俯いて、テーブルの上の手を祈るようにギュッと握り合わせていた。
「・・・・・・どうし・・・て」
ユンギの声も震えている。
遠い昔、スペードを解散した時に、全てを持っていってと彼女に渡した譜面は、いつか、約束を果たそうねと彼女が、笑顔で抱えていったものだ。
「約束・・・したんでしょ・・・」
女性が、ゆっくりと息を吐き出しながら、ユンギの顔を見た。
まだ、五線紙を凝視しているユンギは、手のひらに握った汗を乾かすように手を開くと膝に擦り付けた。
ゴクッと、喉が大きく鳴り、テーブルの向こうの女性と視線を合わせる。
「もしかして・・・・・・」
真っ直ぐユンギを見ている女性は、ゆっくり瞬きをすると少し視線を下げて哀しそうに言った。
「ええ、神様に連れて行かれちゃった・・・・・・」
女性の頬を涙が一筋伝っていく。
ユンギは、それを見つけ小さく、そっかと呟いた。
ふたりの間に沈黙が流れる。
ひとしきり、黙ったまま対峙していたが、店内の談笑の声に引き戻されるようにユンギが時計を見ると、これ以上、話は出来ないと判断したようで、明日時間はあるかと聞いた。
それに頷いた女性は、ユンギから名刺を受け取ると会社に行くわと言って宿泊先へ戻って行った。


★★★★★☆☆☆★★★★★


小さかった天使が

いつの間にか大きくなって

僕の前に現れたんだ

何を伝えようとしているのかな

僕と君の約束

果たせないんだね

いつか

いつかと

そう思っていたけれど

君はそっちで笑っているのかな





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