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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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スペード3────エンジェル・オブ!?


「これ」
白い小さな袋を上に翳してユンギに渡す女性は、ジーンズとTシャツに大きな旅行カバンをさげていた。
「何!?」
「見ればわかるよ!」
袋を少し拡げて中を覗いたユンギは、少し色褪せた白い便箋と封筒の束を目にした。
「これって・・・」
少し、驚いたように目を見開くと、目の前に立つ女性を見る。
「うん。ママの遺品の中にあった」
それは、スペードのボーカルをするはずだった、ユンギの大切な人へ宛てた手紙の束だった。
「貴方が送り主でしょ」
「そうだけど・・・」
「それ、全部読ませてもらったの・・・だから、わたし来たのよ」
女性は、ふーと息を吐き出すと、少し泣きそうな顔になった。
「ママの恋を知りたかったの!最後まで何も言わなかったけど、本当に、貴方を愛してたのね!わたしも歌わせて貰ってよく解った!」
ありがとうと女性は、ユンギに手を差し出した。
その手を掴んだユンギは、そっかと小さく口にする。
「一夜の夢だったけど、スペードで歌うっていう、ママの夢も叶えられたと思うし、本当にありがとうございました」
微笑む女性は、深々と腰を折っている。
「どっちが本当かは、解ったのかな・・・」
ユンギが、オズオズと聞いた。
体を起こした女性は、口角をあげると首を左右に振った。
「スペードは、過去の事だったんでしょ!?今の貴方は、別な道を歩いてる。私が来なければ復活することもなかったでしょ。だから、よりクールに演出したのよね・・・」
ユンギが、驚いたように女性を見ている。
「どっちも、貴方って事でいいわ!」
女性の瞳が悪戯そうに細められた。
「ママが、好きだった人だから、わたしも好きになっちゃいそうだけど、もしかしたら、パパになってたかも知れないし・・・」
「なっ・・・何を・・・」
ユンギは、慌てて、少し赤くなっている。
「あんなに大勢の人の前であなたの歌を歌えたって事が、満足だわ!」
女性の顔が晴れやかに輝くと、空港の搭乗アナウンスが響いた。
「あっと、もう行かなきゃ!」
女性は、カバンを手に持つと、チケットを取り出してじゃぁと言った。
「もし本当に、復活するなら、呼んでねー!!ママの代わりにはならないかも知れないけど、とっても楽しかったー!」
手にしたチケットを上にあげて、遠ざかっていく女性は、ユンギに手を振ってそう叫びながら、消えて行った。
見送るユンギも手を振っている。
「ありがとうー、また・・・・・・遊びにきてくれたらいいな」
最後は、独り言になっていた。
「行っちゃった・・・」
空港のロビーに残されたユンギは、手にした袋を見つめている。
「僕の手紙・・・大事に持っててくれたんだね・・・」
大切な彼女の面影を残す女性を見送ったユンギは、両手を握って気合を入れると空港を後にした。

★★★★★☆☆☆★★★★★


天使が消えて行ったよ

僕に思い出を残して

僕に新たな思いを植えつけて

君の贈り物かな

僕に出来ること

最後の時まで

僕はそれを捜していくよ


★★★★★☆☆☆★★★★★

空港の駐車場で、車のドアに寄りかかるように待っていたヒジュンは、晴れやかな顔で歩いてくるユンギを首を傾げて見ていた。
手にした白い袋を大きく振るように腕を振っている。
「良いことでもありましたか!?」
前に立った、ユンギへドアを開けながら聞いた。
「ああ、あったよ」
「行ってしまいましたね」
空を見上げると、丁度、飛行機が轟音と共に飛び立って行った。
「そうだね」
「いつか、また、会えるのでしょうか!?」
ヒジュンのその言葉に、微笑んだユンギは、車に乗り込みながら言った。
「そう遠くないうちに会えるよ!」
ドアの向こうで、上を見上げていたヒジュンが、眉を寄せた。
「どういうことです!?」
「スペードさぁ・・・・・・復活はしないけど、レコーデイングは、しようかなって・・・」
運転席に乗り込んだヒジュンが、ドアを閉めると後ろを向いた。
「会社はどうするのです!?」
「だから、復活はしないって!」
「両立するって事ですか!?」
「違う!音楽配信だけ・・・それ以外の出演とかに関しては一切受けない!」
後部シートに寄りかかるように座るユンギは、腹に両手を乗せて、上を見上げた。
「これなら、会社の利益にもなるだろ!?どうせ、イ・ユンギに取材を申し込んできてるとこは、僕だってことに気付いてると思うんだ!だったら、逆にそれを利用してやる!」
ユンギの力強い決意にヒジュンは、溜息をつくと前を向いて言った。
「あくまで会社を優先させるのですね・・・」
「うん」
「でしたら、何も言いません」
ヒジュンは、エンジンを掛ける。
「ありがとう!!」
「でも、そうなると配信だけとはいえ、また比較されるのではないですか!?」
かつて、デビュー前とはいえ、A.N.Jellと比較された事を言っていた。
「そういえば、この前、コ・ミニョssiにサイン貰っちゃった!」
「えっ!!!?」
ヒジュンが、かなり動揺してまた後ろを向いた。
「いつもの公園!?」
「そう、思い切って声を掛けた!」
「ウッ羨ましい・・・」
「近くで見るとかわいかったなぁ!」
「そりゃ、彼女は天使ですから!!」
興奮したようにヒジュンが言った。
「テギョンそっくりな小さい天使もいたけどね・・・」
ユンギは、小さく呟くと、これからの事について考えていた。
音楽を取り戻すという事は、当然テギョンたちと同じステージに立つこともあるかもしれない。
形は違っても、同じ道を歩む事に変わりはない以上、どこかで、再会する事もあるだろう。
かつてのライバルは、今は、遥か前を走り続けているけれど、そこに追いつかなくても、同じ道を少しゆっくりでももう一度、踏みしめてみようと思っていた。