目覚めたリンは、顔にぶつかる何やら白いものに開けた目を細め、むくっと起き上がってそれを眺めていた。
白いうさぎにぶたの鼻。
「ワー!テジトッキ!!」
テギョンとミニョが、やっと自分にくれたのかと、ふたりが眠るベッドを見遣ると枕元に同じものが置かれていた。
ただ、微妙に耳と目の色が違う。
首を傾げて、暫くそちらとこちらを見比べたリンは、にっこりと微笑んだ。
「アッパ!」
ぬいぐるみを両手で掴み腕を伸ばすとじっと見て、ギュッと胸に抱きしめた。
まるで、ミニョと同じようなことをしている。
「テジトッキ!!」
ワーイワーイと嬉しそうにベッドで騒ぐリンは、ドタドタと足音を響かせて滑り台を降りて来る。
テギョンの横までやってくると背中を叩いた。
「アッパ!ありがとう!」
「う・・・ん!?うるさい!」
寝ぼけているテギョンは、かなり不機嫌に答えると、手を翳してリンに言った。
「おまえのだから、大事にしろよ!」
そう言うと、また眠るようにミニョを抱き込んでいる。
「うん!」
リンは、嬉しそうに答えると、うさぎを抱いて、寝室を出て行った。
「朝からうるさい奴だな!もう少し寝かせろよ!」
テギョンが、ボソッと呟いている。
リンは、この日から、テジトッキもどきを何処に行くにも連れて行き、眠るのも一緒なのだった。
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