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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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御伽噺────花は盛りの月は隈(くま)25────

★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★

高く鋭い啼き声を発した鳥は、上空を旋回し長く伸ばされた腕に羽音を響かせながら降りていた。
肢(あし)に括り付けられた布を外したシヌは、再び腕を上げて空へ放ち、書を確認して踵を返した。
『シャオルン!シャオルンどこだ!』
『御前にっ!シヌ様!』
木陰から飛び降りて来た少年が、背中で括った長髪を揺らし、膝を付き頭を下げた。
『テギョンは、無事、辿り着いた様だ・・・』
書を差し出したシヌに目線をあげたシャオルンは、受け取ってざっと読み進め袷に収めた。
『では・・・計画通りに・・・』
『ああ、この地の静定は十分だ・・・俺の力でここまで出来ると思っていなかったが・・・後は待つだけで良い』
『では、シヌ様の戴冠準備を・・・』
『ファン・テギョンが、受けないのであれば、俺以外起つ者もいないからな・・・』
剣をたて、杖にして立つシヌは、外壁から地を見下ろした。
そこかしこに横たわる人身の山は、いつかの凄惨な悲劇を思い起こさせる。
『残党は、全て処分をいたしました・・・が、テギョン様を追っている者は・・・』
『あれは・・・捨て置いて良い・・・それが・・・ファン・テギョンの運命だ・・・』
重い口調で遠くを見たシヌは、太陽を横切る雲の筋を眺めその方向に剣を差し向けた。
『ファン家の再興は、祖先よりの夢・・・・・・だった・・・だったけれど、それは、遥か昔日の出来事・・・今のテギョンに関わり合いは無い・・・・・・最初の生を終える時、あいつは夢とは違うものを手に入れていた・・・・・・あの肖像画は、全ての始まりであり、終わりを示すのだ・・・』
『シ、ヌ様!?』
太陽をふたつに割く雲の筋に目を向けたシャオルンが、不思議な顔でシヌの背中を見た。
『・・・・・・お前に描かせたレプリカをこの地に運んでくれ・・・あれを守る事が何より優先する』
多くは語らず、多くを聞かず、再び頭を下げたシャオルンは、シヌの前から消え、流されていく雲を見つめた顔は、目を閉じた。
『・・・美しく・・・美しき花もいずれ散り、若い芽の養分となろう・・・落ちる花が多くとも良薬は、そうそう転がっている物では無い・・・・・・顔を隠した月は再び出(いずる)のだ・・・別れた太陽は、誓いを果たす為のもの・・・・・・・・・ミニョの心を持っているのは、お前だろう・・・分けなければ・・・泣き止まぬ幼子にあの記憶は重すぎた・・・だが、今のお前も記憶を持っていたのだな・・・・・・』
聞く者のいない語りを尽くしたシヌは、目を開けて筋の消えた太陽に目を向けた。
且つて、親友と呼べるものと旅をした。
戦火に於いて知り得た男。
若き日、青年と呼べる日々の中で、出会った男の夢を叶える為に一緒に旅をした。
旅の途中、病に倒れた男を救う為、立ち寄った集落で、女と出会った。
少し、変わった女だった。
高貴な雰囲気を纏わせ、傅(かしづ)く者を従えて、けれど、そんなものを吹き飛ばすほどその場に馴染み、薬師としての知識を豊富に持っていた。
行きずりの筈だった。
行きずりで、二度と会うことは無いだろうとシヌは、そう思っていた。
しかし、女は、テギョンを変えた。
いや、テギョンが女を変えたのか。
夢を求めながら、テギョンは女と愛に支配され、時を運んで子を為(な)し、為した事を知って、女と子供を捨てた。
捨てた理由をシヌは、テギョンに訊ねた。
充分だとテギョンは言った。
少なくともその時代、そんな生活をしていても女の身分が高貴なものだったからだ。

★★★★★☆☆☆★★★★★

「血が、残る・・・俺が果てても夢は続けられる・・・」
「託したのか!?」
「ああ、ファン家の再興は、祖先よりの夢だ・・・俺で潰えると思っていたが・・・ミニョならば、あるいは・・・」
「確証は無いんだな・・・」
「ふ、まぁ、そうだ・・・あんな暮らしをしている王族などそうそう居るものではないからな・・・」
「・・・変わった女だよな」
「ああ、だが、善い女だ・・・あんな暮らしをしていても世情に疎い訳で無く・・・賢く、美しく、一国を治めていたは伊達ではない」

★★★★★☆☆☆★★★★★

『お前達の死に際を俺は知らなかった・・・その誓いも・・・あの絵に出会ったのは、俺が運命に逆らったからか・・・それともこれが、お前の手の内だからか・・・・・・』
三度、空を見上げたシヌの前で、太陽は、幾重にも重なる細い筋に覆われた。
それは、まるで、糸巻で、細い筋の一本一本が、長く深い縁を運命を体現している様に見えていたのだった。




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