アカルイハンザイ
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「コ・ミニョ!!!」
ズズンズズンと背中にエンジン付冷凍装置でも背負っているのかというほど、怒り露わなテギョンは、マイナスオーラ全開でリビングへ向かっていた。
途中、いつもの階段手摺から顔だけ出していたリンは、首を傾げ、そうっと後を着いて来る。
バタバタンとリビングを勢いよく開き、ソファでクッキー咥えて固まったミニョを見た。
「おっふぁ・・・おふぁえ・・・」
モゴモゴモグモグ口を動かし始めたミニョは、チョコンと顔を覗かせたリンに手を振っている。
それに視線を投げつけたテギョンは、リンを一睨みすると見上げたリンが、一歩引いた。
「はれ・・・リン・・・」
不思議顔で首を傾げたミニョは、見えなくなったリンを探し、テギョンは、ミニョに近づいてテーブルに雑誌を投げつけた。
派手な音と共にクッキーの缶が踊っている。
「わっ!びっくりしたぁ・・・何をするのですかオッパ!」
缶を大事そうに抱え、床に座り込んだミニョが、雑誌を見てヒクリと頬を引き攣らせ、ソロリとテギョンを見上げた。
「ほぉお・・・その顔は、覚えがありますって顔だなぁ・・・コ・ミニョ・・・」
「へ・・・へへ・・・はは・・・ひひ・・・」
片膝ついたテギョンは、爽やかな笑顔を浮かべて顎を撫で、それを見ているミニョは、増々頬を引き攣らせている。
「なっ、なっ、なっ、無いっ無いですー」
くるんと振り返って逃げの体制に入ったが、クッキーの蓋が開いている事に気が付いてまた振り返ってしまった。
バシンと伸ばした腕に手が乗っている。
「チッ!お前、こんな時まで、食い物優先かっ!」
「しっ、知らなっ、知らないですってばー!」
「知らない筈ないだろう!証拠は挙がっているんだ!!」
警察の尋問宜しく雑誌を指差しテーブルを叩いたテギョンは、ミニョを威嚇した。
「わっ、私っ、私じゃありませーん」
「お前じゃなかったら誰だっ!ミナムだとでもいうつもりかっ!!」
あという顔をしたミニョは、頷こうとして嫣然と微笑むテギョンの流し目にまた固まった。
「ほぅ・・・これがコ・ミナムだとお前は言うのか!?」
美形の流し目は怖い。
ましてそれがテギョンともなるとミニョの目に映る美丈夫は、優雅な指先で、雑誌のページを捲り、唇を撫で、撫でた指先をミニョに伸ばした。
「ひひひひひやーちっ、違っ違いますぅ!わたしっ!わたしですぅ!!!!」
観念顔のミニョが叫び、クッキーまでも投げようと上にあげたが、一瞬早くリンが蓋を閉めて奪っている。
「オンマー!僕のおやつ投げちゃダメっ!」
「え、あ、リ、ンっ・・・」
「僕のおやつなのっ!」
テギョンを睨みつけたリンは、テーブルの向こうに座って雑誌を見た。
「オンマとジェルミだっ」
テーブルのこちら側では、相変わらず立て膝のテギョンが、ミニョの頬を指一本で撫でていて、万歳しているミニョは、奇妙な体制で、テギョンと向き合っている。
「何て書いてあるのー!?アッパ!?」
テギョンの手の下から雑誌を抜き出したリンが聞いた。
「コ・ミニョとイ・ジェルミの明るい交際」
「へー、オンマジェルミと付き合ってるのー!?」
「パボかっ!俺というものがありながら付き合ってたら不倫だ!」
「ふりんってなぁにー!?」
「お前は、まだ、知らなくて良い!」
「ふぅん・・・」
雑誌をペラペラ捲ってクッキーを咥えたリンを横目に再び美しい笑みを浮かべたテギョンは、
ミニョに向き直り、やっぱり横目で見ていたミニョは、バッチリ合った目を見て笑った。
「オッパの誤解ですっ!」
「誤解なものかっ!記事になってる時点で俺が預かり知らない事だっ!」
「オッパが知っていたらサプライズも出来ないじゃないですかぁ!」
「そんなものしなくても良いんだっ!俺に内緒でジェルミと出掛けた事が問題だっ!」
「ミナムオッパとシヌオッパとそれにリンもいたのですっー」
「は!?」
ミニョの首に腕を回し顔を近づけていたテギョンは、焦るミニョを横目にリンを見た。
「うん、僕も居た」
「ほっ、ほらっ!しょっ、証拠っ!証人っ!リンが証人ですっ」
「あぁん!?」
ジェルミとミニョが写るページを開いたリンは、ショーウィンドウを指差している。
「ここにシヌヒョンも写ってるよー」
雑誌の隅の小さな影をシヌだと指摘した。
「僕が撮られそうになったから、ミナムとシヌヒョンが、隠してくれたのー」
「ぁあん!?」
「アッパに見つかるとオンマも泣いちゃうからシヌヒョンが、これ撮ったおじさん脅してた」
「はぁあ!?」
「載せたら2度と仕事をさせないって言ってたよー」
「はっ!?おっまっ、子供の前でなんて事っ・・・」
「ファン・テギョンの怖さを知らないのかって言ってたもん、だから、シヌヒョンじゃなくてアッパに負けたんだもん!このおじさん」
拡げた雑誌をテギョンに見せつけた。
「そっ、そう!だから、オッパが、その写真・・・」
ギロンと動いたテギョンの目に首を竦めるミニョは、ゆっくり足も引いている。
「オッパってのは、ミナムかっ!?」
「そっそそそそうでーす!ミナムオッパが、その写真で許してくれって頼んでー」
ぐるんとテギョンの腕の中で回ったミニョは、けれどガッチリ腕を掴んだだけで逃げる事は叶わなかった。
「ほぉー、つまり、お前は、この写真が載る事を知っていて俺に黙っていたって事だな」
「しっ知らなっ」
「知らなかったで通るかっ!お前、今日これを見せられた俺の気持ちを考えたかっ!」
テギョンの腕を掴んで押していたミニョは、引き寄せられて首を絞められている。
「うっ・・・ごめんなさーい・・・」
「チッ!っとにお前等ときたら、どいつもこいつもっ!」
「アッパー、僕お昼寝するからねー、後は、オンマとふたりでやってねー」
ミニョをぎゅうぎゅう締め付けながらリンを振り返ったテギョンは、きょとんとした。
「あ!?ちょっ、おいっ待てリン!話は終わってないだろう!」
「終わりだよー、だって、これ、オリニナル(こどもの日)とオボイナル(両親の日)のプレゼントだもーん」
「はっ!?」
「はひ!?」
キャハッと笑って駆けだしたリンは、さっさと寝室に行ってしまい、残されたテギョンとミニョは、互いに首を傾げて見つめ合った。
「何だって!?」
「何がですか!?」
きょとんとした顔を見合わせて腕を解いたミニョは、テギョンに向き直っている。
「オボイナル!?」
「オリニナルだと・・・」
未だ立て膝のままだったテギョンは、雑誌を目にしてジェルミの顔を弾き、ミニョの頭を引き寄せた。
「チッ!あいつらにしてやられたって事か・・・」
「オッパ!?」
鋭いテギョンと鈍感なミニョ。
胡坐をかいて座り直したテギョンは、四つん這いのミニョを指先で呼んだ。
「つまりっ!お前も騙されたってことだっ!サプライズを仕掛けられたのはお前と俺だっ!」
「へっ!?」
肩に伸びるミニョの腕を避けるテギョンは、細腰を引っ張っている。
テギョンの胸にミニョの背中が落ちた。
「ふん、リンに子供の日のプレゼントを買いに出かけて、思わぬハプニング!
それを利用して俺達に両親の日のプレゼントをくれたってことだ・・・」
「へっ!?」
まだまだ頭を悩ませているミニョは、思慮顔でテギョンを見上げている。
「つまりだなコ・ミニョssi」
ミニョを膝に抱えるテギョンは、その顎を捉えた。
「俺とお前に時間をくれたってことだ!明るい犯罪者達だな!」
音を立てて離れた唇は、もう一度塞がれた。
怒り露わだったテギョンの周りにマイナスオーラは無くなり、プラスのそれも極上の輝くオーラが飛び交っていたとある日の出来事だった。
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5月5日は、韓国もこどもの日(^-^)8日は、両親の日です(^_-)-☆
日本は、もうすぐ母の日(5月第2週日曜日)ですね。
大型連休真っ只中のオンマの皆様へ少し早いプレゼントでした(=⌒▽⌒=)
最後まで読んでいただいてありがとうございますm(__)m
鯉のぼりもあまり見かけなくなりましたね。
画;歌川広重 名所江戸百景水道橋駿河台
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Favorite music excerpt 再生リストからchoiceコントロールから音量変更可 不可はページ再読込❦一部字幕ON&設定で日本語約可
loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧
Hope to see someday"You're Beautiful" of After that.
Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑)
交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^)
コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。
『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。
長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^)
ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。
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