表題『キューピッドの野望』 テギョミニョリン
パタパタパタと駆ける音に併せてお耳を僅かに動かして、風に乗った声に口元を綻ばせ、閉じた瞼の下でニッパリ笑って、また寝息をたてている。
「お帰りなさい」
「ああ・・・あいつは!?」
「ふふ、お昼寝です」
そうかと振り向き様の触れるキスに俯きかけた顔は、肩に回された腕に驚いて上を向き、満面の笑顔を見つけてまた下を向いた。
「もっ!!」
嬉しいような恥かしいようなそんな表情を浮かべて、胸を軽く押した腕に大袈裟に痛い素振りを見せ、慌てた表情とニンマリした表情が顔を見合わせている。
「もっ、オッパ!!」
「莫迦力だな」
「そんな事ないです」
「お前に抱きしめられると骨が軋むぞ」
「う・・・・・・無い・・・です」
「何だよ、今の間は!?」
抱いた肩に力を込めて、引き寄せる顔と顔が近づいて、真っ赤に染まる頬にニヤけた白い頬が合わさった。
「なっ、ん・・・」
くっついた頬に頬を滑らせて、正面を捉える顔は、中心をぶつけ、少しだけ上向く顔が、言葉を吸い込みながら触れ合っている。
「っ・・・」
1.2.3.時を止めて、離れるまでの数秒。
「っっ苦いな!?」
「オッパのパボッ!」
「ふ・・・ん、コーヒーの味がする」
「ん、新しい豆を買ったのです・・・でも、味が良く解らなくて・・・」
「ふーん、お前には、苦すぎだろう」
「ええ、オッパも確かめてくださいね」
肩を抱いて、寄り添って、包まれた腕の中で笑う背中が、幸せを表している。
「練習中だったのか!?」
「ええ、オッパの譜面を見てましたよ」
「ふ、A.N.Jellの新曲か」
「ええ、ミナムオッパの真似を・・・」
「ああ、今回、あいつのパートが多いからな」
ダイニングのテーブルの上、サーブ(給仕)されたコーヒーカップが、白い霧のカーテンを昇らせ、笑顔を浮かべる顔に吸い込まれた。
「ん、悪くないぞ」
「そうですか」
「ああ、ほら・・・」
曲げられた指先にちょこちょこ近づいた顔が、同じカップに口をつける。
「美味いだろう」
「ええ、ん、でも、さっきは苦いって」
膨れた顔に片側だけ歪めた頬で、また指先を動かした。
「ふ・・・お前の煎れたものなら何でも甘(うま)かったかな」
「え!?」
ぶつかった額にテーブルを挟んで、背伸びをして持ち上がる踵にバランスを崩した体を必死な手首が、震えながら支えている。
「甘いか!?」
「う・・・ん・・・っ」
「判らないなら、もう一度!?」
「あ・・・」
仄かに染まる頬が、傾ききる前に捉えた姿に振り向いて。
「・・・・・・・・・っ」
「・・・・・・ぁ・・・」
「・・・・・・・・・」
寝ぼけ眼を擦りながら指差す先では、あんぐり開いた口で慌てて背中を向けた姿と小さく舌打をして振り返った姿が、誰しも次の言葉を捜しているそんなとある日の出来事だった。
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Favorite music excerpt 再生リストからchoiceコントロールから音量変更可 不可はページ再読込❦一部字幕ON&設定で日本語約可
loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧
Hope to see someday"You're Beautiful" of After that.
Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑)
交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^)
コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。
『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。
長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^)
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