すずですが・・・( ̄Д ̄;;今はちょっとだけ、”テギョミニョCP(リンのオンマとアッパVrね)”
好きな方へ向けて❦ただ、それだけの意味の無い憩いの時間を・・・・・・どうぞでーす(^^)/
次の更新できる様に頑張ってます(^^;)こちらの一本で和んで蕩けて(!?)
お楽しみくださいませー(*^▽^*)ご訪問ありがとうございますо(ж>▽<)y ☆
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「オッパ!!お茶を召し上がりませんか!?」
地下スタジオで、ヘッドホンを首にかけ、譜面片手に足でリズムを刻んで、音符を追いかけているテギョンにドアを半分だけ開けたミニョが、遠慮がちに声をかけた。
「お茶!?」
振り返ったテギョンは、ミニョの顔を見つめると不思議な顔をして、今、正に持ち上げ様と手を伸ばしていた水のボトルをゆったりステレオの上に戻し、首にかけていたヘッドホンを外して、ミニョのいるドアに近づいている。
「はい!シヌオッパが、お土産をくれたのです!」
ミニョが、右肩で寄り掛かる様に開けていたドアを掴んでゆっくり全開にしたテギョンは、よろっとよろけながらもドアに背中をつけて、エヘっと笑ったミニョを上から覗き込む様に見つめて、ドアと壁にそれぞれ伸ばした手を置き、見上げているミニョの顔に被さる様に頭を傾けると、その唇にキスをして一言発した。
「あまり美味そうな味じゃないな・・・」
ミニョの唇を軽く舐めあげ、そこに残った香りと風味を感じ、自分の唇で舌触りを確かめる様な仕種をしたテギョンは、俯いて、両手で頬を押さえてしまったミニョを見下ろしている。
「どうしたんだ!?」
「どっ、どっ、ど・・・・・・」
突然の出来事に真っ赤に茹で上がったミニョの顔がテギョンを見上げたが、ああと気のない返事を返しただけのテギョンは、ミニョの肩を抱くと、スッと向きを変え、階段を昇り始めた。
「リンは、どうしたんだ!?」
「あっ、えっ、えっと眠ってます・・・」
テギョンに促されるまま、肩を抱かれて階段を昇るミニョの足元は、少しふわふわして浮き足立って見えるが、ゆっくり一段一段、踏みしめながら階段を昇るテギョンのおかげで、事故もなく無事に一階の廊下に辿り着いている。
「あいつ、新しい演奏をしていなかったか!?」
「えっ、いえ・・・特には・・・」
玄関の見える一階の廊下で、ほぅっと溜息を零し、安堵の表情を浮かべているミニョの腰に手を添え直したテギョンは、リビングの方向を見つめて、唇に手を当てた。
「そう・・・か・・・」
「何か、ありましたか!?」
ミニョの手が腰に回るのとほぼ同時にリビングに向かって歩き出したテギョンは、前に突き出した唇を左右に動かし、顎に手を添えている。
「いや、譜面が一枚・・・無いんだよな・・・」
「えっ!?新曲ですか!?」
「いや、そういう訳じゃないんだが・・・」
リビングの開け放たれた扉を一歩中に入り、ソファに横たわるリンを見つめたテギョンは、ミニョを見ると、ソファを指差して、いつからだと聞いた。
「ほんの数分前です・・・一緒におやつを食べてたんですけど、眠いって言って寝ちゃいました」
リンの横たわる体には、少し大きめのソファの座面は、背凭れに向かって緩く凹むようにカーブがあるおかげか、寝返りを打って落ちそうになっているリンの体が巧い具合に背凭れ側に転がって、けれど、上に掛けられていたらしいタオルが、リンの小さな手に掴まれたまま半分床に転がっている。
「ふ、眠っていても離さないのか・・・余程、気に入ったんだな」
ミニョと左右に別れて、リンの眠るソファに近づいたテギョンは、床に転がるタオルを持ち上げると、リンの手を優しく持ち上げて、上からタオルを掛け直して、ダイニングに向かって行った。
「ええ、オッパが準備をしている時から欲しいと言ってましたからね」
「こんな物で良いなら幾らでもくれてやるのにな・・・」
ミニョの居るダイニングのカウンターに腰を降ろし、リビングを振り返って、微笑を零すテギョンは、寝返りを打って、僅かに見え隠れするリンのふわふわ揺れる髪を見ている。
「そんな事おっしゃらないでください!リンには大事な宝物ですよ」
テギョンの前にティーカップを置き、これですと缶から小分けの袋を取り出して見せたミニョは、受け取ったテギョンに背中を向けてお湯を沸かす為、ポットを火にかけた。
「ふーん・・・イルボンのお茶・・・か・・・」
「ええ、先週、日本に行った時のお土産ですって」
「ふん、婚前旅行か!」
テーブルに置かれたカップに受け取った袋から粉を開封したテギョンは、その鮮やかな緑色に感心した様にカップを持ち上げて覗き込み、色は良いなと呟いている。
「そうみたいですね!あちらで撮影しているとおっしゃってましたから」
「あいつも、上手くいってるんだな・・・」
白い湯気の立ち昇り始めたポットを見ていたミニョは、きょろきょろと何かを探すように周りを見回し、カウンターの上を視線を横に滑らせたテギョンが、ミニョの目当ての物を見つけて手を伸ばすと、ほらとそれを差し出した。
「ご結婚も近いのでしょうか」
「さぁな・・・でも、いつ結婚してくれても構わないけどな・・・」
「そうなのですか!?」
受け取った小さなタオルにありがとうございますとはにかみながら笑顔を零したミニョは、そそっかしいなと呟いているテギョンの前で、コンロの火を止めると、受け取ったタオルを持ち手に添えて、ポットを持ち上げている。
「ああ、別にいつ結婚してくれても構わないさ・・・A.N.Jellもアイドルという枠は、もう超えてるからな」
「ふふ、今は、実力派アーティストですもんね」
「・・・まぁ・・・な」
ミニョが、カウンターに置いたポットを手元に引き寄せ、くるっとカウンターを回ってテギョンの横に座る間にミニョの分のカップも手前に引き寄せたテギョンは、熱々の湯を注ぎ込んで、一つをミニョの前に差し戻した。
「何ですか!?」
「いや、お前のおかげかなと思って・・・」
「わたし!?ですか」
差し出したカップをミニョの前に滑らせながら、その顔を見つめたテギョンにミニョが、きょとんとした表情で首を傾げて見せ、微笑んだ顔にテギョンもふっと薄く笑っている。
「ああ、お前が俺に色んな感情(もの)をくれたから・・・だろうな」
ポットを自身の左側に置いて、ミニョの座る右側を見たテギョンは、カップを持ち上げて、それに口をつけ、またまた首を傾げたミニョにクスッと忍ぶ様に笑うと、前のお皿に乗せられた黒い塊を引き寄せて、これも土産かと聞いた。
「ふーん・・・わたしが、オッパにあげられたものって、あれだけかと思ってました」
頷くミニョのその視線と言葉を辿るテギョンは、不思議な顔をしたが、やがて口角をあげると、ミニョの方へ体の向きを変えている。
「あれ、ね・・・あれは、ちょっと特別だよな・・・他には無いものだし・・・唯一無二だからな」
ミニョが、不思議な顔で味わっているお茶にニヤッと笑みを零したテギョンは、さっきよりも美味いだろとミニョに訊ねて、驚いた表情でコクコクと何度も首を縦に振ったミニョに満足げな笑みを零して、立ち上がった。
「わたしにも大切な宝物です!」
「俺の宝は、お前もだけど・・・な・・・」
ミニョを上から見下ろして、その肩に軽く手を乗せ、額にキスをしたテギョンは、リンの眠るソファに近づくと、その背凭れに両腕を乗せて覗きこんでいる。
「お前の好みも癖も長く一緒にいるからな・・・大体解ってるつもりだ」
リンにではなく、ダイニングにいるミニョに語りかけているテギョンは、しっかりタオルを握りこんで眠っているリンの顔を見て、今日は邪魔をするなよと人差し指をあげ、小さく呟いている。
「どうして!?」
ミニョが、両手で握りこんだカップを覗き込んで、お皿に乗せられた黒い塊を口に入れて、味が違いますよと呟き、テギョンを振り返るとテギョンが、量だと笑った。
「量!?」
「ああ、お前、その大きなカップに注ぐには、最初から粉の量を調整すれば良かったんだ」
「えー、だから、さっきと違うのですね」
「ああ、お前の唇を舐めた時、少し粉が残ってたからな!シヌは、淹れ方も教えてくれただろう」
「ええ、その通りにしたつもりだったのですけど・・・」
「ふふ、お前の好みを知るのは、楽しい発見だったけどな・・・こいつの好みを知るのもまた新しい発見だよな」
「好み・・・ですか・・・」
すやすやと寝息をたててよく眠っているリンを覗き込んで、穏やかな笑みを零したテギョンは、ミニョの隣に戻ると、ミニョの口元に残る黒い粒を指先で掬い、リンみたいだなと呟きながら、自分の指先を口に含み、その行為にミニョが、慌てて自分の口の周りを確かめている。
「ああ、まさか、あれをそんなに気に入るとは、思ってなかったからな・・・あんなもの、家の中には、ごろごろ転がってるだろう」
「そう、ですけど・・・あれ、ちょっと特別なんですよね・・・リンのは・・・その、絵が少し違うので・・・」
「作り直したのか!?」
「いいえ、ええと、その・・・」
「同じ物をくれてやったんじゃないのか」
「いえ、ミナムオッパが、リンだけ特別って、持ってきてくれたのです」
リンが握って眠るその大判のタオルには、A.N.Jellのロゴがプリントされていて、テギョンが毎年スタッフの為に作っている内の一枚だったが、その中に、今年はミナムが描いたA.N.Jellのイラストも一緒にプリントされていた。
そして、リンの握る一枚は、他の構図と少しだけ違って、A.N.Jellの傍らにミニョとリンも一緒に描き出されていて、それをリンが欲しがったのは、結局家族3人の絵が入っていたからだとテギョンが知るのは、後、数時間程後の話で、今は、ただ、リンの眠るその傍らで、ふたりきりの穏やかなお茶を楽しんでいるそんな憩いのとある日の一幕だった。