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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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Surprise(サプライズ)!?





「リン!?今日は、もう終わり!?」
椅子からピョンと飛び降りて、周りに散らかった楽譜や教則本をひとつずつ拾い上げては、行ったり来たりをしているリンに時計を眺めて時間を確認したミニョは、ダイニングから声を掛けていた。
「うん!アッパが帰って来ちゃうー」
何故か、少し怒り気味の声で答えるリンは、テキパキ片づけをしていて、その様子は、急いでいるという感じだ。
「もう少しだから、待っていれば良いじゃないですか!?何か聞きたいことがあったのでしょう!?」
テギョンの為のミネラルウォーターを冷蔵庫に入れているミニョは、入れ終えてリビングへ向かった。
ソファの後ろに立つとその向こう側で、すっかり片づけを終えたリンが、ピアノの蓋を閉め、鍵を回していた。
「ダメっ!今日は、アッパの邪魔をするとうるさいから!」
「えっ!?どういうこと!?」
リンの一言にミニョは、目を細めて首を傾げる。
「オンマは、知らなくて良いの!」
不機嫌に答えるリンは、飾り棚の一番下の引き出しを開け、そこにいつも使っているノートと鉛筆、それにピアノの鍵と丁寧に入れて引き出しを閉め、キョロキョロ辺りを見回してピアノの脚に寄りかかっているテジトッキもどきを見つけるとギュッと抱きしめて抱え、ミニョの前にやってきた。
にっこり笑顔で、ミニョのスカートを摘み腕を伸ばしている。
「オンマー、先に寝るー!おやすみなさーい」
屈んだミニョの頬にキスをひとつして、チョコンと頭を下げ、寝室へ向かった。
相変わらず首を傾げているミニョは、リンの後ろ姿を黙って見送った。
「何だったのかしら!?」
リンの不機嫌な様子からテギョンに会いたくないというのは何となく窺えた。
しかし、その理由までは、ミニョに思い当たらない。
「オッパが何かしたのかしら・・・邪魔って!?どういうこと!?」
考えに耽るミニョの耳に玄関の開く音が、微(かす)かに聞こえた。
もう一度時計を見たミニョは、にっこり微笑んで、リビングの扉を開けた。
廊下の向こう側、テギョンが、丁度ジャケットを脱いで、そこに置かれた紙袋を持ち上げている。
ゆっくり廊下を進み始めたミニョは、テギョンに近づき、気づいたテギョンもミニョに笑った。
「おかえりなさい!」
「ああ、ただいま」
ミニョの肩を抱いたテギョンとふたりでリビングに戻り、ピアノを見たテギョンは、リンがいない事を
確認した。
「あいつ・・・寝たのか!?」
「ええ、何かオッパに用事があったみたいですけど、会いたくないみたいなのですよね!?」
それに何も答えないテギョンは、持っていた袋をミニョに差し出した。
「ミナムとヘイからだ!お前に渡してくれって、預かってきた」
「え!?何ですか!?」
袋を受け取るミニョは、中を覗いた。
「お前たち、来週、誕生日だろう!?」
「えっ!?ああ、そういえば・・・」
忘れていたと小さく舌を出したミニョは、テギョンを見上げ、その様子にクスッと笑ったテギョンが、ミニョの頭を撫でた。
「ミナムも忘れていたらしいぞ!社長に言われて気づいたらしい!A.N.Jellで、パーティイベントを企画しているそうだ」
「そうなのですか!?では、また、お忙しくなりますね」
「ふっ、そうでもないさ」
ネクタイに手を掛けるテギョンは、指を引っ掛けて首を左右に振りながら緩め、その仕草をボーッと見つめているミニョに気付いたテギョンが、手を止めて口角をあげた。
「そんなに見たいのか!?」
「えっ!?」
ハッとしたミニョが、テギョンの胸元を見つめ顔を左右に振り、泳がせた目で、違うと激しく振っている。
「遠慮しなくて良いぞ!」
ネクタイを外し、シャツのボタンも外すテギョンは、胸板が見える様に開いた。
「ちっ、違います!オッパの胸が見たいわけじゃありません!」
力いっぱい否定するミニョにテギョンが唇を突きだした。
「オッパのサプライズを思い出していたのですよ」
「なんだ!?残念だな!いつでも魅せてやるのに」
クスクス笑ったテギョンは、ダイニングへ向かった。
「今回は、サプライズは、出来ないな!ミナムも仕事だし」
「そうですか・・・」
少し落胆したミニョは、紙袋を持ってダイニングへ向かった。
「何だ!?期待していたのか!?」
「そうでは、ありません・・・忘れてましたし・・・」
貰った袋をカウンターに置いたミニョは、テギョンの為の夕食を温め直し始め、テギョンは、それを待たずに既に箸をつけている。
「じゃぁ、なんだ!?何か気になることがあるのか!?」
「はぁ、リンの事です・・・」
温めたお皿をテギョンの前に置いたミニョは、頬を包んで考えに耽り、食欲をそそる匂いに次々摘んでいるテギョンは、眉間を寄せて不機嫌な声でミニョに聞いた。
「何かしてたか!?」
「ええ、今日、弾いていたのって・・・」
昼間、連取なのか、作曲なのかリンが弾いていた曲の説明を始めたミニョは、何かを思い出す様にあちこち見ながら首を傾げている。
「あれって、確か、去年のオッパのサプライズ曲だったような・・・」
去年の誕生日、ミニョは、テギョンからある曲をプレゼントに貰っていて、それは、テギョンのミニョへ向けたある意味告白の歌でもあり、勿論歌詞もしっかりついていて、テギョンは、リンが寝静まった深夜に地下に呼んだミニョとふたりっきりのファンミーティングさながらに弾き語って贈っていた。
ミニョにとっては、恥ずかしい様な嬉しい様なそんなサプライズ誕生日だったのだ。
小さく舌打ちをしたテギョンが、ボソリと呟いた。
「チッ!やっぱりか・・・邪魔をしやがったな・・・」
「オッパ!?どういうことですか!?」
舌打ちを聞いていたミニョは、テギョンを間近で覗き込んでいる。
眉根を寄せるテギョンは、俯いたまま食事を続けた。
「何でもない・・・」
「何でも無い事無いのでしょう!?リンも機嫌が悪かったし!何を隠しているのですか!?」
腰に手を当てたミニョは、テギョンの顔を執拗に覗き込んでいる。
その様子に箸を動かし続けるテギョンは、唇を尖らせた。
「別に何も隠していないさ!それより!ミナム達は、何をくれたんだ!?」
話を逸らそうというのが見え見えの苦しい言葉だったが、袋をチラッと見たミニョは、にっこり微笑んで、袋の中からプレゼント包装された箱を取り出した。
「何だと思います!?」
細長い箱にピンクのリボンが巻かれ、カードも付いている。
────『ミニョへ 大事に飲めよ!それから、俺達誕生日だったんだな!ついでで悪いが、プレゼントって事にしてくれ! コ・ミナム ユ・ヘイ』────
「だ・い・じ・に飲めって!?どういうことだ!?」
カードを読んだテギョンが眉を顰めた。
しかし、ハッとした顔でミニョを見ている。
「おい、お前、まさか・・・」
「はい、ワインです」
「なっ、お前、飲めない癖に何を嬉しそうにしているんだ!?」
「貰って来たのオッパじゃないですか!?」
「それは、お前、渡してくれって、くれたから」
テギョンが、中身を取り出そうとするより一瞬早くミニョが、ボトルを取り出して背中を向けた。
抱き締めて笑っている。
「オッパ、覚えててくれたのですね!」
「何のことだよ」
腕を伸ばすテギョンは、ミニョからボトルを取り上げようとカウンターに身を乗り出したが、こちらを向いたミニョが、ラベルを指差してテギョンに見せた。
「ほら、これです!」
テギョンの動きが止まり、ミニョの指差すラベルの数字を覗いた。
「オッパのね、生まれた年のワインです」
「俺!?」
「そうです!ヘイオンニがヨーロッパへお仕事で行かれると言っていたので、お願いしてあったのです!リンのもお願いしてたんですけど・・・今回は、ダメだったみたいですね・・・」
乗り出した体を引いたテギョンは、袋の中にもう一つ箱が残っているのを見つけた。
「こっちも酒か!?」
「ええ、多分そっちは、シャンパンです!オッパと一緒に飲める物をお願いしてましたので・・・」
恥ずかしそうに笑うミニョにテギョンは驚いている。
「俺と!?」
「はい、その、あまり飲めないですけど、たまにはオッパと一緒に飲みたいなぁって思って・・・」
含みのある恥ずかしそうなミニョの物言いにその意味を理解したテギョンは、両方の口角をあげた。
「そうか」
穏やかに静かな低音を優しく響かせたテギョンにトコトコ隣にやってきたミニョは、俯いて、良いのかと袖を引っ張りながら聞いた。
「好いに決まっているだろう!俺もたまには付き合って欲しい時もある!」
ミニョの頭に手を乗せたテギョンは、そのまま抱きしめた。
「リンも寝てるしな!食事が終わったら少し飲ませてもらうとするか」
「解りました!準備しますね!」
許可を貰ったミニョは、いそいそとダイニングから、リビングへ氷とグラスを運び始め、その姿を見つめながら食事を続けるテギョンは、リビングの扉を見つめてリンの事を考えた。
「ったく、あいつめ!内緒だと言ったのに・・・誕生日前にバレたら困るだろう!」
悪態は、食物と一緒に腹に収まっていく。
昨日、家でずっと仕事をしていたテギョンは、ミニョの誕生日に向けて、今年のサプライズ曲を作っていた。
しかし、リンが、スタジオで遊んでいるのをすっかり失念し、うっかりその曲を弾いた。
テギョンと同様に耳の良いリンは、一度聞いた曲を全てとまではいかなくても大概暗記してしまう。
見よう見まねで弾きこなせてしまうのだ。
それに気付いた時には、既に遅くて、今朝、リンがリビングで弾いているのを聞き、早朝からの撮影に向けてミニョを起こさず行こうと思っていたテギョンは、ひとり、ダイニングで水を煽りながら耳を疑った。
思わず噴き出した水が、パジャマを濡らし、リビングを見れば、ピアノに向かうリンは、嬉しそうに笑って、アレンジまでしていた。
その傍らにツカツカ歩み寄ったテギョンは、リンの腕を持ち上げ弾くのを辞めさせていた。
「オンマの前でそれを弾くな!」
「何で!?」
聞き返すリンに上手い言い訳も思いつかず、とにかくダメだとだけ告げて睨んだ。
「とっ、とにかく、俺の邪魔をするな」
ミニョに気付かれては困るテギョンと理由も判らず不機嫌なリンは、頬を膨らませて睨みあい、黙っているテギョンにリンが先に折れた。
「アッパの曲じゃなければいいの!?」
「ああ、その曲以外なら良い」
「わかったー」
そう言って笑った顔を信じて、仕事に出かけたテギョンだったが、しっかりと更なるアレンジをしたものをミニョの前で弾いていた事を知ってしまった。
だから、リンは、テギョンから逃げる様に早く寝たのだ。
「チッ!今からもう一度アレンジ組み直さなくちゃいけないじゃないか!」
ミニョへのサプライズとミニョのサプライズ。
天秤に掛けたテギョンは、今は、ミニョのサプライズに従って、ふたりで甘い酒を飲むことを選んだとある夜の出来事だった。