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Favorite music excerpt 再生リストからchoiceコントロールから音量変更可 不可はページ再読込❦一部字幕ON&設定で日本語約可
loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧
Hope to see someday"You're Beautiful" of After that.
Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑)
交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^)
コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。
『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。
長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^)
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「ああ、ああ、そうだ!いや、悪いな!じゃぁ、宜しく頼む!」
電話を切ったテギョンは、フーとひとつ、長い息を吐くと携帯を脇に置いて腕を組み、天井を眺めていた。
何処を見るでもなく、泳ぐ視線は、回した椅子と額に当てた手によって閉ざされた。
「まさか、こんな事になるとは・・・」
始まりは、リンの他愛無い一言だ。
いつものようにリンを連れて、スタジオに遊びに来ていたミニョは、昔なじみのディレクターから懐かしいねと声を掛けられ、既に仕事を引退しているその人に芸能活動をしていた頃、とても可愛がられていたミニョは、プロデュースにも尽力してくれ、とてもお世話になった人との偶然の再会を喜び、小一時間ほど話し込んで別れた。
その時間、ミニョの膝でずっと話を聞いていたリンは、歌を歌っていた頃のミニョが見たいと言いだした。
映像ならいくらでもあるから、家でそれを見せてやるとテギョンが言ったが、一度言いだしたら聞かないのが、リンの性格で、ミニョによく似た頑固さで、生歌を聞かせろと言いだした。
いつも聞いているだろうというテギョンの意見に自分の演奏じゃないのが良いと言い、困り顔でリンを宥めるミニョは、その泣き真似に負け、テギョンは、ミニョの泣き顔に負けた。
結果、近々行われるテギョン達のコンサートで歌う事になってしまった。
とはいえ、本番のステージに立つのはミニョが了承しなかった。
これもまた頑固なミニョにリンが、負けたのだ。
バックコーラスと生バンドが出演してくれる予定のコンサート前に一曲だけ披露する。
それで満足してくれれば好いとテギョンもミニョも思っていた。
「オッパ・・・本当にやるのですか・・・」
地下のスタジオでピアノに近づくミニョは、テギョンに聞いた。
「ああ、一度聞けば、満足するだろう!?」
「けど・・・」
ピアノの譜面台に楽譜を乗せたテギョンが、腕を組んでミニョを睨んだ。
「けど・・・何だ!?」
「いえ、オッパなら止めて頂けると思っていたので・・・」
不満そうなミニョは、頬を膨らませている。
「ふん・・・お前が泣かなければ、止まってたかもな!でも、一度きりだ!客前じゃなし」
「そうですけど・・・生バンドさんですよね・・・」
ミニョの視線が譜面に落ちる。
「まぁな、今回、コラボ企画だったから都合が良い事にオーケストラ並に揃っているんだ」
楽しそうに笑うテギョンにミニョは、その場にしゃがみこんでしまった。
「はぁー、そんな所で歌えるのですかねー」
「何を言ってる!お前だって昔は、散々歌ってただろう!それにその為の練習だ!」
「だって、プロの方たちばかりですよ・・・」
顔だけあげたミニョはテギョンを見た。
腕を組んだままのテギョンは、チラリと横目で沈むミニョを見て手を差し出した。
「まぁ、お前が気にするのも判らなくはないが、別に迷惑だとは思われてないから安心しろ」
ミニョの不安を払拭するような言葉に立ち上がったミニョは、隣に座った。
「リクエストは、『相変わらず』だったな」
沢山の書き込みがされた譜面をテギョンが手で押さえた。
「はい・・・最近、リンが良く弾いている曲です」
「アレンジ変えてるのを知っているか!?」
「えっ!?知りませんけど・・・そうなのですか!?」
「ああ、この前聞いてたら、この部分、そっくり入れ替わってた」
譜面に円を描くテギョンの手元をミニョも眺め、テギョンの説明に感心している。
「へぇー、凄いですねー、全然気づかなかったです」
「まぁ、お前ならそうだろうな・・・」
ふっと笑うテギョンの横でミニョは、やや不満そうだ。
「久しぶりだから、発声からやるか!?」
鍵盤に指を乗せるテギョンは、意地悪くミニョに聞くが、頷くミニョは、寄りかかっていた体を引いた。
「どちらでも良いです!ダメなら、オッパが教えてください!」
「そうか」
テギョンの指先が『相変わらず』を奏で始め、ミニョは、それに声を乗せていく。
静かなスタジオで、旋律とふたつの声が重なり始めた。
顔を見合わせるふたりは、主旋律のキーが外れるミニョをテギョンが睨んだり、バックコーラスを担当するテギョンのハーモニーにミニョが笑ったりと優しい音楽があっという間に一曲を終わらせた。
「チッ!やっぱり、昔ほど声が出ていないな」
鉛筆片手にテギョンが、譜面に書き込みを始め、ミニョの譜面も奪って、細かな書き込みをした。
「ここと、ここ、それから、ここだ・・・」
テギョンがミニョに直すべき個所を次々指摘していく。
「もう少し息を抑えろ!もう一度いくぞ」
完璧主義は、テギョンの代名詞だ。
ミニョの悪い所を指摘する傍ら自分の演奏も修正している。
何度も繰り返し、やっとテギョンのOKが出た。
「相変わらず、厳しいです」
「当り前だろう!遊びだからと割り切れるか!それこそ、周りはプロばかりなんだぞ!」
「リンに聞かせるだけなのに・・・」
「リハ無しの一発本番だからな!ステージに飛び出てしまえば、それは、それだけど、練習してこその本番だ」
「昔のオッパは、もっと厳しかったですからね」
「お前の感情の入れ方が甘かったからだろう」
「それは・・・」
言葉に詰まるミニョの瞳にテギョンが映った。
考えてみれば、初めてひとりで歌った『言葉もなく』は、マ・室長に愛することですと言われても何だかピンとこなくて、テギョンと過ごす時間と迎えに来てくれたシヌの顔にがっかりした感情を戸惑いながらも自分の中で消化して歌に乗せた。
涙が溢れて止まらない思い出は、その後もテギョンが提供してくれる歌に最初の気持ちを重ねて、別な感情を覚える為にあの頃の気持ちを忘れない様にとミニョの中に残っていた。
初めてで戸惑う感情は、テギョンがミニョに与えた財産だ。
「知らない気持ちを一杯貰いましたね」
「なんだよ!?」
「ふふ、オッパとの練習は、わたしに色々な気持ちをプレゼントしてくれるのです」
にっこり微笑むミニョの顔にテギョンが吸い込まれていた。
「・・・んッ・・・」
ミニョの首に回った腕が、グッと引き込み上向かせた顔に頬にテギョンの手が滑った。
「オッパ・・・」
唇が離れるとミニョが、不意打ちを怒りながらテギョンを見た。
「あ・・・っと悪い」
横を向くテギョンは、自分の行動に戸惑っている。
「どうしたのですか!?」
「あ、ああー、何でもない」
「そうですか!?では、今日は、コレで終わりですね」
譜面を片手にミニョが立ちあがった。
「オッパは!?どうされますか!?」
「あ、ああ、俺は、もう少し残る」
「そうですか!では、おやすみなさい!」
チョコンと頭を下げて出ていくミニョを見送りながらテギョンは、ピアノに頭をくっ付けて溜息を吐いた。
「はー・・・何やっているんだ俺・・・・・・あんな顔、反則だぞ・・・」
ミニョの僅かな物思いに耽っただけの顔に吸い込まれたテギョンは、これから暫く続くであろうふたりきりの練習を思うと冷静でいられる自信も無くなってくるとある日の出来事だった。