「大丈夫!?熱かったりしない!?」
「うーん・・・熱っいけど、もっと熱くなるんでしょう!?」
「ええ、多分こんなものじゃないでしょうね」
「じゃぁ、これで良いよー!アッパに見てもらうー」
着替えを終えたリンは、とっとと走って控室を出て行ってしまい、ミニョとジョンアが顔を見合わせていた。
「凄いですね・・・ジョンアssiが作られたのですか!?」
「ええ、でも簡単に出来ますよ」
リンに被せた鬘の一つを手にしたミニョは、巻き毛に触れて引っ張っている。
「へぇーカラーも色々なのですね」
「ええ、リンssiは緑が良いってご希望だったので、ライトグリーンに染めてみました」
「ふぅん・・・わたしも着けようかなぁ・・・」
ジョンアに髪を梳かされながらミニョが鏡を見た。
「今回は、ダメですね!テギョンssiからくれぐれもって言われましたから」
「くれぐれも!?なんですか!?」
「コ・ミニョssiの希望は、聞いてくれるなって!」
「えっ!?なんですか!?それー」
「ふふ、昔、ミナムssiとコンサートで、めちゃくちゃな事をしたとか」
「え、ああ、オッパと同じ衣装で出た事は、あります」
「トラウマみたいですよ!テギョンssiには」
「もしかして、リンがいるからですかねー」
「ええ、女の格好と男の格好と俺に似てるけどなぁってぼやいてました」
「ふふ、オッパに似ている筈なのにスカート履いてるリンも可愛いですからね」
「あの鬘じゃ余計に女の子にしか見えないですね」
「ふふ、オッパの驚く顔見たかったなぁ」
頭頂部で髪を纏められたミニョは、一つに括っているジョンアの手元を見つめている。
「サイドヘアでとりあえずまとめておきます」
「はい!衣装を見たいと言われてるだけなので、ありがとうございます」
立ち上がったミニョの衣装を見たジョンアは、腰のリボンを直した。
「うーん、やっぱり良いですね!これ見た時に絶対似合うと思ったんです!」
「ふふ、わたしも可愛くて嬉しいです!頑張れます!」
「じゃぁ、テギョンssiに怒られに行きますか」
「短いですか!?」
ペロンとスカートをめくるミニョにジョンアはクスクス笑っている。
「指摘されると思いますよ」
「良いです!久しぶりですから、オッパの言う事ばかり聞いていられません!」
逞しい返事をするミニョは、ジョンアと控室を後にしたのだった。
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「ほら、ユンギ!早くー!」
「ったく、お前、着替えくらい一人でしろよな!ユソンを見習え!」
「ベーだ!タイだけは、結べないんだから仕方ないだろう!」
「ふ・・・それにしても・・・A.N.Jellだからか!?」
背中に背負い込んだ羽を引っ張られ、立ち止まったジュンシンが、ユンギを睨んでいる。
「あー、あー、悪かった!もうしないから」
「これ、ジョンアのねーちゃんが作ったんだぞ!壊したら自分で直せって言われた」
「馬鹿だな、からかわれてるんだよ!ジョンアssiは、そんな事させないって」
「そんなことないですよ」
カラカラ笑っていたユンギは、後ろから聞こえた声に振り返った。
「あ、ジョンアssi!おはようございます」
「おはようございます」
「って、ミニョssiも!?衣装ですか!?」
「ええ、オッパが、そうしろって」
「いつもですか!?」
「まさか!こんなの初めてです!リハーサルでここまでした事無いですよ」
クスっと笑ったミニョは、きょとんとして考え込んだユンギを見つめている。
「・・・俺、やっぱり、かえ・・・」
「ふざけるな!イ・ユンギ!お前、ここまで来て帰せる訳ないだろう!往生際が悪い!さっさと来い」
リンを抱いたテギョンが、会場の入り口で待ち構えていたのだった。
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