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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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カラー・オブ・フェアウェル (37)


ちょっと時間遡ります。ホテルから帰って来たユンギ
 
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★

「ピエロか・・・」
月明かりに照らされた門の前で、横のポーチを見ていたユンギは、木戸の不鮮明な線を指で辿り、そちらを開けて庭に入った。
「ったく、ピエロも返上ですね」
独り言を呟きながら玄関を開けている。
「ただい・・・あっれ、お前、まだ、いたの!?」
ミンジに頭を下げていたヒジュンは、ユンギに軽い会釈をした。
「では、奥様、失礼します」
「ええ、また、明日、お願いしますよ」
入れ替わりに玄関を出て行ったヒジュンを見つめ、振り返ったユンギは、ミンジに封筒を差し出している。
「戴いて来ました」
「そうですか・・・残りも差し上げましょう」
中を確認して背を向けたミンジは、リビングに向かい、蹴上がりで溜息を吐いたユンギは、結びの外れているタイに手を掛けた。
「オモニ、今更、何を償うんですか!?」
リビングの扉を開けたユンギは、グランドピアノの向こう側にいるミンジが、笑いながら屋根を叩くのを見つめ、首を傾げている。
「音楽を辞めたきかっけが、オモニだと聞きましたよ」
「ええ・・・家の事が無ければ、作曲家として成功したでしょうね・・・開けて頂戴」
キッチンに向かったミンジは、食器の音をさせて、薬缶を火にかけ始めた。
「弾く人間もいないからと放っておいたけど、ジュノにもリン君にも気づかれてしまいましたからねぇ・・・調律をし直さないとダメね・・・」
「調律ですか!?してましたよね・・・」
ジャケットを脱いで椅子に掛けたユンギは、ピアノの屋根を開け、突き上げ棒で固定している。
「ジュノが滞在すると聞かされて慌ててしたんだけど・・・すぐに気づかれたわ」
「リンもですか!?」
「ジュノが連れて来たのよ・・・おかしいとは思っていたみたいだけど、確信は、持てなかったのね・・・バンドを始めて暫くして連れて来て、音が違うって言われたわ」
中を覗きこんだユンギは、屋根を見上げ、響板に写りこんだ影に目を細めた。
「音程がおかしいって事ですか・・・こんな処に保管をしていたらおかしくもなりますよ」
弦の下から封筒をふたつ取り出したユンギは、右手を見つめている。
「俺、宛・・・ですか・・・」
表書きに首を傾げ、一つを脇に抱えて、封を開けた。
「お前が、会社を継がなければ渡す筈だったものですけど、継いだので、必要がなくなったのです」
封筒の中身に目を通しているユンギは、お茶道具を持って前を通り過ぎたミンジに引き攣った声を掛けている。
「オ・・・モニ・・・!?」
「驚きましたか!?そうでしょうね・・・わたしも驚きましたよ」
奥のテーブルに背中を向けて座ったミンジは、ポットにお湯を注ぎ始めた。
「なっ・・・んですっ!これっ!」
「ソンジンの遺言書よ・・・それと寸分違(たが)わない事をしたのは、お前でしょう」
「そ・・・化け物ですか・・・アボジは・・・」
「化け物の息子は、何者なのよ」
ふたつのカップに湯を入れ、一つを前に差し出したミンジは、手前のカップを口に運んでいる。
「こ、れ、いつ・・・」
「病院で書いていたらしいわ・・・あの人、お前が戻っても戻らなくてもそれに沿って、実行をしろとミヨルに言っていたらしいけど、必要が無かったわ」
ソファに向かおうとしたユンギは、数枚の紙の隙間から落ちたものに目を留め、拾い上げた。
「俺が真っ先にやった事です」
「そうよ・・・見せる間もなくお前は、その通りの実行をした・・・義理も人情も無いと随分責められたけど、ソンジンが、正しかったわね」
お茶を啜っているミンジの後ろを通ったユンギは、向かいに腰を下ろし、一枚の写真をテーブルに差し出している。
「これが、オモニの仰る償いですね」
俯けた顔のミンジは、カップを置いて手を伸ばした。
「そうよ、ミヨルが、面倒を見ていた・・・お前に居場所を教えられたのに教えなかったわ」
「俺も敢えて聞かなかったですから」
幼い子供を抱えた女性の姿が写し出され古ぼけている数枚の写真をユンギは、丁寧にテーブルに置いている。
「何故聞かなかったのかしら、それに調べようと思えば幾らでも出来たでしょう」
「ヌナの最後の言葉が俺を止めていたんです」
写真に見入り、微笑んだミンジの前で、ユンギも笑みを浮かべ、カップを手にした。
「夢は、お前のものじゃないって言葉ね」
「ご存じだったんですか・・・」
「ミナssiが訊ねて来たわ」
テーブルの上の幼い子供を指で辿るミンジは、戸惑い指を咥えた顔に腕を伸ばした顔を撫でている。
「聞きました・・・アメリカに行く前だそうですね」
「もう一度戻ると彼女は言ったのよ・・・出発をする前にここに挨拶に来て・・・小さな女の子の手を引いて、小さな手をもう少し長く握っていたいから、お前を返すと言って、お前の夢じゃないと伝えて来たと言っていたわ」
「ヌナの最後の言葉でした・・・俺の夢は、デビューをする事じゃないだろうと・・・見抜かれていた事を恥じました・・・恋をしていたのは、本当でしたが、彼女に顔向け出来ない事もしていましたから・・・」
「だから、追いかけなかったの」
「そうです・・・好きだという気持ちより俺は、俺の立場を選びました」
「お前の立場・・・ね・・・それが、今回、渡そうと思った理由よ」
写真を引いた手で、脇に置かれた封筒に触れたミンジは、ユンギの脇に置かれた封筒を指差した。
「これをギョンセssiから受け取らなかったのは、ソンジンも彼女も、お前が、真剣に音楽をやっている訳じゃないとどちらもが、そう言っていたからよ・・・戻って来たお前を見ていて、会社を継ぐなり、その遺言通りの行動をしたから、私は、ソンジンの言葉を信じた・・・」
封筒から譜面の束を取り出したミンジは、端を確認しながら、テーブルに拡げている。
「ミナssiが来て、お前は、変わったわね・・・深夜に帰って来ることも少なくなったし、バーで歌うのは止めたの!?」
手を止めてユンギを見たミンジは、封筒に手をいれている。
「止めてませんよ、自重しているんです・・・尤もまた行きづらくなりますね・・・」
二杯目のお茶を自ら注いだユンギは、テーブルの下から瓶を取り出した。
「オモニも呑まれますか!?」
「そうね、後ろのクリスタルグラスに入れてくれると嬉しいわね」
下をむいたままユンギに頷いたミンジは、並べ終えた譜面を数枚ずつ整えている。
「ああ、どうせなら、そこに入ってるお酒も出して頂戴」
「え!?」
ソファに膝を沈めて半立ちになっているユンギは、グラスを握って振り返った。
「お前と会いたい人達から戴くんだけど、飲む機会もないから開けましょう」
「え・・・オ、モニ・・・酒盛りでもするんですか!?」
「ん!?ああ、そうね・・・お前と飲む機会も無いし、それも良いわね」
「え、俺、そんなつもりは・・・寝酒・・・」
「もう少し付き合いなさい・・・それの意味も教えてあげるから」
いそいそと立ち上がったミンジに首を傾げたユンギは、口をあんぐり開けている。
「ああ、ヒジュンを帰すんじゃなかったわー」
キッチンから冷蔵庫や棚を開けている音を聞きながら、溜息を吐いたユンギは、クスリと笑って、数本の瓶を飾り棚から取り出し、テーブルに並べられた譜面を捲っていたのだった。



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