この人イルミあったっけ?
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あんにょん(^-^)
作中、登場人物は、テギョンssiのドッペルゲンガーとご理解ください。
姿も形も声も全く同じ、性格は、ワンランク上の俺様ね( *´艸`)
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嵐は、突然やって来た。
足下で巻き起こった砂塵は、果てのない思い出を連れて、風は、生温く駆け昇っていった。
★★★★★☆☆☆★★★★★
「ふ・・・ん・・・姦(かしま)しい国だ・・・」
テーブルに置かれたカップの音に視線だけをあげた老人は、ズズッと音を立ててお茶を啜り、返って来た視線に口元を緩めた。
「ほっほっ、どこも変わりない様に覚えますがのぉ」
「チッ、お前に感想は求めてないっ」
「ほっ、ほっ、若のお相手をして下さる方がおいでなら、爺(じい)ももう少し楽ですなぁ」
布で隠れた腕を伸ばし、ハタと気付いた素振りで捲り上げた老人は、フォークを手にしている。
「ふ、ん、お前を看取るのは俺だ」
老人が突き刺したケーキを手首ごと攫った男は、口に放り込んで立ち上がった。
「さ、て、と、出て来た、行くぞ」
通りの向こうを見つめて、腰まである長い髪を揺らした男は、颯爽とカフェを出て行き、深い皺が刻まれた顔で、お茶を啜っていた老人が手をあげると揃いのスーツを着込んだ厳つい男達が数人、後を追いかけて行ったのだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★
「ねー、オンマー、クリスマスだよー」
リビングのもみの木の下で、プレゼントの箱を開けているリンは、ダイニングで忙しく動き回るミニョをちらちら振り返っていた。
「そうですよー」
「ケーキはー!?」
「無いです」
トンとボールをシンクに置いたミニョは、冷蔵庫を開けている。
「なんでー」
「お腹が痛いって言ったの誰ですかー!?」
「・・・僕じゃないもん」
「僕じゃなくても食べすぎたんでしょう!?」
「だってー、アッパが好きなだけ食べろって言ったんだもんっ」
プレゼントの中から出て来た白いケーキの形の帽子に笑顔を零したリンは、ダイニングに駆け寄り、椅子を引いた。
「だからって、こーんな大きなケーキ!食べたのでしょう!?三人で・・・」
ケーキ頭のリンを覗きこんだミニョは、両手を拡げている。
「オンマにもお土産持って来たもん・・・」
「美味しかったですよー、でも、ケーキは、お預けです」
テーブルに手を掛け、目だけを出したリンは、隠れた口元を尖らせた。
「クリスマスなのにー!?」
「クリスマスじゃなくてもケーキばっかり食べてたでしょう!甘いものばっかり!」
「オンマのケーキが食べたいのー」
「強請ってもダメですよー!あげないです」
「オンマのイジワルッ!」
お鍋にお湯を沸かし始めたミニョは、椅子に乗るリンを見つめている。
「夜には作ってあげます、今日はアッパも帰って来ますから」
「アッパのケーキでしょう・・・甘くないもん・・・」
ちょこんと座ったリンの前に空のグラスが置かれ、ミニョは冷蔵庫を開けた。
「酸っぱいケーキでも作ってあげましょうか!?」
「ラーイームー!?」
果物を幾つか取り出したミニョは、オレンジを冷蔵庫から出して見せている。
「柑橘類のケーキ!?」
「それなら、食べるー!」
ジュースと剥かれたオレンジを前に両手をあげたリンだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★
「デートか!?」
花束を持って銀褐色のスーツを着込んだシヌの背中に声を掛けたテギョンは、振り返った顔に笑顔で手を振っていた。
「まぁな・・・これから待ち合わせだ」
「そうか、楽しいクリスマスをな」
軽く声をかけて、立ち去ろうとしたテギョンは、シヌに呼び止められている。
「ああ、そうだ、これ、持って行ってくれ」
「何だ!?」
シヌが投げ渡した物を眼前で受け止めたテギョンは、小さな箱を見つめた。
「リンが捜してた・・・お前が使ってたピックだ!?」
「何年前のだよ・・・まだ、あったのか!?」
プラスチックの透明ケースに収められたギターピックを見たテギョンは、目を細めている。
「最後の一枚だけどな!ユンギが持ってった!もう、製造はされていないらしい」
「悪いな!どうせ、昔の映像で使ってたとかだろう」
「ああ、お前には、何でもない物でもリンにはそうじゃないんだろうな」
階段を降りていくシヌは、花束を肩に担ぎ、欄干に寄りかかったテギョンは、ポケットにしまった。
「ふ、天使の贈り物・・・」
「何か言ったかー!?」
「何でもない!またな!メリークリスマス!ヌナにも宜しく」
花束を掲げて事務所を出て行ったシヌを嬉しそうに見送っていたテギョンだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★
「ジェールミー、本当にそれ、着ていくのかー!?」
「そうだよー、可愛いいだろう」
椅子に逆向きに座っているミナムは、カーテンの向こうに声をかけていた。
「可愛いけどさぁ、すんごっく目立つぞー」
「良いんだよー、すぐに見つけて貰えるだろう」
「バカップルまんまだと思うけど・・・」
シャっと音を立てて、出て来たジェルミは、茶色のコートに茶色のスラックス、頭には角の付いたカチューシャを乗せている。
「ミナムだって、ヘイssiと番組でやってたじゃん!同じだろう!?」
鏡の前に立ったジェルミは、カチューシャの位置を調整した。
「俺は、ウォンとスヨンが喜ぶからなぁ」
「俺だって彼女が喜ぶからだよー、ハロウィンに何も出来なかったから良いのっ」
真っ赤なタイを結び始めたジェルミに溜息を吐いたミナムは、伸びをして立ち上がっている。
「まっ、いいや、俺も帰ろー、晩飯買って帰んなきゃ・・・」
「ヘイssiはー!?」
「仕事でスキーだ!双子も一緒!淋しい俺を慰めてくれるトナカイもデートだしな」
にんまり笑って振り返ったミナムに伐が悪そうな顔をして手を振ったジェルミだった。
「メッ、メリー、クリスマ、ス・・・」
★★★★★☆☆☆★★★★★
「動くな」
「と言われてハイそうですかと言える魂じゃないね、俺って・・・」
ヘルメットを持って、左右を見回したミナムは、ゆっくり両手をあげた。
「そうか・・・でも、手はあげてくれるんだな」
「ああ、一応、鉄則だろう!?」
「無防備だと伝える為か!?」
あげた指先をゆっくり曲げたミナムは、前に立っているふたりが明後日の方を向くと同時にしゃがみ込んでいる。
「そうだっ・・・油断さっせ・・・ヒッョ・・・」
下がりきる前に顎に掌底を食らったミナムは、軽く咳込み、男の胸に倒れた。
「止めておけ、小僧」
「ほ、本物かっよ・・・だ、れだ!?」
下から現れた老人の出で立ちに目を瞠ったミナムは、支えている男を振り返っている。
「ほっ、ほっ、似ておるのは外見だけじゃ、どうされるんじゃ若」
「こいつがいないと話も出来ないからな・・・協力して貰う」
ミナムの背中を押した男は、サングラスを外した。
「あ・・・んた・・・」
「俺を知っているか!?」
「その顔は、嫌って程、見知ってるだろう・・・」
あんぐり口を開けたミナムは、逃げ腰で後退りながら男を指差している。
「悪いが、天然だぞ」
「それも知ってる・・・で、も、あんた確か・・・」
「クリスマスだからな、降誕もある」
トンとバイクに背中をぶつけたミナムは、半分に折った体で盛大な溜息を吐いて笑いだした。
「面白そうだっ!暇だし、付き合ってやるっ」
ニンマリ笑ったふたつの顔が、がっちり握手を交わしたのだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★
「おかえりなさい」
「ああ、リンは!?」
開いた玄関から入って来たテギョンに声を掛けたミニョは、不思議な顔をして扉を閉めた。
「拗ねてます」
「何かあったのか」
「オッパとケーキを一杯食べたって言っていたので、ケーキを止めてミートローフをケーキ型で作ったのですが・・・」
スタスタとリビングに入ったテギョンは、辺りを見回してダイニングへ向かっている。
「ケーキに見えるじゃないか」
半円のミートローフを見下ろしたテギョンは、皿に乗っているナイフを手にした。
「甘い物を食べたいんですよ、ご飯を食べないでお菓子ばかり、ケーキもお預けです」
もみの木の下のお菓子の入った箱を持ってダイニングに戻って来たミニョは、テーブルに乗せて、冷蔵庫を開けている。
「ちっがうもーん!オンマが酸っぱいけどケーキを作るって言ったもーん」
廊下から駆けて来たリンは、ドンと勢いよく扉を開け、ナイフを入れてミートローフを摘まんだテギョンは、一口齧って固まった。
「酸っぱいケーキィー!?」
「柑橘類のケーキです・・・明日、作ってあげますよ」
テギョンの前に水を置いたミニョは、リビングのリンを笑って見ている。
「ジェルミがくれたのはりんごばっかりだったんだもん」
「お買い物に行きましょうね」
ミニョの顔に不満たっぷり顔で頷いたリンは、指を曲げたテギョンの背中を見て首を傾げた。
「コ・ミニョ、メリークリスマス」
ダイニングテーブルの前に立ったままのテギョンは、ミニョの前で細長い箱を振り、キッチンから回り込んで来たミニョは、嬉しそうに受け取っている。
「わっ、ありがとうございます」
「幾つめだ!?」
解いたリボンの箱の中からネックレスを出したミニョは、手のひらにのせた。
「さぁ・・・毎年、嬉しいですっ」
星型のストーンが三つ並んだネックレスを掌から持ち上げたテギョンは、ミニョの体をくるんと回して、首に掛けている。
「俺には!?」
「何が欲しいですか!?」
「お前・・・」
「そう言うと思って、何も用意していないですよ」
ネックレスに触れた手を取って振り返ったミニョは、左頬を指差したテギョンに微笑み、首に両腕を回した。
「ねー、アジョッシ、だぁー!?」
首を傾げたままソファに立ち上がったリンは、バタンと開いた玄関に驚いている。
「なっ、コ・ミナっ、離っせっ」
ミナムを腰に巻きつけたテギョンは、ずるずる重そうな足取りで引きずりながら、リビングに入って来た。
「久しいな、ファン・テギョン」
ぱちくり瞳を瞬いたリンは、リビングのテギョンとダイニングのテギョンを見比べている。
「な、おっ、おまっ」
低い声に横を向いたテギョンは、目を瞠り、震えた手をあげた。
「ふ、コ・ミニョ、キスをくれないのか!?」
「え、あ、はいっ・・・」
「パッボーッ!!!止めーっ!!!!」
頬を叩いたテギョンに顔を傾けたミニョは、掠るキスをしている。
「ふ、最高のクリスマスプレゼントだ」
「え、あ、れ・・・!?」
キスした途端、テギョンにそっと腕を外され背中を向けられたミニョは、何度も瞬きをして目を擦り、首を傾げた。
「オンマー!?」
「お前がファン・リンか!?」
「だぁれー!?」
「幾つになる!?」
腕を伸ばした男に首を傾げながらも抱きあげられたリンは、顔を包んで指を曲げている。
「そうか・・・お前も俺に似て良い男になりそうだ・・・何か欲しいものはあるか!?」
「欲しいもの!?」
「そうだ、何でもやるぞ」
「アッパとオンマがいるから何もいらないよー」
「ふ、はははははは、欲の無い事だ」
「ね、アジョッシ誰なのー!?」
顔をペタペタ触っていたリンは、背中に揺れる長髪を引っ張り始めた。
「地毛だ、引っ張るな、俺は、お前のアッパだ」
「アッパ!?」
引っ張る手を握りこまれたリンは、不思議な顔で何度も握り返している。
「ふざけるなっ!リンから離れろっ!」
「助けてやった者に随分な物言いだ、ファン・テギョン」
ミナムと格闘をしているテギョンは、ピアノの足を掴むと同時に馬乗りで押し倒された。
「っざけるなっ、二度と会わなっ・・・いと」
「そうだったか!?死人(しびと)は気まぐれなんだ・・・どこにでも行けるのでな」
床から睨みあげたテギョンが腕を伸ばすと向きを変えたテギョンは、廊下を見ている。
「ほっ、ほっー、若にそっくりじゃのぉー、三番目に似ておるかのぉー」
男を一人従えて現れた老人は、リンに手を伸ばし、頭を撫でた。
「そうか!?では、これも貰って行くか!?」
「ほっ、ほっ、プレゼントは、キス一つでは無かったのかぇ」
「ふ、そうだったな、貰うものは貰ったし帰るか」
リンを抱えたまま玄関に向かったテギョンにきょとーんとしていたミニョは、ピアノに駆け寄っている。
「お前、ケーキが欲しいんだろう!?」
腕の中で頷いたリンを床に下ろしたテギョンは、玄関を開けている男に向かって指を鳴らした。
「では、お前のプレゼントだ!両親を大事にしろよ」
リンの頭に手を置いて玄関を出たテギョンと入れ替わりにふたりの男が、ケーキの箱を床に置き、閉まる玄関の隙間からじっと外を眺めていたリンは、髪を括っている紐を
外した男の背中が吹雪の中に消えて行くのを見つめていたのだった。
「二度と来るなーーーっ!!!!一生砂に埋もれろっ!!!」
★★★★★☆☆☆★★★★★
過ぎた嵐は、俺の周りにミナムとミニョとリンとケーキをふたつ残していった。
ミナムはともかく、ミニョとリンに説明をしてやる事など口が裂けても出来ない俺は、それから数日、訳知り顔で笑うリンの顔に悩まされ、呆けてるミニョに胸を撫で下ろし、サンタクロースがくれた夢だと笑ったミニョにお前が起こした事故だと言ってやりたい気持ちを押し殺していたのだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
★美男メンバーとある年のクリスマスパラドックス★垣間見えたかなぁ(笑)♪
死ななかったドッペル君は他にも子供作ってたりして(笑)またいつかね(´艸`*)
リクエストありがとうございました。再登場する予定ありかな( *´艸`)いつになるやら(笑)
この人の登場はこちらMoonlight in the desert
さて、2014年のカレンダーも残り少なくなってきましたね(^-^)
午年も終わり、次は未だね
Merry Christmas
&
Happy New Year
相も変わらず長いながーい記事を最後まで読んで頂いてありがとう(^-^)
素敵な新年を迎えられる方が、一人でも多くあります様に(^_-)-☆2014.12.25
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Table of contents
Favorite music excerpt 再生リストからchoiceコントロールから音量変更可 不可はページ再読込❦一部字幕ON&設定で日本語約可
loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧
Hope to see someday"You're Beautiful" of After that.
Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑)
交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^)
コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。
『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。
長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^)
ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。
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