早いものでもう8月だ-(^^♪
Hello(^^)/Happy birthday JangKeunSuk.
princeお誕生月間が始まりましたね(^^♪
旧暦8月4日、今年は8月28日ですね。
新暦8月4日から新暦9月26日まで、約2か月。
To celebrate with eel.
さて、テギョミニョズッコケ話(笑)で行きたいところだけど、誕生日・・・
忘れていたが、リンの誕生日を8月4日にしてました(^▽^;)
いっちばんリクエストが多い(←ありがたい(*^▽^*)ありがとう!ホンマありがとう)
『未来な未来なお話』『秘密の時間』書きかけの『カラー・オブ・フェアウェル』、
『美男』の世界色んなものをmixして絡めてお届けします(^^♪
どこか切ないリンの語りファンが多いのは、とっても嬉しいです!
今日もどこへ向かうのか、ちょっぴり大人なリンをどうぞ!
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それは、とある夏休みの出来事で、その夏の僕の日課は近所の家に行く事だった。
その前の夏に僕の夢を一緒に叶えてくれたチング(友達)の一人はアメリカで、新学期の課題に取り組んでいるとメールがきて、もう一人は、ミージシャンのハラボジが、数十年ぶりのライブツアーを演るというので演奏旅行について行き、アッパは、相変わらず忙しく、大きなお仕事は無かったけどオンマの仕事が増えたから、マネージャーもいるのに着いて行ったりして、帰って来るとオンマを睨んでいたり、オンマに睨まれたり、でもいつの間にかくっ付いてる相変わらずな日常で、僕は、一人の夏休みをギターを習って過ごしていた。
・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
「ハルモニー!あーんにょーん」
鉄の門扉のその隣、木で作られた小さなドアは、一人で開けるのも大変だったけど、いつの間にか、すっと開ける様になっていた。
成長したからよって嬉しそうに笑ってくれたオンマ手作りのお弁当を入れた袋が、僕の急ぎ足にちょっとだけ引っかかって、ギターケースを置いてドアを押した。
「うーん・・・いっつも気になるんだよねー・・・何だろう!?」
ドアの上の方に何かの絵が描かれ、その形を僕はどこかで見憶えていたけれど、木に描かれた絵は、すっかり剥げて、見上げる先は遠く、黒い線が見えるだけだった。
「まぁ、良っかー、ハルモニー!ヒョンはいるー!?」
ギターケースを担ぎ直し、温室をぐるっと回った中庭に向かって声をかけた。
「あんにょん!今日も元気ね」
中庭の丁度真ん中には大きな畑があって、ハルモニは大抵そこで作業をしてた。
その日も夏の太陽の下で、帽子を被って野菜の世話をして、周りを走り回っている小さな動物に間引きした野菜の葉っぱを与えてた。
「うん!今日は何をするのー!?」
「今日はね、オイ(きゅうり)が沢山採れたから、暑いし、オイ料理でもしましょう」
「ヤッター!ゴマも一杯かけてねー」
「ええ、勿論・・・リン君はお家で沢山食べれないのね」
「うん!アッパと別々に作ってくれるけど、今はお仕事もあるからアッパ専用のお料理なの」
「そうなのね、たくさん作るから今日も持って帰りなさい」
「はーい」
袋を見ながら、アッパのアレルギーになりそうな物が一切入ってないお弁当の事を考えた。
「ユンギヒョンは!?」
「ちょと前にお仕事で出かけたわ・・・そこのツェンマル(縁側)に宿題があるそうよ」
ハルモニが指差す先に白い紙の束が置かれ、風に飛ばされないように重しが乗っていた。
「判ったー・・・何時頃帰るのー!?」
「すぐよ!シヌ君に呼び出されたみたいだわ」
「そうなのー!?」
ハルモニの前を通り抜けて、縁側に辿り着くと、重しが人形である事に気が付いた。
「わー、ピエロだぁ」
「ふふ、ユンギが好きなのよ」
「へぇー」
顔に涙マークがついた道化師の人形は、首を半分曲げて椅子に座り、上を見上げて笑っていた。
「クラウンの人形を置きたかったみたいだけど・・・見つからなかったのね」
「クラウン!?」
「ええ、そう・・・道化師でもピエロとクラウンは違うのよ」
そう言いながら、縁側を昇ったハルモニは、採れたての野菜の入った籠を持ってキッチンに消え、僕は、そのピエロの表情を暫く見つめていた。
「ピエロってどこか悲しいね・・・でも、ハンバーガーのキャラクターも道化師だよね」
そんな独り言を呟いて、ふと、ユンギヒョンが置いていった宿題に目がいった。
「新しい楽譜だぁ」
紙の束は、ギターのコード譜とピアノ用の譜面が重なっていて、小さなメモが付いていた。
「ピエロの様に弾け!?」
明らかにユンギヒョンの文字だけど、全く意味が解らなくて、僕の首も人形のピエロと同じに傾いてしまった。
「ピエロの様に弾けって何ー!?」
自然ツェンマルに寝そべった僕は、楽譜を持ち上げて音階を頭に叩きこみながら、その意味を考え、でも、考えても考えても解らない事に脚をバタつかせたら、ジュースを持ってきたハルモニに笑われたんだ。
「何かあったの!?」
ツェンマルのテーブルにグラスを置いたハルモニは、籐製の椅子に座った。
「ユンギヒョンの宿題、難しいよー」
「夏休みの宿題は難しい物ですよ」
「ええー・・・でもこんなの全く解らないもーん」
出してくれたジュースを飲んで、ユンギヒョンのメモを渡すとそれを見たハルモニは、可笑しそうに笑った。
「ハルモニ判るの!?」
「ふふ、ピエロの様にね」
「ピエロって皆を楽しませる人でしょう!?」
「ええ、おかしなことをして人を楽しませる人よ」
「ピエロの様に弾けって・・・面白く弾けって事!?」
「さぁ・・・そんな簡単な宿題を出すかしらね・・・ユンギもひねくれてるからね」
答えが解った風に可笑しそうに笑っているハルモニに訳の解らない僕は、段々口が前に突き出ていた。
「ふふ、クラウンとピエロは違うのよ」
不満顔の僕に笑い続けるハルモニは、先刻(さっき)と同じことを言った。
「そういえば、ユンギヒョン、クラウンを置きたかったって・・・」
「ええ、クラウンの人形を捜していたのよ・・・ピエロはすぐに見つかったみたいだけど」
「何が違うの!?」
人形を手にして聞いた。
「クラウンには、涙マークは、無いのよ」
「涙マーク!?」
「悲しみの象徴ね、ピエロはクラウンよりも、もっとおかしなことをして人を笑わせるのよ」
ピエロの人形を見つめながら、譜面の音を頭で流し、ピアノの旋律にギターを重ねていた。
「クラウンとピエロ!?」
涙マークを指で隠し、笑っている道化師の人形を見つめていると何かが頭で響いた。
「うーん・・・解んないけど・・・とりあえず練習してみる―」
響いた何かが何とはっきりは、解らなかった。
解らないけどギターを手にした僕は、弦を弾いてコードを抑え、連連と連ねる音にピアノの旋律を重ねて、頭に心地よく響く音を楽しんでいた。
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「ピエロに近くなったかな」
そう言われて顔をあげるといつの間に帰って来たのか、ユンギヒョンが後ろに立っていた。
ツェンマルの椅子に座っていたハルモニがいなくなっていて、キッチンから包丁の音が聞こえ、椅子に座ったユンギヒョンは、テーブルに置かれていた人形を手にしていた。
「メモの意味は判った!?」
人形を僕に見せながら、貼り付けられているメモを剥がした。
「わっかんなーい!アッパも時々わかんないこと言うけど、ユンギヒョンも解んないっ!」
「テギョンと一緒にしないでくれ・・・あいつは・・・変態なんだ」
「ヒョンだって変だってアッパが言ってるもーん」
ギターを持ったユンギヒョンは、譜面のコードを抑え始めた。
スラスラと抑えられていくコードに僕の指は自然ピアノの鍵盤を抑え、閉じた目の奥で、頭に浮かんだ映像に目を開けた。
「あっれー・・・今の・・・」
「何か見えた!?」
ククッと笑っているユンギヒョンは、相変わらずギターを弾いて、でも、それは、いつかの夏に一緒に弾いたメロディに変わっていた。
「コンサートの時だぁ」
コンサートの映像が、再び閉じた瞼の下で広がっていた。
歓声と光と熱と体一杯動かして一生懸命頑張った爽快感と皆の笑顔が浮かんでた。
「『さよならの色』はピエロの歌だよって言った!?」
「言ったよ」
「どうして!?」
ギターを弾くのを辞めたユンギヒョンは、テーブルに肘をついて人形を見つめてた。
「ピエロは、クラウンよりも馬鹿な事をして、クラウンよりも客を湧かせ・・・客を楽しませる分だけ悲しみも深いから涙マークがつくんだ・・・・・・笑われたくなくても笑われてしまう・・・笑ってしまう・・・それがピエロ・・・」
「何でピエロの歌なの!?」
「ユンギがピエロだからでしょう」
大きなお盆を抱えたハルモニが、テーブルにそれを置いてお昼にしましょうと言った。
「オモニ」
「ハルモニー、何でー!?」
「ユンギがピエロの様に笑っていれば、笑われていれば、総てが丸く収まると思っていたのよ」
ふふ、と笑ったハルモニの笑顔は、その夏のどの笑顔よりも僕の印象に残った。
「表の木戸にもう線しか残っていないけど、ピエロの絵が描いてあったの・・・そのドアを通る度にピエロを見て、ピエロの様に笑われろ!ピエロの様に笑え!って」
そう思っていたでしょうとハルモニは、ユンギヒョンに聞いていた。
「参りましたね・・・」
「これでも、母親ですからね・・・とはいっても最初は何だろうと思っていましたよ」
テーブルにお皿を並べて僕にお箸をくれたハルモニは、トンと両手を叩き合わせてキッチンに戻って行った。
「クラウンじゃいけないの!?」
「クラウンとピエロは違うよ・・・ピエロの様に弾けって意味はお昼の後に教えてあげる」
ユンギヒョンがウィンクした時、ハルモニが僕の前にスープボウルを置いた。
「センイルチュカヘ(お誕生日おめでとう)」
「えっ!?」
両手を合わせて、椅子に座ったハルモニは、スプーンをスープに差し込んでくれた。
「お誕生日でしょう・・・ミニョssiのお弁当も開けなさい」
朝方オンマに持たされたお弁当を開けると赤いご飯が敷き詰められていた。
「あっれー、夜にするって言ってたのに」
「ああ、シヌとケーキを注文してきた」
「ええー、ヒョンのお仕事ってそれなのー!?」
「ああ、お前の誕生日パーティに呼ばれてるから、夕方まではみっちり教えてやれる」
二度目のウィンクをしたユンギヒョンは、オイネングッ(きゅうりの冷製スープ)を口に入れて笑ってた。
その日の夕方、クラウンとピエロの違いを聞かされた僕は、結局なーんにも解らないまま自分の誕生日パーティでギターとピアノの披露をさせられた。
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「クラウンもピエロも道化師の一部だ・・・面白い事をして人を笑わせる・・・面白い事をして人に笑って貰う・・・自分も笑う・・・楽しい事を見せる・・・でも、ピエロには、涙マークが付くんだ・・・クラウンよりももっと滑稽に人を笑わせて莫迦をやって・・・でも、悲しいんだよと人に見せる・・・・・・楽しいものと悲しいもの・・・・・・表裏一体だ・・・ギターの譜面を楽しいものにして・・・ピアノの譜面は悲しいものになってる・・・ピエロの様に弾けっていうのは、これを合わせて出てくるインスピレーションを聞かせろって事じゃないか!?」
後日、アッパにユンギヒョンから貰った譜面を見せたら、そう言われ、僕は、頭を悩ませながら、曲を作ってユンギヒョンに見せに行った。
それが宿題の正解だったかどうかは未だに解らないけれど、その曲を弾いたユンギヒョンは、僕の頭を撫で、スペードのアルバムに入れてくれた。
その年、僕は、誕生日プレゼントに初めてアッパ以外からお小遣いをもらったのだった。
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