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「なぁっぁ・・・あれ・・・!?」
「知らないよー、ピリピリしてるのここんとこずっとだけど・・・何かやったか!?」
「俺っじゃないぜ・・・」
「僕も違うー」
くっ付けた頭を互いに押し合うふたりの後ろでボソリ、ボソリ、ポソリ三つの声が聞こえた途端、眉間を摘みながら、開いた目が鋭く睨んでいた。
「ヒョェ・・・な・・・何もしてないっ!聞いてますっ」
背筋を伸ばしたジェルミは、テギョンに何度も頷いている。
「聞いてるぜっ!な、な」
「静かにしてるもーん」
挙動って首を振ったミナムは、半身を捻って後ろにいたリンを抱きしめた。
「俺もー聞いてまーす」
「俺も」
「俺も聞いてるよ」
「・・・わ、たしも」
両手を挙げたジュンシンに続いて、ユソン、ユンギが横目で小さく手を挙げ、きょとんとしたミニョも慌てて手を挙げている。
「俺も・・・な」
無言で床を見回したテギョンは、背中の声に振り返って舌打ちをした。
「いつもよりは、穏やかだと思うけど・・・違うか!?」
「知るかっ!こいつらが勝手に怖気づいてるんだ」
丸めた紙を手に叩きつけたテギョンは、同意を求めたシヌの隣に立ち、唇を尖らせている。
「何のミーティングか・・・解っているよね」
好き勝手に座った筈が、綺麗に弧の形で床に座る面々に背中を向けたままのテギョンの横でシヌが声をかけた。
「曲順とか!曲の発表ー!」
「俺達の演奏曲のかくにーん」
「スケジュール確認です」
「リハの予定・・・」
リン、ジュンシン、ユソンに続けてジェルミが発言し、ミナムの袖を引いている。
「練習してない俺達への説教・・・」
リンの体を抱き上げたミナムは、膝の間に座らせ、袖を引っ張るジェルミを見た。
「嘘っ、してるっ!してるよっ!昨日も夜中までやった!!」
「生放送だったろう・・・」
指を指されたジェルミは、目を見開き振り返ったテギョンに首と手を振っている。
「そっ、そうっ、そ、だ本番!本番中に練習したっ!」
「歌ってたもんなー」
「そっ、そうだよー、やっぱり、俺の声ってさわやかだからー」
揄ってニヤニヤするミナムに目を閉じて舌を出したジェルミは、テギョンの見つめる先にニヤリと笑い返した。
「叫ぶのは暫く控えろっ!ヘイと共演する番組は、全て外して貰ったからな」
「えっっ!?なーんでだよー」
ミナムを指差したテギョンは、吐き捨てて背中を向け、腰を浮かせたミナムは、前のめったリンに睨まれている。
「良いかっ!よく聞けっ!A.N.Jellのコンサートだ!俺達のコンサート!!!」
練習室に設えたホールの真ん中で大きな声を出したテギョンは、相変わらず、丸めた紙を手に叩きつけ、繰り返しに皆がビクビク肩を震わせた。
「宣伝を効果的にやりすぎたんだよ」
一人、冷静なシヌは、椅子に座ったままテギョンの言葉を引き継ぎ、膝に乗せた雑誌を捲っている。
「ああ、そういうこと」
シヌの膝に乗っている雑誌の表紙を下から覗いたユンギは、頷いた。
「高笑いをしている奴がいる」
「社長がね・・・予想を上回る売り上げがあったって教えてくれたんだ」
シヌの横で丸めた紙をユンギに向けたテギョンは、唇を尖らせて動かしている。
「オ・・・レ!?」
「お前のおかげで、ソンベを引っ張り出せただけじゃなく、ファン・ギョンセが正式に出演することになった」
「ハラボジ出るのー!?」
テギョンを見上げたリンは頷いた顔に笑顔を返し、ミナムの腕を解き、ミニョに駆け寄った。
「お前の曲は、オーケストラで演ることになった」
ミニョに抱きつこうとしたリンを途中で捉まえたテギョンは、抱き上げている。
「チェンバー(室内楽)程度だそうだ・・・ユンギは、そっちと打ち合わせに行ってくれ!今日からソンベとホテルにいるそうだ・・・それから、ミニョも連れて行ってくれ」
ミニョとユンギを見下ろしたテギョンは、抱きつけなかったリンに顔を両手で挟まれた。
「オンマと一緒が良い」
テギョンの顔の向きを変え、睨みつけたリンは、睨み返されて口を尖らせている。
「お前は、俺と・・・練習だ」
「アッパとー!?」
「お前の我儘を聞くんだ!!俺に従え!」
「アラッソー(りょうかーーい)オンマー、アンニョン」
小さな手を掴んだテギョンの首に腕を回したリンは、正座したミニョに手を振った。
「夕方には、迎えに行く」
「はい!じゃあ、頑張ってきます!!」
「練習再開するぞ」
両手で拳を握ったミニョは、立ち上がり、声を張ったテギョンに皆が立ち上がっている。
「じゃぁ、ミニョssiのエスコートをさせていただきますか」
「オンマー」
呼び止めたリンが伸ばした腕に頬に唇を当てたミニョは、テギョンの小さく傾いた首を横目で見つめた。
「行ってきます」
笑顔でリンから離れ、立ち上がったユンギに腕を引かれたミニョは、唇に指を当てたテギョンを振り返り、唇に指を当てて笑っている。
「リン!アッパにあげてくださいねー」
「アラッソー」
ミニョのウィンクに応えたリンは、テギョンの頬を挟み込み、その唇を奪い、手を振ったミニョの横で振り返ったユンギは驚きに目を瞠りながら去ってゆき、リンとテギョンを見上げた四人はきょとんとして、雑誌を口に充てたシヌは、盛大に笑っている一日の始まりだった。
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第一話はParkShinHyeの友情出演有!興味がある人は見てね(^^)/
本家韓国版や日本版と比較すると面白いかもね(^^♪
台湾版美男<イケメン>ですね
~Fabulous★Boys 第1話「兄の代わりに超人気バンドに加入!?」