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loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧ Hope to see someday"You're Beautiful" of After that. Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑) 交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^) コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。 『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。 長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^) ご意見ご要望はこちら★すずらん★メッセージを送ってください。BM仕様限定のごくごく一部解除しました。 尚、当ブログ内の著作権は、管理者に帰属するものであり、転載・転用は固くお断り申しあげます。また画像等の著作権・肖像権は、発行元に帰属するものでありこちらも転載・転用は、ご遠慮願います。
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カラー・オブ・フェアウェル (25)


家族連れの目立つ展望レストランの一角は、パーテーションで広く区切られ、その中は、他の賑やかさとは異なり、静かにグラスを傾けている大人と頭をくっつけ合いながら、五線紙の裏に書かれた殴り書きを見つめている子供達がいた。
「ねー、シヌヒョンはー!?」
「ん、ヒョンならファジャンシル(トイレ)、もう、戻ってくるよー」
顔をあげて周りを見たリンの両脇で、ユソンとジュンシンが、コツンとぶつけた額を痛そうに擦り、窓を背にしたリンを見たジェルミが応えている。
「ね、ね、ジェルミー、これ、解るー!?」
ぶつかって睨みあうふたりの額の下から顔を出したリンは、ジェルミに五線紙を差し出した。
「ん!?何!?何!?どれ!?」
「それー、アッパが書いたんだけど、僕たちの出番なんだってー」
五線紙を見つめるジェルミの横で、紙を覗き込んだユンギが、片足を椅子に引き上げている。
「へー、コンサートの進行表かぁ」
「ええ、でも、俺も初めて見ます、ヒョンはこういうの仕上げて、くれますから」
折れ曲がった線が幾つもついた紙をテーブルに置いたジェルミは、手で紙を伸ばした。
「ふ、ファン・テギョンらしいな・・・几帳面だ」
「ふふ、そういう処は、私に似ている」
隣り合って、ワインを空けているギョンセとヒジュンが、紙を見て笑っている。
「お前、几帳面だったか!?」
「几帳面だろう、少なくとも計画は、全部私がしていたぞ」
「そうか!?」
昔話に花を咲かせ、むっとした顔をして、傾けたグラスをヒジュンと合わせたギョンセを見上げたリンは、目を見張って、数度瞬かせた。
「ああ、ああ、年寄りの話は放っておいて良いよ」
リンの表情に大げさに笑ったユンギが、腕を伸ばし、頭をぶつけた争いを続けているユソンとジュンシンを一瞬振り返ったリンは、ジェルミの膝を踏みつけてユンギの膝に座っている。
「なんだユンギ!年上を敬えといつも言ってるだろう」
「敬ってます、少なくともお二人は、かなり尊敬していますよ」
ジェルミの拡げた紙を覗いたユンギは、リンの頭に顎を乗せて応えた。
「俺も尊敬してます」
「ヒョンニム!お帰り」
「何だ!?」
シヌの声が聞こえるが早いか、紙を持ち上げたジェルミは、差し出している。
「うん、テギョンヒョンの進行表だって」
「ああ、子供たちの出番を書いたやつだろう」
受け取った紙をざっと眺めたシヌは、喧嘩をしているユソンの髪を撫でて、ふたりの間に座った。
「やっぱりー、シヌヒョンは知ってるー」
「何が書かれているのかさっぱり解らないんだけど」
ユンギの膝からジェルミの膝に移ったリンは、ジェルミに頭を撫でられながらシヌの顔を見つめている。
「ふふ、ミニョの出番にね、リンも出られる様に演出を変えたんだよ」
「え!?それって・・・」
「ああ、テギョンがギターで伴奏をする予定だ」
紙に書かれた子供達の出演箇所を順番に指差したシヌにジェルミが目を見張った。
「三人で、舞台に立ちたいんだろう」
両脇の子供達を見たシヌは、ふたりの手を取って膝に乗せている。
「それが、今の夢だよな」
「「「うん!」」」
ユソンとジュンシンの手を握ったシヌはふたりの手を繋ぎ合わせ、リンもその上に身を乗り出して手を乗せた。
「子供バンドは、どう、演出しても俺達A.N.Jellとなら恰好もつく・・・でも、リンの夢は、三人で舞台に立つこと・・・同じ時間、同じ空間、客席から応援するんじゃなくて、同じステージで歌わせてやりたいって」
指を折って3を数えているジェルミは、もう片方の手で、3つの頭を数え、生返事をしている。
「テギョンが約束しただろう」
「うん!明後日のテストに合格したら、オンマと一緒に出ても良いって約束したの!」
腕を高らかに挙げた3人の笑顔を見回したシヌは、リンを真っ直ぐ見た。
「そう、でも、男の子の格好だ」
「う、うー、それも、約束させられた、でも、アッパが良いなら良いよー」
唇を突き出したリンは、不満そうに頬も膨らませている。
「バンドの方は、どんな格好をしても良いよ!元々ミナムも中性的でどちらか解らないって評判だったし、お前も似ているからな」
「へー、じゃぁ、女の子に見えてもOKなんだ」
合点のいった顔で、頷いているジェルミは、リンのお腹を引き寄せ、膝に座り直したリンは、ユンギにグラスを要求した。
「本当は、どっちでも良いらしいよテギョンもファン・ギョンセの息子って見られていたから、そういう対処の仕方は解ってるって言ってましたよ」
リンにグラスを渡したユンギは、シヌと子供達の分のグラスも持ち上げている。
「成長したな」
「あなた方にとっては、俺達っていつまでもこいつらと変わらないんでしょうね」
立ち上がってグラスを差し出したユンギの脇でギョンセが溜息を吐き、クスッと笑ったユンギは、ヒジュンとギョンセを見下ろした。
「さぁ!?」
「どうだろうね!?」
顔を見合わせたヒジュンとギョンセは、またグラスを合わせ、カチンと鳴った音に二人とも笑顔で酒を煽っている。
「嫌味な大人達だな」
「そんな事ないもーん!僕のハラボジかっこいいもん」
「尊敬してます」
ユンギのしたり顔にリンは笑顔で応え、ユソンは、生真面目に答えた。
「お前たちは良いなぁハラボジがいてさぁ」
「ハルモニは、いるじゃないですか」
ジュースを飲みながらぼそりと呟いたジュンシンに皆の視線が集中している。
「ハラボジの話なら幾らでも聞かせてやるぞ!」
「そうそうアボジの思い出話を聞かせてやろう」
ヒジュンの一声にユンギの肩を叩いたギョンセは、ニヤリと笑って、空のグラスを満たした。
「散々聞きました・・・それに、コンサートの話があると誘ったのはお二人でしょう」
「ああ、そうだった・・・」
ギョンセに注がれた酒を一気に煽ったユンギは、音をさせてグラスをテーブルに置いている。
「ファン・テギョンは!?来ないのか!?」
「ああ、テギョンもここに来るが、別な用がある・・・」
ポケットから懐中時計を取り出したギョンセは、リンを手招いた。
「そろそろ時間だな」
展望レストランの窓から外を見ていたシヌが頷き、ユンギに抱えられて、ギョンセの膝に座ったリンは、ポケットから携帯を取り出している。
「アッパの携帯!返すの忘れた」
「ああ、丁度良い、電話してごらん」
「オンマ!?」
「そうだよ」
リンを膝に乗せたギョンセは、ユンギを外が一番見える席に促した。
「何か始まるんですか!?」
「ああ、君への誕生日プレゼントは、まだ終わりじゃぁないんだよ」
「え!?」
電話を掛けるリンの声を聞きながら、シヌと顔を見合わせたギョンセは、驚いてジェルミと顔を見合わせたユンギの横で、笑っているのだった。







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