リン〇歳
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庭に拡げたランチシートの上で寝転がったミニョは、暖かい日差しの下で、麦わら帽子を顔に乗せていた。
傍らで、大きなお尻を振って、ミニョのお腹に両手を乗せているリンは、足を震わせ、ヨタヨタしながらも小さな足で踏ん張っている。
「ぶーぶ、あっふぅ、っうー」
立ち上がってミニョのお腹を叩き、喜びを顕にしているが、大きな頭が揺れ、コロンと背中から倒れた。
「ふふ、まーた失敗ですねー」
帽子の隙間から笑ったミニョが、横向きに体制を変え、腰を支えていた腕の中に転がり込んだリンを見上げている。
「ぶー!」
「昨日は、上手に出来たのですけどねー」
見上げるリンの顔を覗いてクスクス笑った。
「ふふ、お口がむにむにしてますよー」
尖った口にギロリと横目でミニョを見たリンは、ペと近づいたミニョの頬に手のひらを当て、肩に手を乗せてまたコロンと横になり、小さなお尻を重そうに上げて、手足を踏ん張って立ち上がろうとしている。
「ファイティン」
クスクス笑いながら、リンの手に触れたミニョは、また仰向けになり、帽子を顔に乗せた。
「あぃ、お、お、っし」
「何をやってるんだ!?」
半分に折れたリンの体をヒョイと持ち上げたテギョンに遠くなったミニョの体を見下ろしたリンが、きょとんとした顔を向け、やがて、ぷくっと顔を膨らませて、手足をバタバタさせた。
「・・・え・・・ア、ッパ!?おかえ・・・」
「ああ、コ・ミニョ・・・ただいま」
バタつくリンに片目を細めるテギョンは、腕に抱え直し、ミニョは驚いた顔で目を合わせた二人を見上げている。
「何やってるんだ!?お前!?」
ぷっくり脹れた頬をツンツン突き、窄まっていく頬と尖り始めた唇にミニョを見下ろしたテギョンは、パチンと頬を叩かれて目を瞬いた。
「!?」
「オ、オッパ・・・大、丈夫!?」
「ぶー!!!あっぶ、ぶー!!」
不満たっぷりでテギョンの頬を叩くリンの手を握り、ギロリと鋭い瞳を向けている。
「なっ、何をするっ!お前!!」
「ぶー、あ、めー!!!」
テギョンの頬を叩き続けるリンに起き上がったミニョは、帽子を頭に乗せながら大きな声で笑った。
「はは、オッパが邪魔をしたからですよねー、悔しいのですね」
「邪魔ぁ!?」
「ええ、立ち上がろうとしてたのです」
ミニョが伸ばした両手にリンも頷き、振り向いて腕を伸ばしている。
「立つって・・・お前・・・どう見ても・・・」
リンのお腹に回した腕で、上がるお尻を見つめながら、ミニョに手渡すテギョンは、大袈裟に吹き出した。
「はっはは、どう見てもテジが草むらに首を突っ込んでる様にしか見えないぞ」
「はぁ!?」
「ほら、あるだろう!子供番組の豚が後ろを振り向いて四足で踊ってる奴!」
クックックとお腹を抑えて笑うテギョンにミニョとリンは顔を見合わせている。
「あれは、確かに餌を探してお尻を振ってますけど・・・」
「ぷ!?」
「大きなお尻を振って、最後は転ぶだろう」
「可愛いじゃないですかぁ」
クククと笑い続けるテギョンにミニョは不満そうでリンは、きょとんとふたりを交互に見た。
「可愛いけどなぁ、立つんじゃなくて転ぶんだぞ!あれと同じだろう!」
「違いますよー、リンは一生懸命なんだから!馬鹿にしないでください!」
ツンとそっぽを向いたミニョに首を傾げたリンが頬を寄せ、にっこり笑ったミニョも頬をくっつけている。
「はは、まぁ、良いさ!立てる様になったら、お前の手を離れるのも時間の問題だな」
「ふぇ!?」
奇妙な声を出したミニョの隣に腰を降ろしたテギョンは、その肩を抱き、麦わら帽子を頭から取り去って、リンとミニョの間に差し込み、その陰でミニョに頬を寄せている。
「オ・・・」
「ぁー!!!」
ポスンと膨らんだ麦わら帽子の向けられた天辺を思い切りよく叩いたリンは、ミニョの腕の中で暴れだし、慌てたミニョがリンと顔を見合わせた。
「チッ!さっさと立てる様になってしまえ!」
「ぶっ!っぶ!あっ、ぶううう!!!」
ふくれっ面のテギョンとむっつりしたリンが、睨み合い、呆けっとしているミニョは、ふたりを見比べている。
「オッパ!?どっちですか!?」
「あ!?」
「立って欲しいの!?立って欲しくないの!?」
「立つ方が良いに決まってるだろう!いつまでもお前の腕を占領しやがって!」
「へ!?」
「早く立ってくれないと俺は邪魔ばかりされて気分が悪いだろ!」
ミニョを睨んで尖った唇を動かすテギョンにリンがまた帽子を叩いた。
「あー、ちょ、ちょっと、リン!ダメっ、だめですぅ、お気に入りなのー」
天辺の潰れてしまった麦わら帽子にシュンとなったミニョは、溜息を零している。
「あーあ、オッパのせいですぅー」
「何で俺のせいなんだよっ!」
「オッパがリンを苛めるから、私が被害に遭うんです」
「事故多発地帯の被害に遭ってるのは俺だ!」
むっとしたミニョの顔を睨み続けるテギョンにリンもテギョンを睨んでいて、3人がそれぞれを見つめた。
「ふん、事故多発地帯がもう一匹増えて、俺は気が気じゃないんだ」
「ぅ、うー!?」
首を傾げるミニョとリンに眉間に皺を寄せるテギョンも首を傾げている。
「何でだと!?」
「ええ、オッパの迷惑にならないように大人しくしてるじゃないですかぁ」
「お・と・な・し・くぅ!?」
リンの脇腹に腕を差し込んだテギョンは、抱えて立ち上がった。
「これのどこが大人しい!?お前にくっついて、俺の邪魔ばかりしやがって!」
「むー、ぅう」
「ふふん!でも、お前はまだ一人でどこかに行くことは出来ないからな!」
パラソルの下に置かれたベビーチェアーにリンを降ろしたテギョンは、帽子を直しているミニョの隣に座り、ヒョイと持ち上げた麦わら帽子をミニョの頭に乗せている。
「奥様、俺とリンと同じ様に大事にしろよっ!」
「えっ!?」
ミニョが息を呑む間に素早く唇を重ねたテギョンは、背中を支えてランチシートに倒れたが、頭を抑えて体を離した。
「あああ!!」
テギョンの頭にクリーンヒットした小さな麦わら帽子がミニョの傍らに落ち、ゆっくり振り返ったテギョンに手を叩いてにっこり微笑み喜んでいたリンのとある夏の終わりの出来事だった。
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あんにょん(*^_^*)
いつ書いたのか覚えていないくらい古い作品(^▽^;)
『麦わら帽子』を題材にしたものは幾つか書いていたけれど、
下書きにしていたものを掘り起こしました(*^_^*)
相変わらず自然が、様々な畏怖恐怖を運んできては、
去っていくを繰り返していますが、被害等、皆様の地域は大丈夫ですか!?
人が一生をかけても勝れないもの第一位は『自然』であって、破壊するもの第一位も『自然』です。
『静かに過ぎるを待つべし』なんて言葉もありますね(*^_^*)
台風一過でも被害が少ないことをお祈りいたします(^-^)
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Favorite music excerpt 再生リストからchoiceコントロールから音量変更可 不可はページ再読込❦一部字幕ON&設定で日本語約可
loveYou're Beautiful❦Story it was based Korean drama "You're Beautiful" secondary creation.❧
Hope to see someday"You're Beautiful" of After that.
Aliasすずらん──長い長い「物語」を続けております。貴方の癒しになれる一作品でもある事を願って。イジられキャラテギョンssi多(笑)
交差点second掲載中❦フォローしてね(^▽^)
コメディ・ほのぼの路線を突っ走っています(*^▽^*)あまりシリアスは無いので、そちらがお好きな方は、『悪女』シリーズ等を気に入って頂けると嬉し。
『テギョンとミニョの子供・・・』という処からお話を始めオリキャラ満載でお届けしておりましたが、登場人物も交差し始め統一中。
長らくお付き合いいただいている方も初めましてな方もお好きな記事・作品等教えて頂けると嬉し(^v^)
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