「意味って・・・何!?」
周りを見回したジェルミは、テギョンの登場に驚いて、後ずさった練習生の姿を見つめるが、驚いてはいても物怖じしている訳ではなく、A.N.entertainmentのビッグカップルの揃い踏みをただただ夢見る様な憧れの眼差しで見つめているだけで、あれらが虫かとテギョンに聞いたジェルミは、ギロリと動いた瞳にたじろいでいる。
「こんにちはー、オンマ、いまーすかー!?」
「おっ!小さな皇帝」
「あんにょん」
「あんにょはせよー」
半開きだったドアを重そうに押したリンが、扉の淵に手を掛けて、頭をチョコンと出し、きょろきょろと左右を見回すと壁際にいた練習生が、リンに手を振った。
「こんにちはー、ヒョンニーム、今日もお疲れ様でーす」
ぱぁっとにっこり微笑んだリンは、小走りで扉の中に駆け、チョコンと体を半分に折っている。
「あんにょん、オンマはね、あそこ・・・アッパも・・・いるよ」
練習生に指差された先にテギョンを見つけたリンは、その腕の中にいるミニョを不思議な顔で見つめ、首を傾けながら近づくとジェルミに挨拶をしてテギョンとミニョを見上げた。
「リン!?どうしました!?」
小さく尖らせた唇で、不思議顔をしているリンにミニョが、テギョンの腕を持ち上げて膝を折ると、不思議な顔をしたまま唇に触れたリンは、瞬きを繰り返している。
「オンマー!?」
「ん!?はい・・・」
そうですと言いかけたミニョの両腕をガシッと掴んだリンは、まじまじとその頭を見つめ、口角をあげるときゃーと叫んで抱きついた。
「オンマ、ミナムみたーい!」
くふっと含み笑いを零し、ミニョから離れたリンは、また見上げて、ミニョに抱きつき、可愛いと言うとテギョンの表情が、スッと曇って、リンを引き剥がしている。
「可愛かったらダメなんだ!野暮ったく見えなきゃ失敗だ!」
「やっ・・・」
「野暮ったくぅ!?」
「やぼったいって何ー!?」
リンを抱き上げたテギョンにミニョが、スウエットの上身頃を前に引っ張っり、ミニョの服装を眺めたジェルミは、不思議な顔でテギョンを見つめ、リンは、ミニョから引き離されてテギョンの顔を軽く押した。
「イテっ、チッ、叩くな!」
「叩いてないもん!アッパが、邪魔をするからだもん!」
「おっ前なぁ・・・来るなり、ミニョに抱きつくなよ!ミニョは、俺のだっていつも言ってるだろう!」
「そんなのアッパの勝手だもん!オンマは、僕のオンマだもん!」
互いに与える隙も無く正論を口にするふたりに、服を見ていたミニョとテギョンを見ていたジェルミが、あっと口を開けると始まったとばかりに顔を見合わせ視線で合図を交わして、くるりと背中を向けている。
「なぁ、ミニョ・・・ヒョン何考えてるの!?」
「わかりません・・・野暮ったくって、オッパが、野暮ったいって事ですか」
「・・・ミナムは、どちらかというと派手だよね」
「うん・・・私もそう思います」
こそこそと顔つき合わせて話をしているミニョとジェルミの前で、練習生達が、終わりの挨拶を交わして、ふたりにも頭を下げると慌てたミニョが、お疲れ様でしたと姿勢を正して頭を下げ、それに恐縮した様子の練習生達もはにかんだ笑顔で、お疲れ様と告げて、ぞろぞろとホールを後にしていったのだった。
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
超、短め、ミアネー(^▽^;)
(^-^)ノ~~またねー☆
にほんブログ村