リンのミニョへのご褒美に託けて、食事を摂る事になった一行は、ミナムの指定した店に数台の車で乗り付け、A.N.entertainmentの車に便乗していたミニョと子供達が先に駐車場に降りると、壁面に施されたスイーツのオブジェに目を奪われた子供達が、その壁に駆け寄って、何を食べるかを相談していた。
「何が、美味しいの!?」
「やっぱチョコだろ!」
「ちっがうのパフェ食べるの!」
やんややんやと三人で顔を付き合わせてきゃぁきゃぁと言葉を交わしている後ろをミナムが、頭に両手を組んで、笑いながら通り過ぎざまにこっちだと入口に促して、その後を着いて走るリンが、ミナムのシャツを引いている。
「ねぇねぇ、ミナム!あれ!食べさせてくれるんだよね!!」
「ん・・・ああー、あれかぁ・・・あっれはなぁ、CM用に作った特別なやつなんだ!普通は、食えないぞ!」
「嘘っ!!食べさせてくれるって言ったもん!!」
ムーっと膨れて、唇を突き出しながら、ミナムの顔を見上げているリンを見て、面白い顔だなと笑ったミナムが、やがて口角をあげ、少し屈みこむと、その額に軽く指を当てた。
「ふ・つ・う、ならな、食えないんだよ!」
ミナムに小突かれた額を両手で押さえて、きょとんとして首を傾げたリンに、自動ドアを開けたミナムが、ニヤっと笑うとシヌがリンの背中を押し、ジェルミがユソンとジュンシンの背中を押している。
「好きな物を食べて良いよ!それとリンのリクエストは、ミナムが発注済だろ」
「そうそう、俺とミナムがCMで食ってたやつだろ!」
ジェルミが、リンに尋ねるとそうだよーとまた膨れたリンの声が返り、シヌがミナムを嗜めた。
「あんまり揶揄かうなよ!頼んであるんだから」
「あはは、だってさ、ミニョのご褒美なんだろ!なのにリンが、食うのか!?」
ウェイトレスが、案内してくれるのを待ちながら、膝を折ってリンの顔を覗いたミナムが、尋ねると後ろを振り返ったリンが、ミニョを指差している。
「ミナム達みたいにオンマと一緒に食べるんだもん!」
自動ドアの外側にいるミニョに手を振ったリンに手を振り返したミニョは、駐車場で車から降りてくるテギョンに視線を移し、リンにもう一度手を振って、テギョンの前に駆け寄って行き、ミナム達は、ウェイトレスに促されながら、店の奥へ消えて行った。
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「オッパ!」
「ん・・・どうしたんだ!?」
皆と行かないのかと尋ねたテギョンに近づいたミニョは、テギョンの前に立つと、その腕を取って、あの、と少し口篭り、すみませんと続けた事にテギョンの首が曲がり、何だと呟きながら、ミニョと向き合っている。
「どうした!?」
「いえ、あの・・・その、私の、せい・・・ですよ、ね・・・私が、復帰を決めたから」
「!?何の事だ!?」
「・・・オッパが、ユアンssiの事で、怒ってるって・・・」
細くなる瞳に眉間に皺を寄せるテギョンの顔は、怪訝な表情を浮かべ、ミニョに取られた手と反対の手をミニョの腕に添えた。
「お前が、復帰を決めたから!?」
「えっ、ええっと・・・ユアンssiの告白の事で、怒って・・・るぅうっ」
ミニョの声が、素っ頓狂に高く歪むと頬を押さえてそこを擦っているミニョとその両肩に手を置いて睨みつけているテギョンの視線がジトーっとミニョを見下ろしていて、えへっと恥かしそうに苦笑いをしたミニョが、テギョンをちらちらと見上げている。
「コ・ミニョ!良いか良く聞け!俺だっていつも平常心ではいられない!まして!お前の昔の男だかなんだか・・・いや・・・これは違う・・・お前の男は俺だけだな・・・・・・っお前になぁ、告白だか何だか知らんが、昔の知り合いだとっ!ニマニマしているお前が気に入らないのは事実だ!けどなっ!」
ミニョの肩を引き寄せたテギョンは、胸に閉じ込めたミニョの背中に腕を回し、ぎゅぅうと抱き締めて、その耳元に唇を寄せた。
「けどな、お前、俺が、好きだろう」
「なっ、はっ、えっ、えええと・・・えっ!?」
囁かれた言葉に顔を真っ赤に染めたが、首を傾げたミニョにふふと笑っているテギョンは、とても楽しそうで、ここが駐車場だという事も忘れている様に抱き締め続けていて、ぽけっとしているミニョは、テギョンの名を呼ばれた事に反応して慌てて胸を押している。
「なぁ・・・テギョン・・・幾ら夫婦でもさぁ・・・ここ、駐車場だぞー」
ミニョが、離れた事にチッと舌打をしたテギョンだが、その肩はしっかり抱いたまま、後ろを振り返ると黒塗りの車に背中をつけて端末を操作し運転席のヒジュンにそれを渡したユンギを睨みつけた。
「お前を待っていたんだ!!話が、あると言っただろう」
「・・・あんまり、聞きたくないけどさぁ、ソンジュンの事だよねぇ」
「そうだ!俺を十分に怒らせてくれたからな!事件の事とミニョの告白の件と!この企画の話!お前の知ってる事を全部話せ!」
ユンギを睨みつけながら唇を尖らせるテギョンにその腰に腕を回してユンギとテギョンを交互に見ているミニョは、溜息混じりに笑ったユンギに不思議な顔を向けながらも、テギョンを心配そうに見上げて、解ったよと頷いて、ヒジュンに帰る様に促したユンギと不機嫌そうに唇を動かしたテギョンと共に店の中に消えて行ったのだった。
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よろぶんあんにょん(^^;ご無沙汰してます。この(36)解決へ持ってゆく流れだったが・・・
如何せん、筆力、発想力共に尽きた~(;´▽`A``
ユンギが動いてくれないのと、テギョンが動きすぎてしまって(@ ̄Д ̄@;)
思う様なお話を皆様にお届け出来なくて、書き直すことン十回(^^;少し流れを変えました!
ごめんなさい!次こそは、解決出来る様に頑張りますのでまたお付き合いください(^^)/
本日も最後までお読み頂きありがとうございました(*^▽^*)
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