「その場にいました」
ソンジュンの一言に一斉に皆の視線がそちらに注がれていた。
「キム・ユアンが、その場にいた理由は・・・簡単です・・・エキストラでしたから、新人の・・・まして駆け出しのモデルにA.N.Jellのメンバーと同じ画面に映れるというのは、この上ないチャンスですし、何よりもユアンの願いが、叶う一歩でもあったから・・・」
ソンジュンは、そう言いながら、ジョンアの顔を見て、ジョンアは、小さく頷いて微笑み、ミニョは、先程ジョンアから、話を聞いていたおかげなのか、やはり微笑んでいる。
「なぁ、ちょっとハッキリさせようぜ!そもそもキム・ユアンっていうのは、ジョンアssiの名前なんだろ!」
3人の微笑を見ていたミナムが、苛立ちを露にしながらジョンアとソンジュンを交互に見比べ、頭を抱えて難しい顔で、ふくれっ面をしていた。
「ええ、そうです・・・ユアンがアフリカから戻ってきて近づきたい人がいるとモデルを始めて、俺が、その名前をそのまま引き継いで、モデルを始めた」
「ああーもう!!なんか!!ややこしいなっ!!」
髪を掻き毟るように叫んだミナムに他の面々も黙っていたが、ふたりを見て僅かに頷いていて、その仕種に微笑を漏らしたソンジュンは、首を振って先を続けている。
「俺達が、俺とユアンが、間違われる程に似ていたからです!今よりも、昔はもっと言われたのですよ・・・双子なのかって・・・」
ソンジュンは、遠くで遊んでいる子供達を見つめて目を細め、先程リンが指摘したことを思い返しているようで、俯いて忍び笑いを零し、そうだったよなとジョンアを見ている。
「ええ、だから、あの日、本当は、僕がその場にいる筈だった・・・」
僕と言ったジョンアに一瞬、皆、驚いた様にそちらを見たが、口にしたジョンア自身も無意識だったのか、スルリと続いた言葉に何事も無かった様に元の体制に戻っていった。
「でも、その現場に居合わせたのは、生憎、俺の方です」
「もしかして、彼女を庇っていた奴か・・・俺の前に飛び出してきた」
シヌが、指を咥える様に唇に当てるとソンジュンの姿を不躾に上から下へと眺めている。
「ええ、覚えていてくれたんですね」
「ああ、でもあの時、君も怪我をしていたんじゃなかったか!?」
「ええ、姉さんを庇って・・・あんな人でも俺には姉でしてね」
「・・・そう・・・か」
シヌとソンジュンの会話は、ふたりの間だけで纏まっていて、ミニョに限らず、いわくありげに聞こえていたが、シヌが、その姉に詰め寄った事は、A.N.Jellにとって、周知の事実で、誰も何も言わなかったが為に、ミニョも不思議な表情をしたが、黙って聞いていた。
「あの日、ジョンアは、大学のテストがあって抜けられなくて、でも、カン・シヌと仕事がしたくて、俺が時間ギリギリまで、代わると申出たんです!俺には遊びの一貫でしたが・・・それに、A.N.Jellが隣で撮影をしていたのも知っていたので、あわよくば、ファン・テギョンと話が出来ないかという思いもあった」
ソンジュンが、テギョンの背中に視線を移し、俯いて僅かに微笑んでいる。
「けれど、姉のところにあいつがやってきて、姉がELの仕事を降りる事は了承してたけど・・・あの男との間に諍いがあった事で、その矛先がファン・テギョンに向いていた」
背中を見つめ続けるソンジュンに黙って聞いているテギョンだが、唇が尖り、面白くなさそうに歪んでいて、それを視界に捉えたミニョが、僅かに膨れてオッパと顔を覗き込み、自身の唇に触れた。
「条件はね・・・大した問題じゃなかったですよ、A.N.Jellと仕事が出来るなら、その契約金を無理しても払いたい企業など幾らでも在ります!うちもそういう一つでしたからね」
自嘲的な笑みを零しながらそう語ったソンジュンは、条件に限らず姉は引退する予定だったと続け、ミニョと仕事がしたかったんだと言って、組んでいた足を地面に降ろしている。
「つまり・・・その場で事件にも遭遇してるし、何よりもミニョを直に・・・知ってたわけだ・・・」
「そうです」
「つまり、それが、今回、依頼をしてきた理由・・・」
「ええ、その通りです!あの時出来なかった事をやりたかった」
黙って聞いていたテギョンが、唇を尖らせると後ろを振り返った。
「俺を挑発した理由は!!!」
「それは、先程も説明したでしょ・・・貴方がミニョssiの夫だから!というだけです」
「チッ!!!お前もミニョのファンだって事か・・・」
「でも残念、ミニョってヒョン以外、見てないんだよなぁ」
ミナムが、ミニョを見てニヤニヤすると頬を染めたミニョが、手で顔を押さえてミナムを睨んでいる。
「ふん!それで、この撮影を機にモデルで復活でもするつもりだったのか!」
「そ・・・うですね・・・相手役・・・決まらない事を多少祈ってましたよ」
苦笑を漏らして口元を隠しているソンジュンにはそんな気持は全く無いようだが、テギョンの言葉にやはり挑発的としか思えない言葉を返していて、既に何度目かのこのやり取りを楽しんでいる様に見えていた。
「ふん!ミニョが俺以外を選ぶわけが無い!!」
ガタンと椅子を引いたテギョンは、ミニョの肩をまた引き寄せて、まるで見せ付ける様にソンジュンに向き直り、唇を尖らせていて引き寄せられたミニョは、嬉しいような困ったような顔をしながらでも微笑んでテギョンのお腹に手を添えているのだった。
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今日は「中秋の名月」なのに稀に見る大型台風で日本列島これから被害が心配ですね
ご避難されてる方々も多々いらっしゃる様。早くお家に帰れるようにお見舞い申し上げますm(__)m
台風一過・・・過ぎた後の方が、被害が出たりと油断大敵です!気をつけましょうね!
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byアメーバピグ |
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ごちそうさまでしたー(^^)/
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