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テラスに座るテギョン達の元に戻ったミニョは、ジェルミの縋る様な潤んだ瞳に少しだけ微笑み、振り返ってお帰りと笑ったミナムに不思議な顔を向け、テギョンを見てからまたミナムと顔を合わせていた。
「オッパ・・・なんですか・・・」
「何って・・・見たまんま!だろ」
ミニョが、立っている目の前、テギョンとソンジュンが、丸いテーブルを囲んだ隣同士に座っていたが、互いに背中を向ける形でどちらも腕を組んで、ミニョを横目にちらりと見て、互いが視界に入って、またそっぽを向いた。
その横で涼しい顔をしているシヌは、お茶の入ったカップを持ちミニョに大丈夫かと聞いている。
「あっ、はい・・・大丈夫です・・・」
「ふふ、久しぶりで緊張したんだね」
「ええ、皆さんのMVとかに出させて頂いてましたけど、こういう、本格的な撮影は、本当に久しぶりで・・・」
ミニョが、照れながらふふと笑うとボレロの裾に触れたジェルミが、座ってと懇願する瞳を向けて、立ちっぱなしのミニョは、小さく舌を出すと、ジョンアを促し、空いてる席に座ろうとしたが、テギョンが、ミニョを低く呼んでいる。
「おい!シヌ!向こうに行け!」
命令するようにシヌに低く言ったテギョンが、ギリリと歯軋りでも聞こえてきそうな低い声で呻ったものだからミニョの目が、丸くなっていくと、ジェルミ、ミナム、シヌの順番に無言で席を一つずつずれていった。
「えっ・・・あの・・・」
「気にすんなよミニョ!ヒョンは、今、虫の居所が、とーっても悪いんだ!!」
ミナムの一言にギロっと瞳を向けたテギョンは、正面に向き直ると、いつまで居るんだと聞いた。
「いつまで!?って!?」
「撮影も終ったんだ!!お前達がここにいる理由が無いだろっ!!!」
苛立ちと怒りと入り混じった低い声で睨みつけて呻るテギョンに左右を見たミナムは、シヌの無表情な顔を見てから、ニィっと口角をあげると薄く笑っている。
「シヌヒョン!リンとどこに行くんだ!?」
「ん・・・ああパフェが、食いたいって言ってたな」
「ミニョも連れてくんだろ!ご褒美だろ!」
「ああ、そう言ってたな」
「ふーん・・・じゃぁ、当然ミニョも一緒じゃないと駄目だよなぁ」
「そうだな・・・」
お茶を飲み続けるシヌと椅子に斜めに腰を落ち着け直して、会話を進めるミナムは、リンと約束をしたと持ち出して、ここから動けないと暗に匂わせていて、それがテギョンの苛立ちを募らせた。
「リンをだしにするなっていつも言ってるだろ!!!」
「別にいいだろ!俺達邪魔してる訳じゃなし・・・」
「テギョン・・・座れよ・・・」
涼しい顔を続けるシヌに揄うミナム、テーブルに手を付いて据わった目を向けるテギョンにおどおどしているジェルミ、ソンジュンもテギョンの態度を見ているが、無言のまま腕を組んで、ジョンアに袖を引かれて小さな声で何かを話し、頷いたジョンアは、テギョンをちらっと見て、その向こう側で、ポカーンと口を開けたミニョは、首を傾げて、テギョンを見上げ、戸惑った表情で、腕にそっと触れるとオッパと呼んでいる。
「あ・・・のー・・・何が、あったのですか!?」
唇を尖らせたままミニョを見たテギョンは、不安そうな表情が、垣間見えるミニョの顔に渋い顔をして、けれど、その頬に手を当て、目元を緩めて覗き込んだ。
「もう・・・良いのか・・・」
「えっ!?」
「もう、震えは止まったのか・・・」
「えっ、ええ!!もう、大丈夫です!!」
ミニョが、明るく拳を握って親指を立てて見せるとテギョンも安堵の笑顔を浮かべて息を吐きながら椅子に座っている。
「ちょっとー、暑くるしいから、そういうのは家の中だけにして~」
ミナムが、いつの間に頼んだのか、西瓜のカキ氷を口に入れて、シャリシャリ音をさせながら、ニヤついた口元で二人を見ていて、また、ミナムを睨むテギョンは、帰れよと一言告げた。
「んん、それよりオッパ!!何を怒ってるんですかっ!?」
「ヒョン・・・もう時効だろ!ミニョにも解る様に説明してやれよ」
「・・・・・・・・・それは・・・」
「相手も、もういないんだし、こいつのオファー受けて撮影もしたんだから!もう良いだろ」
こいつとミナムがソンジュンに向かって顎をあげている。
「!?・・・何ですか!?」
ミニョの顔に不安の翳が浮かぶが、テギョンが、違うと否定をした。
「お前が悪いとかそういうことじゃない」
「キム・ユアンって、ジョンアssiなんだろ・・・」
ミナムが、ミニョの顔を見ると、ジョンアを見たミニョは、頷いた事を確認して、はいと言った。
「つまり、ミニョに告白したのは、こっちのソンジュンssiではなくて、そっちの・・・女性にしか見えないのは・・・あれ・・・だな・・・ジョンアssiって事!だよね」
シヌが、ミナムの後を続けるとそうかと頷いている。
「そうっですけど・・・あっ、あの!!!話が、全く解りません!!!!」
「そもそも、あんたが、俺を挑発しなければこんな事になってないだろ!!!」
テギョンが、ミニョの手を握りながら、隣のソンジュンを睨んだ。
「ミニョssiの仕事の管理をなさっているというのが・・・理解できません」
「なら、ミニョを選ばなければ良いだろ!!」
「ミニョssiとは、仕事をしたい・・・」
矛盾を抱えるテギョンとソンジュンの会話に一斉に視線が注がれたが、A.N.Jellは、誰も何も言わずに黙々とお茶とお菓子を口にしている。
「なっにを・・・俺の許可が要るのは、業界の常識だ!!!」
「だから、ユンギに頼んで、あなたを通したでしょ!仕事は仕事!割り切ってますよ」
「・・・・・・どこがっ・・・」
「ちょ、ちょっと!!わたしにも全く解らない!解るように説明してよ!!」
ジョンアが、ソンジュンの腕を掴んで、ふたりの言い合いに割って入ると掴まれた腕を外したソンジュンが、深い溜息吐いた。
「・・・俺が、今、進めてる企画があって、その話をしたんだよ」
「ソンジュンの仕事!?」
「ああ、ボランティア部門を拡大して、売り上げの一部を支援に当ててるだろ・・・それに新しい広告塔をたてたいんだ・・・それを・・・」
「それをミニョにやらせたいんだって・・・」
「今のタレントの契約が、今年一杯だからって」
「ユンギも関わってるだろ」
「ユンギssiもコンサートとか開いて、寄付とか集めてますよね」
ミニョの一言にそちらに視線が集中したが、ミナムとジェルミが口を揃えて、ああーと頷き、シヌが、もしかしてと言った。
「ユンギが、ミニョを推薦したのか!?」
「そうなの!?」
「確かに・・・今回のCMの件もそちらの話もユンギの推薦です・・・けど・・・復帰するなら・・・それにミニョssiのイメージが、今回のコンセプトにピッタリだったからです」
「ミニョってさぁ、もっとこう、のほほんとしたイメージじゃない!?」
「ああ、どちらかというと真逆だよな・・・あのイメージってテギョンと俺達ぐらいしか、知らないんじゃないか」
シヌとミナムが、口を開きかけたテギョンそっちのけでぽんぽん会話を進めていて、テギョンに限らず、ミニョとジェルミも会話に入る隙がなくポカンとしたまま聞いていて、また溜息を吐いたソンジュンが、ジョンアの手の甲を軽く叩いている。
「それは・・・引退前の彼女を知ってるからです」
「引退前!?」
「ええ、あの事件の時、俺も俺達もそこにいたんです」
あの事件と言ったソンジュンにテギョンが、苦い顔をして口角を僅かにあげ、その表情を見ていたシヌもミニョに視線を移し、ミナムも瞳だけを動かしてミニョを見たけれど、ミニョとジェルミは、首を傾げてソンジュンを見つめ、次の言葉を待っているのだった。
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そろそろ謎解きしないと過去にどんな事件(!?)があったのかしらん(笑)
って、ちゃんと繋がってるかな・・・(;´Д`)
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byアメーバピグ |
うん!わたしもガ〇ダ〇好き(笑)
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