はい!では!息を吸って~吐いて~息抜きして~・・・ってすずの息抜きだわo(〃^▽^〃)o
★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★☆☆☆★★★★★
「リン!いらっしゃい」
「うん・・・」
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
ふと、振り返ると白いグランドピアノの前に座る
オンマとアッパが見えた。
顔を見合わせては、笑いあってアッパの弾いてるピアノに
あわせてオンマが歌を歌ってる。
その膝の上。
小さな小さな栗毛の赤ん坊が座っていて、
きっと、あれが僕なんだろう。
オンマの膝の上で、笑っている。
アッパの弾いてるピアノの指先を見つめてきょとんとしてみたり、
体を前に出して鍵盤を叩きたそうにしている。
オンマの歌が終るとアッパが、赤ん坊に手を伸ばして膝に乗せた。
椅子を少し前に出して、鍵盤に近づく。
体を少し前に出して、弾くのではなく叩いて音を出す。
めちゃくちゃな音。
けれど、アッパもオンマも嬉しそうに笑っている。
「ふふ、ピアノが好きですか」
「まだ、判らないだろう」
「でも、オッパの子ですからね」
「お前に似れば歌もいけるかもな」
「オッパだって歌手じゃないですか!」
そんな会話をしながら、二人が笑いあっている。
幸せな光景。
ふたりの間に居る僕も嬉しそうだ。
アッパに手を伸ばして、もっと聞かせろとせがんでいるのが解る。
唇を歪めて、動かして、嫌そうにするのはアッパの癖だけど、
それを見て笑っているオンマが僕を抱き上げて、膝に抱えなおしている。
「リクエストが、ありますか!?」
アッパが、紳士然としてオンマに聞いている。
「なんでも良いのですか」
「ああ、早くしろよ」
「うーん、そうですね」
「「fly me to the Moon」」
アッパとオンマの声が重なって、同時に曲を言い合った。
「もー」
「バカの一つ覚えみたいだな」
「好きなんです!オッパが弾き語ってくれるのが!」
「ふふ、時に詩人はか・・・」
「そうです!」
時に詩人は。
時に詩人は、陳腐な言葉で愛を囁く。
そう始まる唄。
シンプルな歌詞で、愛を囁く唄。
シンプルな愛をアッパはオンマに語ったのかな。
アッパの唄は、哀しい愛が多い。
淋しい愛が多い。
それに気付いたのは、オンマの唄を聴くようになってからだな。
ふたりだけの音源には、楽しい愛や嬉しい愛が多いのに発表されてる曲は、
哀しい愛が多かった。
何かを求めている愛というのかな。
「お前に会って変わったものがたくさんあるな」
「この子がいたら、また変わるのでしょうね」
「そうだな、お前と俺とリンと愛が増えたからな」
「・・・そうですね・・・」
「お前に会えて良かった」
「オッパを愛せて良かったです」
ふたりの愛は、きっと、この先も繋がっていくんだ。
僕が、ふたりの結晶なら、この先を紡いでいくのはきっと僕の役目。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
「リン!?何をしてるの!?」
オンマの呼ぶ声が聞こえる。
新しい一歩の為に。
僕は今日新しい窓を開けよう。
にほんブログ村