ミニョは何を言われた!?・・ってそこはちょっと後回し~(^▽^;)A.N.entertainmentからどうぞ~
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「テギョン!」
昼を少し過ぎた頃、リンを捜して事務所の中を歩き回っていたテギョンをシヌが呼び止めると少し話せるかと言った事に構わないと答えたテギョンが、近くの練習ホールを指差し、頷いたシヌと二人でそこに入って行った。
「アルバムの事か!?」
レコーディングを控え、シヌの作ったものを手直しする事無く全て了承したテギョンは、レーコディングならとシヌを見たが、首を振るシヌに何だと首を傾げ、視線を流して中に促した。
「ミニョの事だ」
練習生達が、昼に出掛けてしまったらしいダンスホールは、閑散としていて、四隅にタオルや水、アウター等が散乱している。
「ミニョ!?」
大きな鏡に向って歩き始めたテギョンは、自身を確認する様に僅かにポーズをつけながら歩いていて、後ろを歩くシヌも職業病なのか、テギョンとの位置を確認しながら鏡に近づいた。
「ああ、CMのオファーを受けたんだろ」
鏡の前に立つテギョンが、シャツを直し、顎をあげて左右を確認している。
「ああ、それか・・・」
シヌの杞憂に気付いたテギョンが、振り返った。
「例の・・・会社だろ」
言い難そうに訊ねるシヌにああ、と思い出した様な表情のテギョンが、大丈夫だと笑っている。
「あれは、昔の事だからな」
「そうか、ミニョに何も無いならいいんだ」
テギョンの美しくあがる口角に安堵を浮かべたシヌは、こちらも口角をあげて頷いている。
「・・・・・・心配、か」
少し首を傾げるテギョンは、シヌの表情を見つめて閉じた唇を左右に動かしたが、自嘲気味に笑って聞いた。
「まぁ・・な・・・それにあれは俺も・・・」
関わってたからなと言ったシヌにテギョンは、過ぎた事だと笑っていたが、ゴソッと聞こえた音に目を見開いて振り返っている。
「オンマに何かあるの~」
隅に置かれたダンボールの隙間からリンがチョコンと顔を出し、背中にギターを背負ってうつ伏せに寝転がっていた。
「おっ、まえ、いつからそこに」
「ずっと居た~」
よいしょと重そうにギターにバランスを崩されながら立ち上がったリンは、ヨタヨタしながらテギョンとシヌに近づいてきて、えへへと笑うとシヌが、ギターを支え、肩から外している。
「ミニョには、話すなよ!」
下を睨みながらテギョンはそう言ったが、きょとんとするリンは、首を傾げテギョンを指差した。
「アッパ、顔、怖い」
リンの指摘にムッとしたテギョンにシヌが笑っていて、膝を曲げるとリンの顔を覗き込んでいる。
「でもね、これは、本当に話したらダメだよ」
笑ってリンの頭に手を乗せるシヌに不思議な顔をしたリンだが、ふーんと頷くとにっこり笑顔になった。
「シヌヒョンが言うなら言わなーい」
腕を組んで下を見ているテギョンをちらりと見て、シヌの言うことならと聞くと頷くリンに歯をむきだしたテギョンが、軽くイラッとしている。
「おっ前~」
「きゃー、アッパが怖いのー」
リンに伸ばそうとした手を素早く避けたリンは、シヌの陰に隠れて笑い、イラつきを抑えきれないテギョンは、まるで威嚇する様にリンを睨んだが、すぐに呆れた様に首を振った。
「ったく、まぁ、良い!お前を探してたんだ、飯を食いに行くぞ」
「わーい!お腹すいた~」
両手を上げたリンは、扉に向って走り、振り返って早くーと言っている。
「俺も、一緒に行くかな」
リンのギターを肩に掛けたシヌが、テギョンを促してああ、と頷いたテギョンもゆったり歩き始めた。
「行く~」
「お前が決めるな!」
リンの笑顔にイラつくテギョンにシヌが笑っている。
「はは、リンは何が食べたい!?」
「えっとねー」
リンの上から扉を開け廊下に出たテギョンが、リンと手を繋いで歩き始めた。
「いつものバイキングで良いだろ」
「そうだね!リンもスイーツ食べられるしね」
「うん」
「そういえば、ミナムと話していたのは、何だったんだ」
「ああ、嘘つき妖精が、おせっかいを申し出てくれたらしいな」
「ヘイが!?」
「ああ、ミニョのスタッフは、俺達と掛け持ちだろ」
シヌと並んで廊下を歩くテギョンは、練習室の前で置いてくるだろと促し、ギターを置いて戻って来たシヌを待って、話を続けた。
「コンサートの準備に追われてる者もいるし、ワン・コーディーは、俺達のスタイリストだ・・・ミニョに付っきりという訳には行かない」
「オファーは、既に何本もあるんだろ」
その言葉に悔しそうに舌打ちをするテギョンをシヌが笑っている。
「なんだよ!」
「お前、昔もそうやって出演依頼に口出して選別してたな」
相変わらずで安心するとシヌが、笑うとテギョンの手を取ったリンが上を見上げて、抱き上げろと催促しているが、片目を閉じたテギョンは、渋々といった感じにリンを見て、屈みこみ、両脇に腕を伸ばしている。
「どういう意味だ」
シヌやテギョンと視線が同じになったリンは、それににっこり微笑みふたりの話を聞いていて、シヌの言葉に笑顔を零した。
「ミニョを愛してるって事だろ」
リンの腕がテギョンの首に回り、ふふと笑った事にテギョンの唇が尖って、ふんと照れた様に顔を赤くしているのだった。
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